ファンタジアランドのアイデア

ファンタジアランドは、虚偽の世界です。この国のお話をしますが、真実だとは考えないでください。

荷物と旅客を同時に運ぶ規制緩和の大英断 アイデア広場 その185

2017-09-09 17:50:25 | 日記

国土交通省は、宅配用の荷物と旅客を同時に運べるようにするための規制を緩和しています。国は、安全確保の観点からからバスやタクシーは旅客に限定し、貨物はトラックの運送に特化してきました。でも、旅客運送や物流の担い手不足の深刻さが、想像以上に進んでいるのです。そこで、バスやタクシーそしてトラックが旅客と貨物の運送を兼ねることができる試案を発表したわけです。これにより、多くの代替輸送のアイデアや工夫が発案され、サービスの効率化が進められます。もちろん、人手不足を解決する方策も多数も出てくるでしょう。この英断は、黒電話が携帯電話に代わったようなインパクトと経済波及効果をもたらすと確信しています。
そこで、この英断の背景を探り、今後の旅客と貨物運送の未来を覗いてみました。日本の岩盤規制は、黒船によって変わるといわれています。例えば、タクシー業界と国土交通省、そして運輸族といわれる政治家が、これまで上手に付き合ってきました。3者の中だけで、利益を共有していたわけです。他の者を入れず、業界内部の規則を破るものには制裁を加えるような行為が見られました。でも、ドライバーが減少し、所得も少なくなり、組織が弱体化してきました。さらに、日本にも本格上陸するライドシェアへの危機感が生じたわけです。上手に付き合える環境が、壊れたのです。ドライバー不足を解決し、なおかつドライバーの所得を上げる方法を考えるようになりました。さらに、地域の振興という錦の御旗を加えなければなりませんでした。実益と社会理念を融合させた瀬戸際の見事な施策だと感心しました。
物流の最大の問題点は、ラストワンマイルでした。今回の英断は、この解決に導くと期待されます。宅配トラックがまず物流拠点から、路線バスに荷物を運び入れます。路線バスは、地域を網の目のように走っています。バスが地域の停留所に着くと、宅配の従業員が荷物をおろして個人宅に配送するわけです。荷物を降ろすのは、近くの店の主人でも良いわけです。主人が、店の配達物と一緒に配達することも可能になります。
後期高齢者が農村から都市部に移動する理由は、医療機関の要因が大きいのです。もし、いつでも医療機関にいけるインフラが整えば、自分の育った自宅が良いと思う人は少なからずいることでしょう。この病院通いも、宅配トラックやタクシーの新しいシステムと使えば容易に構築できます。宅配トラックが、過地疎地で旅客を乗せることも可能になります。過疎地を回る宅配トラックに乗って、町の病院で診療を受けます。帰りは、空いているタクシーか宅配トラックに乗って帰るという仕組みです。もちろん、そのとき買い物を忘れてはいけないでしょう。
  今は、高速バスが全国を縦横に走っています。もし、青森県の大間のクロマグロを鹿児島の食通が食べたいとしたら、30時間以内で配達されます。青森市から仙台までの高速バスは、5時間で到着します。仙台から大阪までは13時間、大阪から鹿児島10時間程度です。これが、毎日運行しているのです。ビジネス感覚のある方なら、毎日運行、定時運行、荷物の種類、価格、青森と鹿児島の消費者傾向など考慮すれば、どれがビジネスチャンスに結びつくか、すぐに5から10のアイデアが出てくるでしょう。最も、中間点の東京や大阪の客単価の高い消費者の動向が、気になりますか。