ファンタジアランドのアイデア

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スポーツの話 箱根駅伝 その1 10人の選手をそろえる

2016-10-07 20:47:32 | 日記
スポーツの話 箱根駅伝 その1 10人の選手をそろえる

 箱根駅伝は、10人で走ります。1人約20kmを走るわけですが、練習も大変です。日頃から20kmの距離をこなしていないと、本番では走りきることはできません。でも、距離を踏めば踏むほど、スピードを養う力は失われます。かといって、スピード練習ばかりしていると持久力は低下します。スタミナが付きやすい選手と付きにくい選手は、どうしても出てきます。距離とスピードのバランスをどのようにすれば良いのか、嘉納さんにトット記者がインタビューしました。

記者「スピードと持久力の両方を高める練習というものはあるのでしょうか。以前は、インターバルトレーニングが、スピードと持久力を高めるトレーニングとして脚光を浴びていましたが」
嘉納「はい、インターバルトレーニングは、現在でもスピードと持久力を高める有力なトレーニングです。でも、現在は『ポイント練習とつなぎ練習』という形で、長距離の練習をするスタイルが増えています。練習には身体に負荷をかけて鍛えると同時に、休養や栄養をとって回復させる二つの面があります。ポイント練習は重要度が高く、負荷の高い練習になります。ポイント練習の次の日は、クールダウンを意識したつなぎの練習を組み込むことになります」

記者「練習に強弱を加えながら、持久力とスピードをらせん状に走力を高めていくということですか」
嘉納「はい、ポイント練習とつなぎ練習がこなせれば、順調に走力は高まります。実践的走力も、付いてくることになります。一般にポイント練習は、週に2~3回組み込まれています。選手は、ポイント練習とつなぎ練習の意味をよく理解することが大切です。練習のきついポイント練習の終了後、食事が食べれない状態でも食べなければなりません。きつい練習は、身体の筋繊維を損傷することになります。傷めた筋繊維を修復すれば、以前より強い筋力や持久力で走ることができるようになります。筋繊維の修復には、栄養の補給が不可欠です。走るだけで食事をしなければ、走力は急激に低下して行きます。」

記者「練習をして、走力が低下することがあるのですか」
嘉納「はい、適切な栄養の補給と休養を取らなければ、選手生命は絶たれます。常識です」

記者「箱根駅伝で戦うためには、どのような選手をそろえればよいのでしょうか」
嘉納「はい、20kmを61分30秒で走れる選手を10人そろえることです。でも、これは難しのです。そこで60分で走るエースとか、62分で走るつなぎの選手が出てくるわけです。この2分は、私たちが考えるより、かなり大きな意味を持ちます。ある監督は、同じ62分の選手でも、その中身を検討していきます。5000mを15分、10000mを30分30秒で走る選手が、箱根の各区間でどのようなペース配分で走ったかを、一人一人調べていきます。当然日々の練習でも、20kmの走りのペース配分を調べていきます。後半のペース配分が乱れる選手は、後半の安定に重点をおいた練習が目標になります。選手も修正課題として、意識しながら練習を行うことになります」

記者「いやびっくりしました。華やかな沿道をひたむきに走る選手に、そのような課題が課されていたと思いませんでした。監督がただ単に、現在の状況の指示を出しているだけかと思っていました」
嘉納「そうですね、4区にエースクラスを持ってこられるような学校なら、選手層の厚いチームを編成したといえますね。監督も安心でしょうね」

記者「ところで、駅伝はロードを走るわけですが、練習でもロード中心になるのですか」
嘉納「難しい質問ですね。ロードはアスファルトでつくられている道を走ります。硬い道路を長い時間走っていると、足を痛めます。長距離走者は、骨粗しょう症になることが多いのです

記者「なぜですか、運動して身体を鍛えていれば、骨も強くなると思うのですが」
嘉納「簡単にいうと、長距離走者はカロリーを多く消費します。その時にビタミンB1とカルシウムが多く必要になるのです。その補給を怠るとカルシウムが不足し、骨や歯のカルシウムを使って、不足を補うわけです。補給しなければ、骨も歯もカルシウム不足の弱い組織になってしまいます。骨粗しょう症は、長距離走者の職業病、いや『選手病』ともいえるかもしれません。特に女子の選手には多く見られますね」

記者「なるほど、一般に考えられるよりも選手の身体は、繊細につくられているわけですね。かといって、練習の質を下げれば、勝てませんよね。どのような対処をしているのですか」
嘉納「はい、各大学ともいろいろな対策を立てています。まず、栄養管理です。専門の栄養士を雇用して、選手の献立をつくっています。これはよく知られているように、マラソンなどでも選手、監督、コーチ、トレーナー、マネージャー、そして栄養士などのチーム一丸で金メダルを取る方式が有名ですね。駅伝の世界にも徐々にこのような形式が取り入れられてきています。次に目新しいものは、クロスカントリーコースの導入です。硬いロードの上を走るだけの練習ですと、どうしても足を痛める選手が出てきます。柔らかい自然の起伏のある土の上で、足を守りながら走る距離を確保するわけです。クロカントリ-をやると、関節の可動域が広がることがわかってきました。青山大学、神奈川大学、東海大学などはクロスカントリーコースを取り入れ、成績を向上させています。そのほかにも、低酸素室での練習や高酸素カプセルの充実など、各大学が対策を立てています」

記者「今月の10月15日(土)に立川で箱根駅伝の予選会が行われますね。関東学連に加入している大学が50校参加するということです。ここから10校が晴れて箱根駅伝に出場できます。距離は20km、各学校12名が参加し、上位10名の合計タイム上位10校が、箱根駅伝に出場できます。今まで伺った対策を、各大学がどのように練習に生かしてきたか見たいものです。今日はありがとうございました」


注意
ファンタジアランドは、虚偽の世界です。この国のお話をしますが、真実だとは考えないでください。再度申し上げますが、現実の世界ではありません。虚偽の世界のお話の中に、有益だなと思うことがあるかもしれません。虚偽の世界のことを、現実の世界で試してみることは、推奨されることはあっても、禁止されることではありません。ただし、利益をあげても損害を受けても、自己責任ということをおわすれなく。