ときわの広場

ときわ動物病院のコミュニティ。診療のお話やしつけ教室の様子など、ざっくばらんに綴っています。

消化器科2 猫の異物食による腸閉塞

2013-10-08 20:27:41 | 院長のつぶやき
こんにちは、岡村です。


この季節によく発生する疾病があります
ダニなどが媒介する感染症と、異物食です。
食欲の秋とはよく言いますが、動物も冬に備えてたくさん食べます。


猫ちゃんは、ヒモが大好きで、
遊んで、口に入れてしまい、運が良ければ便としてでますが、
中には腸閉塞を起こしてしまうケースもあります
病気でないのに、病気になってしまうのが異物食による腸閉塞です。
ヒモ、ネズミのおもちゃなど人工物で閉塞してしまうことが多いと思います



症状は一日で何度も嘔吐することが特に目立ちます。
そこまでぐったりはせず、元気は、まああることが多く、
「なんだろな」と様子をみてしまいがちなのです


異物による腸閉塞は若齢から中齢に発生が多いですが、年令を問わず発生する可能性があります。
特に高齢の子の場合は、膵臓や腎臓が悪くなっていたりする場合や
消化管腫瘍によっても同じ様に嘔吐しますので、鑑別が必要です。
超音波エコー検査で腸閉塞が疑われれば、消化管バリウム造影検査、血液検査などを行い、
腸閉塞の確定診断と、除外診断を行います


今回は、女性の方にはおなじみの
黒の髪留めのゴム3本が束になって腸閉塞をおこしていました。

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猫ちゃんの日常生活を完璧に監視することはできないですし、
猫ちゃんもそうされればストレスになると思います
猫の飼い主さんには、こういうケースがあることを知っていただき、
ボックスや引き出しにしまうなど、容易に猫が触れない様に
対策を講じてほしいと思います



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