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ウルトラハイパワー赤外線送信モジュールの製作
PIC
/
2005-04-12
ウルトラハイパワー赤外線送信モジュールの製作
動作確認はFutabaのT8U(FF8)のみで行っている。ここに掲載した部品以外のものを使った場合の動作については一切確認していない。代替パーツによる製作は危険を伴う。また、所期の性能を発揮できない可能性が高いので、回路図に示す部品以外での製作をしないこと。特に、電源に使用するリチウムポリマ電池の取り扱いについては細心の注意を払うこと。
tx3857-629v3.HEX
(マウス右クリックで「対象をファイルに保存」)
今回は今までになく強力な赤外線出力を作り出すために、従来の赤外線送信機とは異なる制御方式を採用している。回路図ではFutabaのDINコネクタを使ったが、4チャンネル以上の送信機ならFutaba,Sanwaの送信機にセットして使うことができる。Sanwaの送信機にセットして使う場合は、モードをPPRに設定する。ただし、Sanwaの送信機については動作を確認していない。なお、JRの送信機では動作しない。
電源にはハイディスチャージタイプのKokam 340SHDリチウムポリマ電池3セルを直列にして使用する。リチウムポリマ電池の充電完了電圧は12.6V、定格電圧で11.1V、使用可能な下限電圧が9.0Vであることから、超強力な赤外線出力を安定に出力するため、赤外発光ダイオードのドライブ電圧を低ドロップアウトレギュレータで9Vに安定化している。
電圧の安定化に低ドロップアウト9V出力3端子レギュレータLM2940Tを使用した。赤外発光ダイオードには、今回新たにQED234を使った。赤外発光ダイオードの電流制限抵抗に1%誤差の金属皮膜抵抗器を使って、各ダイオード列の電流のばらつきを抑える。また、24個の赤外発光ダイオードをドライブするためのFETに、新たに2SK2231を使った。
赤外発光ダイオードの電流制限抵抗は、基板の裏側に取り付けて、ケース内部への配線を2本で済ませた。赤外発光ダイオードは、3個直列にした8列の計24個。赤外線送信モジュールの平均消費電流は約220mAだが、瞬間最大電流は5Aを超えるので、回路図の太線部分の配線には太いものを使用する。9V出力の3端子レギュレータは1A出力なので、出力側に1000μFの大容量コンデンサを使ってレギュレータに流れるピーク電流を抑えている。
Kokam 3S340SHDリチウムポリマ電池を使った場合、Futaba T8U(FF8)送信機では、電源電圧が9.0Vに降下するまでの連続使用可能時間は70分。実用上問題のない使用可能時間と思える。この電池を使えば送信機の電池収納部に問題なく収めることができる。ニッカド電池、ニッケル水素電池、アルカリ一時電池は使えないので念のため。
なお、強力な赤外光を発するので、赤外発光ダイオードを暗いところで覗き込むようなことはやめたほうがよい。目の瞳孔が赤外線に反応しないため。
今回はFutabaのT8U(FF8)送信機にセットしてテストを行ったが、使用する送信機によっては問題が発生しないとも限らない。いかなる問題が発生しても作者は責任をもたない。
安全に製作を進めるために必ず次の順序で作業を行う。
配線が完了したら、赤外発光ダイオードをつなぐ前に、配線に間違いがないかもう一度確認する。配線に間違いがなければ、PICをはずした状態で送信機の電源スイッチをONにし、まず電源電圧を確認する。つぎに9Vの出力と5Vの出力を確認する。この時点では出力確認用LEDは点灯しない。
次にプログラムを書き込んだPICをソケットにセットし、送信機の電源スイッチをONにする。ここで出力確認用のLEDが点灯する。このとき変調周波数切り替えスイッチはどちらに倒してあっても問題ない。パルスチェッカがある場合は、パルスチェッカ用出力端子につないで出力パルス幅が確認できる。パルスチェッカがない場合は、赤外線送信モジュールを左右にすばやく振って、出力確認用LEDの点滅が確認できれば正常に動作していると判断できる。もし、出力確認用LEDが点灯しない場合は、LEDの取り付け方向に間違いがないかを確認し、取り付けに問題がなければ、PICの書き込みが正常に行われていないことになる。
以上の作業まで問題がなければ、最後に赤外発光ダイオードをつなぎ、再び送信機の電源スイッチをONにして、デジタルカメラあるいはビデオカメラで赤外発光ダイオードの点灯を確認する。
パーツリスト
完成後、バッテリモニタを搭載してみた。電源電圧が9.5Vに低下するまでLEDが点灯し、それ以下になるとLEDが消灯する。電圧検出にシャントレギュレータを使用。
今回採用したバッテリモニタ回路は電源電圧が低下すると、その電圧に比例してシャントレギュレータのリファレンス電圧も低下する。
バッテリモニタを組み込んだ回路図
LEDが発光している間は安心して使用することができる。LEDが消灯する電圧レベルをVR1(10KΩ)のポテンショメータで調整する。バッテリーの代わりに可変電源装置から送信機に電源を供給し、その電圧が9.5Vに低下したらLEDが消灯するようにVR1で調整。FutabaのT8U(FF8)送信機では、電池電圧がトレーナ端子に供給される間に逆接防止用のダイオードが挿入されているため、トレーナ端子に出力される電圧は電池電圧を下回るので、トレーナ端子から出力される電圧を基準にすると大きな誤差を生じる。
バッテリモニタを組み込んだ赤外線送信モジュール
今回25回転縦型ポテンショメータを使用したが、タカチのケースHW1551KBでは高さが少し足りず、取り付け部分の基板を削るなど無理して取り付けた。最初から組み込む場合は寝かせて取り付けるか、横型のポテンショメータを使うほうがよい。
