ファンタジアランドのアイデア

ファンタジアランドは、虚偽の世界です。この国のお話をしますが、真実だとは考えないでください。

障害者の作った農作物をパラリンピックで使用 アイデア広場 その288

2017-12-03 16:23:46 | 日記
 2020年のオリンピック・パラリンピックでは、選手村の食堂で使う食材は、GAP(農業生産工程管理)の認証取得を条件としています。GAPは、農産物の安全性向上や環境保全、労働環境などに配慮して生産活動を続けている農業関係者を対象に、青果物や穀物など品目ごとに認証するものです。この認証を得ることで信用力が高まり、販路が安定するなどの利点があるとされています。この認証には、グローバルGAPと日本版の認証「J GAP」、そして各都道府県の GAPがあります。選手村での食材提供にはグローバルGAPとJ GAP、もしくはこれに準じた都道府県GAPが必要なるわけです。でも、このままでは国産食材を十分に提供できない状況が生まれています。これらの認定取得には、審査費がかかるのです。特に、グローバルGAPの審査や更新手続き費用には、数十万円のお金が必要になります。認証は取りたいが、取れない実情があるようです。
 そこで、GAPの認証作物とオリンピック・パラリンピックで使用する食材ついて考えてみました。障害者が、農業の担い手として活躍する事例が増えています。農業分野に障害者が就労する農業と福祉が連携する試みを、農福連携といいます。この農福連携が注目を集めているのです。農福連携で作った農作物を、オリンピック・パラリンピックの食堂で食べてもらうのです。障害を持つ選手の大会を、障害を持つ生産者が積極的に関わりを持つ試みです。実現すれば、今までのオリンピックでは珍しい試みなるでしょう。
 三重県松阪市の郊外では、障害者がイチゴの苗付け作業をしています。苗を植え付ける場合、従来は水平に素早く植える職人技が必要でした。特別支援学校の先生のアイデアで、下敷きを使って簡単にできる方法を考え出しました。苗を運ぶ人、植え付ける人、水やりをする人など作業を分担して行っています。作業を細分化して、誰でもができるように工夫しています。作業の細分化により、製造業のような生産性の高い分業体制ができました。誰でもができる体制は、売上げを5倍以上に拡大することに成功しています。
 2013年に、障害者の雇用を義務付ける法改正が行われました。この障害者雇用促進法により、企業は特例子会社を作る気運が高まりました。農業機械のクボタは、特例子会社を大阪府に開設しました。そこで、障害者を雇用しレタスの水耕栽培をしています。香川県では、25の障害者施設が農作業を請け負っています。新潟の農業法人は、農作業を希望する障害者を募り、農場に派遣する事業を行っています。これらの事業の背景には、遊休農地の活用があります。高齢化などの理由で、耕作を離れる農家が増えています。その農地を企業が借ります。借りた農地を、障害者が耕作する仕組みになります。企業には、障害者を雇用する義務があります。この制度を利用して、福祉関係の事業所は、障害者の働く場を広げるお手伝いをしています。障害者にとって働く場が拡大します。人手不足に悩む農家は、担い手を確保できます。企業は、雇用の義務を果たすことができます。農家と企業、そして福祉関係者が強みを活かして、農業生産に協力することがウインウインの関係になります。是非、障害者が生産した農作物を、大会で食べてもらいたいものです。