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 「みんなで作ろうインドア・プレーン」は現在もインドア・プレーンの入門書として好評で、販売が継続されています。その本の第1章で赤外線送信機を取り上げていますが、その赤外線送信機キットITX2KITはすでにショップで供給していません。

 そこで新たに組み立てやすい、入門・教材用2チャンネル赤外線送信機キットITX2BKITをリリースしました。電源に取り扱いが簡単な006P型9V乾電池仕様にしました。同型の充電式ニッケル水素電池も使用可能です。

 ここでは入門者に向けてITX2BKITの組み立て方をやさしく説明しています。「みんなで作ろうインドア・プレーン」(以下「本」と略記)の第1章と見比べながら、読み進めると理解が深まると思います。


2チャンネル赤外線送信機ITX2BKITの回路図

 今回のキットの回路図です。本の図1-1と見比べてください。ずいぶん回路が簡単になっています。回路を簡単にして組み立てやすくしました。



ITX2BKITの部品


 キットが届いたらリストと部品を見くらべて、欠品がないか確認してください。

 今回のキットでは4個の赤外発光ダイオードを使います。4個で大丈夫なの?と思われるでしょうが、電源電圧が9Vと電圧が高く、より高出力の赤外発光ダイオードを使って、パワーを最大限に発揮するように工夫しています。バレーコート一面の体育館で問題なく使えることをテスト済みです。

 組み立てた赤外線送信機は、ショップで取り扱っているすべての赤外線受信機と組み合わせて使うことができます。送信機が完成したら、入門・教材用2チャンネル赤外線受信機キット203KIT2の組み立てにチャレンジするのもよいでしょう。

 ではITX2BKITの組み立て方の説明です。



 基板の裏(画像上)と表(画像下)です。表には部品番号と一部部品の向きが印刷されています。



 上の画像の部品は電池から供給される9Vを、マイコンが動作する5Vに変換するための部品です。左からレギュレータIC(U2)、タンタルコンデンサ(C3) 、セラミックコンデンサ(C1、C2)2個。



 レギュレータIC(U2)に印刷されている記号です。後で出てくるFET(Q1)と同じ外見なので気をつけてください。





 まずはじめにこれらの部品を基板にはんだ付けします。タンタルコンデンサ(C3)には極性があるので基板に印刷されている「+」側に足の長いほう(本体に+印字あり)を合わせまてください。逆向きに取り付けると、電池をつないだ時にコンデンサが破裂するので気をつけてください。

 レギュレータIC(U2)は印刷の向きに合わせてください。セラミックコンデンサ(C1、C2)には極性がないので、どちら向きに取り付けてもかまいません。



 以上4点の部品のはんだつけが完了したら次に進みます。



 006P型9V電池スナップのケーブルを、長さ約6cmにカットします。



 ケーブル先端の被覆を剥いて、基板の9V端子の+に赤のリード線を、-に黒のリード線をはんだ付けします。



 006P型の9V乾電池を基板に仮止めしたあと、電池スナップを電池にセットして、9Vの-端子と+5V端子間に5Vが出ていることをテスターで確認します。今回は5.06Vを表示していますが、4.9Vから5.2Vの範囲ならOKです。確認できたら電池を外しておきます。



 つぎに、低い部品からはんだ付けしていくと組み立てが楽です。画像のように5本の抵抗(R1、R2、R3、R4、R5)をはんだ付けします。



 R1とR2は4.7KΩ(黄、紫、赤、金色の帯)です。抵抗には極性がないのでどちら向きに取り付けてもかまいません。



 R3とR4は10Ω(茶、黒、黒、金色の帯)です。R5は1KΩ(茶、黒、赤、金色の帯)です。極性がないのでどちら向きに取り付けてもかまいません。



 次に8本足のマイコン(U1)、トリムポット(VR1、VR2)2個、FET(Q1)を基板にはんだ付けします。マイコンは基板の印刷の向きに合わせます。



 FET(Q1)に印刷されている記号です。FETは基板の印刷の向きに合わせます。トリムポット(VR1、VR2)はそれぞれ3個の穴に合わせます。



 次に出力確認用の赤色発光ダイオード(D5)をはんだ付けします。足の長いほうがアノードです。上の画像では発光ダイオードの左側がアノードです。発光ダイオードは基板の穴に差し込むと途中で止まるので、その高さではんだ付けします。

 あと、赤外発光ダイオード(D1、D2、D3、D4)4個とジョイスティック(JS1)を取り付ければ送信機の完成です。



 2段式LEDホルダの下段に赤外発光ダイオードをセットします。赤外発光ダイオードの足の長い方(アノード)を画像のように下側にセットします。



 そして足を90度折り曲げます。



 次に2段式LEDホルダの上段に赤外発光ダイオードをセットします(向きは下段と同じ。



 そして上段の足も90度折り曲げます。どちらの足も画像のように下側が長いことを確認します。このユニットを2組作ります。





 2組の赤外発光ダイオードを基板にはんだ付けします。



 いよいよジョイスティックをはんだ付けすれば赤外線送信機の完成です。



 ジョイスティックの4本の足を内側に折り曲げて、6か所はんだ付けします。



 赤外線送信機の完成です。ジョイスティックの操作ノブは使い終わったボールペンの芯を22mmの長さにカットして、はんだごてのこて先の上で温めて柔らかくなったら、ジョイスティックにセットします。ノブの長さは長年の経験から決めたものですが、各自いろいろ試してみて、操作しやすい長さをみつけてください。



