ファンタジアランドのアイデア

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健康寿命を延ばす記憶力強化  アイデア広場 その238 

2017-10-22 18:57:14 | 日記


 ロンドンのタクシードライバーは、一般のロンドン市民より海馬の体積が多いと言います。能動的に仕事を続けると、海馬に対する刺激が盛んになります。すると、海馬のタンパク質の合成が進み、記憶力が向上することになります。ロンドンの複雑な道路を縦横に走り回り、お客を乗せて、収入を上げることを常に考える姿勢が、この結果につながっているのでしょう。タクシードライバーとは反対に、認知症の患者は海馬が著しく縮小する傾向があるのです。記憶力の強化が、認知症の防止策として注目をあびている理由です。
 そこで、記憶力の強化について考えてみました。人間が一度で覚えられる情報は、5~9個の間といわれています。英語の単語を記憶する時、10個を単位に覚える生徒が多いようです。でも、5つを単位に覚えた方が、脳の立場からは良いのです。反復が、記憶力を向上させることはよく知られていることです。記憶したことは、少しずつ忘れていきます。では、いつ反復すれば効果的に覚えられるのか。記憶の下降が60~70%になったときに、再び復習すると効果的に覚えられることも分かってきました。復習は、確実に記憶を長持ちさせてくれます。人間は我が儘なもので、マイナス感情を伴いながら覚えようとすると、忘却装置が働いて忘れることが早くなるようです。
 私たちが「覚えられない」という場合、それは「思い出せない」場合がほとんどなのです。覚えやすくするためには、「つなげ方」をたくさん知っておくことです。覚えた事柄に、いくつかのキーワードを刷り込んでおくのです。事柄が忘れても、キーワードから記憶がよみがえることが多いのです。昔のことですが、「ハワイ」「大きい」「強い」というキーワードから「高見山関」を思い出した認知症の方がいました。似たものを探すときには、自分の頭を使って連想をしていくことも必要になります。目で見て、手を動かして、口で話して、できるだけ多くの感覚器官を同時に使いながら覚えることです。多くの部分を使うことで、思い出す手がかりが多くなるわけです。
 覚えることが曖昧だと、人は思い出せなくなります。曖昧なものを小さく分けて、覚えていくと効率良く覚えるようです。パーフェクトに覚えていることを学習しても、学力は向上せず、時間の無駄になるだけようです。簡単過ぎることをやっても、伸びません。難しすぎることをやっても、難しすぎて伸びません。簡単で伸びる問題と難しくて伸びる問題を集中してやることです。この種の問題は、努力すればできる問題になります。挑戦すれば、到達できる問題に、エネルギーを集中することです。
 楽しく覚えること、覚えることにキーワードを忍び込ませておくこと、覚える時には複数の感覚で覚えこと、そして、努力に対して向上したという達成感があること、などが記憶力の強化を助けることになります。記憶の強化は、多くの器官を使っています。加齢を遅延させているともいえます。多くの感覚器官を使用することが、健康寿命を延ばすことにも繋がるわけです。