技術構造分析講座ブログ

東工大の科学史・技術史・科学技術社会論・科学方法論研究室のブログです。公式情報、研究の詳細はホームページをご参照下さい。

東大工学部 > 東工大

2011-07-18 15:35:56 | Weblog
先日、飲み屋で隣に座ったおじさんと議論になったんですが、

東大と東工大の関係は、ハーバードとMITの関係のようになるのは、とても無理ということを、このおじさんは主張していました。

東工大は研究面ではかなりの業績をあげているかもしれないが、いかんせん教育面が弱いと。

例えば高校生が、ハーバード大工学部とMITの受験を考えていたら、MITを選ぶことに意味はある。しかし、日本ではこの図式は当てはまらない。東大工学部と東工大であれば、受験生が東工大を選ぶメリットは何も無い。大学受験生に対するおっちゃんのアドバイスは、東工大を受ける気になっている君たち、東大工学部に行きなさい、だそうです……。

教育力に違いが出る理由として、おっちゃんの分析では、東工大は専門教育は強いかもしれないが、教養教育が弱いので、学生の視野がとても狭くなるんだそうです。学部・修士卒業程度であれば、専門の強みに期待する企業なんて無いよ、と。なので、東大工学部と東工大の卒業生がいたら、東工大卒業生は、東大卒業生にこき使われる立場になる。

おっちゃんは東工大の教員と接することが多いそうですが、教養を軽視する風潮がとても強いそうなんですね(要するに教養が無いということ?)。二流、三流の教員が授業を担当するんじゃ、内容も大したことないと確信したようです。

もちろん、例外はあるでしょうが。

東大工学部と東工大の卒業生の比較に関して、僕の手元にはデータがありませんが、ハーバードとMITの選択に関する議論については、その通りかと思いました。

実際のところ、東大は教養教育に力を入れているという点で、「今でも」日本ではトップといっていいでしょう。東工大も戦後の改革では、教養教育に力を入れていたと思ったのですが……。

(和)