ファンタジアランドのアイデア

ファンタジアランドは、虚偽の世界です。この国のお話をしますが、真実だとは考えないでください。

保育園児の教育水準を上げることは国を豊かにします  アイデア広場 その266 

2017-11-11 18:29:01 | 日記

 中長期的な視点で見て、人口が減って栄えた国や地域はありません。歴史的に見ると、人口の増加は、安定と発展とほぼ同義語になります。安定と発展の基盤は、子どもの健全な成長発達です。子どもの成長に決定的に関わる母親が、経済的社会的に安定していることが求められます。母親の安定が、子どもの健全な成長を促すことになるわけです。女性が何人子どもを産んでも、そのことで決して貧しくならないことが保障される地域にすることです。母親が働くことを前提に、乳幼児を必ず預けられる場所を用意することが重要になります。
 そこで、母親が安心して働ける保育園のあり方を考えてみました。ゼロ歳児の保育料は、年間480万円ほどかかります。親が月10万円の保育費を納めても、年間120万円です。360万円の赤字です。保育園は補助金がなけば赤字になる仕組みなのです。人口増加に成功しているフランスは、ユニークな仕組みを取り入れています。育児休業給付が、1年目は100%支給されます。休んでも100%もらえるなら、1年目だけは赤ちゃんと一緒に過ごそうとする母親が多いのです。この1年間に、480万円費用がかかります。国が保育所に480万払っても、母親に払っても同じことなのです。このゼロ歳児が1歳児になると、コストは半額以下になります。つまり、一番大変な乳児の時に、母親に見てもらうわけです。母親に480万の金額を、育児休業給付という形で支給します。保育所は、最も難しい乳児の保育を免除されています。母親にも子どものにも、そして保育士にもウインウインの環境を提供する制度といえます。
 人口の増加は、国を豊かにします。もう一つ、さらに豊かにする次のステージがあります。高い教育水準です。付加価値の高い創造的人材を多く輩出することが、次のステージになるのです。水準の高い教育は、子どもが幸福だと感じる環境で形成されます。幸せな子どもを増やすことが、保育や教育の場に求められるのです。幸せな子どもを増やすためには、幸せな母親を増やさなければなりません。子どもと母親を導く保育士や教師の力量も大切になります。
 日本は、保育園が充実していません。子どもを預けて、母親が自由に働ける環境が未整備なのです。ようやく、政府も自治体も、そして企業も本腰を入れてきました。保育園を阻む要因は、予算、物件、制度の使い勝手、そして保育士不足です。保育園では、保育士が一人でも欠けたら、法例違反となって開園ができません。保育士を採用できた数が、保育園の開園の上限になっているのです。待機児童の多い都市部において、保育士の不足が深刻です。
 保育士の不足数は、7万人程度です。保育士資格を持っている潜在保育士の数は、76万人と推定されています。理論的には、潜在的保育士が働くことで、保育所不足の問題は解決するわけです。保育士の過酷な労働環境が、潜在保育士の数を増やしている現実があります。この過酷な条件を、薄めていく働きかけが必要でしょう。ゼロ歳児を母親に見てもらう制度の導入もあるでしょう。子育てが終わった保育士が午前中は働けるという場合、午前中だけ働いてもらうこともできるでしょう。保育士の雑務を、資格のない職員が引き受けるということもできます。優秀な保育士に、子どもの養育をみてもらうことが大切になります。子どもを増やし、その才能をのばすことが、日本の未来を明るくすることになります。