 電池を基板の余白部にテープで固定して、電池スナップを電池にセットすると、赤色の発光ダイオードが点灯します。画像では基板と電池の間に0.5mmのスチレンペーパーを挟んで、電池のぐらつきを防ぐようにしています。画像の電池は充電式のニッケル水素電池です。



 4個の赤外発光ダイオードは肉眼では点灯しているかどうか確認できないので、デジタルカメラで確認します。デジタルカメラによって色の見え方が違います。

 電池スナップの着脱で電源をON/OFFします。充電式のニッケル水素電池でおよそ4時間の連続使用が可能です。

 ジョイスティックを一番下まで下げた状態で、THRトリムでモータが止まるように調整します。そしてRUDトリムでラダー(方向舵)がニュートラル(中立)になるように調整します。この調整は受信機とモータとラダーサーボまたはアクチュエータをつないだ状態で行います。それまでは一連の組み立て画像を参考に、およそのトリム位置に合わせておいてかまいません。

 今回の赤外線送信機キットは、基板の外形をルーターカットし、コーナーも曲線にして手触りのよい滑らかな仕上げにしました、基板も電池の幅(26mm)に合わせ、電池の搭載位置にも配慮しました。一番上のタイトル画像にあるように、しっくり手になじむ仕上がりになっています。

 以上、わかりやすく解説したつもりですが、質問や疑問点があればコメント欄に書き込んでください。

コメント ( 9 ) | Trackback (  )
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コメント
 
 
 
Unknown (初心者ですが・・・)
2012-03-02 09:02:50
この赤外線送信キットは狭い部屋とかではなく広い体育館でも使用できますでしょうか?
 
 
 
体育館での使用について (toko)
2012-03-02 11:34:43
我々が毎月飛行会を開催している片瀬しおさいセンター体育館で、毎回メインの送信機として使っていますが、
バレーコート1面程度の広さの体育館なら問題なく使えます。
 
 
 
スイッチング機能について (agohigeazarasi)
2012-06-05 23:04:33
産業用の自動機制御ラインでは、どうしても可動部が出来る。

この可動部にロボット線を使用しますが、ロボット線のコストが高いので、シーケンサーに入力回路に応用出来そうに思うのですが・・・・・・

いかがでしょうか ?
 
 
 
ロボットへの応用 (toko)
2012-06-06 17:47:12
赤外線線制御では応答速度が遅いので、シーケンサー入力として使う場合の条件が限られてしまいそうです。
 
 
 
モーターの回転 (ねこ)
2013-08-06 15:03:15
キットを購入してマニュアルを見ながら組み上げたのですが、モータの回転がジョイスティックの左右方向(ラダー)で制御されています。
ラダー中立状態だと中速で回転、LEDを前にして左に倒すと停止というようになっています。

ジョイスティックの上下方向で回転数を制御したいのですが、チャンネル切り替えのようなものはあるのでしょうか。

お手数ですが教えていただけたら幸いです。
 
 
 
受信機は262(38kHz) (ねこ)
2013-08-06 15:05:59
モータは超軽量2チャンネル赤外線受信機 IRX262のモータ側に配線しています。
 
 
 
ITX2BKITについて (toko)
2013-08-06 16:03:40
チャンネルの設定を変更する機能はついていません。
はんだ付けに問題がなければ正常に動作するはずですが、
状況から判断すると、マイコンが正常に動作していないようです。
もし自分でマイコンを交換できるようでしたら、こちらから別のマイコンをお送りします。メールで送り先を教えてください。
toko0131@goo.jp(@は小文字に直してください)
あるいは送信機をお送りいただいても構いません。こちらで診断します。ただし送料はご負担ください。
 
 
 
Unknown (るー)
2014-04-04 23:03:41
スロットル、ラダーのトリム調整のやり方が分かりません…
どうすればよいでしょうか?
 
 
 
トリム調整 (toko)
2014-04-05 09:38:24
飛行機に受信機をセットしてモータとアクチュエータを配線し、電源を繋いで、送信機のスティックを一番下に下げた状態でモータが止まる位置にTHRトリムをセットします。
ラダーは送信機のスティックが左右の中央にあるときにラダーが右にも左にも振れない位置にRUDトリムを合わせればOKです。
送信機だけでは調整できないので、送信機を組み立てた時は、トリムをとりあえず画像の位置に合わせてください。
 
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