今回は念のため、バレーコート1面の広さを持つ藤沢市片瀬しおさいセンター体育館と、赤外線の反射が比較的少ない藤沢市六会市民センター体育館の両会場でテストを行った。送信機を体の後ろに回して、赤外線出力を床に向けた状態で操縦してみたが、どちらの会場でもまったく問題なくコントロールできることが確認できた。
バッテリモニタ・バーツリスト
コメント (
11
)
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コメント
開発、ご苦労様でした
(
NOBU
)
2005-04-12 21:02:57
有難う御座いました。想像以上に保護抵抗が小さいので驚いています。直ぐにでも製作したいのですが春の風邪にやられてしまい、ダウンしています。
回復次第、製作に入ります。
製作は勿論、自己責任で行いますのでご安心下さい。
tokoさんも、お体には気をつけて下さい。
開発ありがとうございます。
(
COCO
)
2005-04-14 12:35:16
私も挑戦したいですが、肝はやはりリポですね。すぐにでも取りかかりたいですが、私の場合は、この取り扱いに慣れてから取り組んだ方がいいような気がしていますので、しばらく皆さんの製作されたものの話を参考にして、自分もトライしようと思います。
これだったら、屋外でもかなり状態よく飛びそうですね。
シャントレギュレータの配線
(
NOBU
)
2005-05-01 20:37:33
今日は、実験していて発見したのですが、シャントレギュレータのピンは配線図上側から(3)(1)(2)
だと思います。超小型2チャンネル赤外線送信機が
正しいと思います。
シャントレギュレータの配線
(
toko
)
2005-05-02 00:11:31
シャントレギュレータの番号が間違っていましたね。NOBUさんありがとうございます。早速直しました。
FET 2SK2231
(
としちゃん
)
2005-06-29 13:15:59
データシートと回路図を何度も見比べてみたのですが、2SK2231のピン番号は上から2.1.3が正しいと思いますが。どうでしょうか?
2SK2231の番号
(
toko
)
2005-06-29 14:19:50
ピン番号が間違っていましたね。早速訂正しました。としちゃんありがとうございます。
38KHzのデューティ比
(
EF58
)
2005-07-20 15:24:41
拝啓、初めて投稿します。私は1/80鉄道模型で赤外線コントロールにAVRで挑戦中であり、部屋の中を動き回る対象物に赤外線を飛ばす、という意味で参考にさせていただいております。
ちょっと気になったのですが赤外線の38KHzのデューティ比は検討されたのでしょうか?、記事を見ると「13μS毎にON・OFFする」としか見あたらないので。
市販の家電用リモコンでは電池節約の為、1/3にしているとか聞きます。実験したところ、デューティ比50%の状態から徐々にデューティ比を減らしていき、到達距離が落ちない限界を探ると37%でした。
端数はありますが10μsオンにして16μsオフにするという感じです。
電池節約に役に立つのではと思い投稿しました。
もし、既に確認済でありましたらご容赦を。
デューティ比
(
toko
)
2005-07-20 17:55:46
EF58さんの鉄道模型に赤外線を使われているということですが、大変勉強なさっている様子が伺えます。
おっしゃるとおり、家庭用リモコンではデューティ比を1/3にしているものもあります。
超高出力赤外線送信機では変調出力のデューティ比も含め、他にも工夫を凝らしたPICプログラム構成にしてあります。
デューティ比
(
EF58
)
2005-07-22 13:46:05
さすがに検討済でしたね、失礼しました。
Unknown
(
yama
)
2008-02-27 19:54:44
この前、送信機を作ったんだけどあまり遠くまで
届かなかった。
オシロで見てみたら波形がなまっていたので調べてみたところFETのG容量が5000pだった。
1000pのに変えた所、まあまあ届くようになった。
PICとFETの間にドライバーを積んだほうがいいと思うよ。
Unknown
(
デジカメ大好きっ子らどん
)
2009-02-28 15:10:03
私には難しすぎることをしてますね(汗
カメラにもこのような技術があるのですね。
自分の今まで知っていたカメラの世界はほんとに狭かったと思ってしまいます。
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tokoさんも、お体には気をつけて下さい。
これだったら、屋外でもかなり状態よく飛びそうですね。
だと思います。超小型2チャンネル赤外線送信機が
正しいと思います。
ちょっと気になったのですが赤外線の38KHzのデューティ比は検討されたのでしょうか?、記事を見ると「13μS毎にON・OFFする」としか見あたらないので。
市販の家電用リモコンでは電池節約の為、1/3にしているとか聞きます。実験したところ、デューティ比50%の状態から徐々にデューティ比を減らしていき、到達距離が落ちない限界を探ると37%でした。
端数はありますが10μsオンにして16μsオフにするという感じです。
電池節約に役に立つのではと思い投稿しました。
もし、既に確認済でありましたらご容赦を。
おっしゃるとおり、家庭用リモコンではデューティ比を1/3にしているものもあります。
超高出力赤外線送信機では変調出力のデューティ比も含め、他にも工夫を凝らしたPICプログラム構成にしてあります。
届かなかった。
オシロで見てみたら波形がなまっていたので調べてみたところFETのG容量が5000pだった。
1000pのに変えた所、まあまあ届くようになった。
PICとFETの間にドライバーを積んだほうがいいと思うよ。
カメラにもこのような技術があるのですね。
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