技術構造分析講座ブログ

東工大の科学史・技術史・科学技術社会論・科学方法論研究室のブログです。公式情報、研究の詳細はホームページをご参照下さい。

ノイマン、ウィーグナーの母校(中島秀人)

2006-05-15 21:20:14 | Weblog
ごぶさたです。先日ノイマンとウィグナーの母校、ルーテル・ギムナジウムに出かけ、何枚か写真をとりました。ここに収めたのは、ギムナジウム前にある彼らを記念するプレートです。ノーベル経済学賞を受賞したハルシャーニの名前も書かれています。この学校は、市民公園の近くにあります。建物の全体写真は、次回をお楽しみに。

 キーワード Fasori Lutheran Gymnasium; Neumann, Wigner, Harsanyi

恒川清爾さんが70歳で博士号

2006-05-09 20:36:54 | Weblog
東工大の広報誌『東工大クロニクル』の最新号(no.409 Apr.2006)に、この三月に学位をとられた技術構造分析講座の恒川清爾さんの記事が掲載されました(14ページ)。

1936年1月生まれなので、今年ちょうど70歳になる恒川清爾さんは、日立で40年間、技術者として勤務後に社会理工学研究科経営工学専攻に64歳で入学し、本講座で技術史を専攻しました。このほど、「明治期における技術者の分析」という論文で、学位(博士(学術))を取得し、大学院を卒業なさいました。

学位論文は、近代日本の技術史や技術者史に大きく貢献するもので、東工大の前身校、東京職工学校や東京高等工業学校出身の技術者の大きかった役割も明らかにしています。

同誌には、「東工大大学院学生生活の思いで」と題するご自身の投稿もあります。是非ごらんください。

(梶 雅範)


『技術文化論叢』最新号の目次(くりはら)

2006-05-09 19:47:40 | Weblog
私たちの講座で発行する本年度の紀要『技術文化論叢』第9号(2006年)を,まもなく印刷所に送れそうです.予告編として,最新号の目次を紹介します.紀要の本体は,本年度の科学史学会(東洋大学,5月27-28日)で配布する予定です.

<論文>

Yuzo FUKAI(深井佑造), "Why Did Germany not Succeed in Achieving a Neutron Chain Reaction During World War II ?
―From the Viewpoint of Nuclear Reactor Physics―"

梁波
「中国における日本の「植民地科学」(一) 範囲・時代・史料・問題意識」

<資料紹介>

福井崇時
「淺田常三郎先生と長岡半太郎先生とフリッツ・ハーバー先生」

<2005年度博士・修士論文梗概>

<博士論文梗概>

恒川清爾
「明治期における技術者の分析―近代技術確立をめぐる職人と職人的技術者―」

姜波
「コンピュータにおけるGUI発展過程に関する研究」

<修士論文梗概>

斉田泰伸
「矛盾許容型論理PCL2の研究」

董遠, "The Study on Elementary Protothetic"

宮本英司
「1930年代のナチスドイツにおける数学の正当化 ―数学教育の観点から―」

科博で湯川秀樹・朝永振一郎展

2006-05-04 10:27:22 | Weblog
連休中に上野の科学博物館に行ったら、「日本の科学者技術者展シリーズ」の第三回をやっているのに気がつきました。昨年の仁科芳雄につづく展示です。

1906年3月31日生まれの朝永振一郎と1907年1月23日生まれの湯川秀樹の「生誕百年」を記念した企画です。

なかなか力のこもった展示で、仁科芳雄の時と同じく立派なパンフレットが無料で配布されていました。物理学者の佐藤文隆氏と江沢洋氏の執筆です。子供用のパンフレットもおいてありました。朝永振一郎の『量子力学』を1960年代に、のちにノーベル物理学賞を受賞する小柴昌俊氏が翻訳していたのは知りませんでした。

湯川には関係資料を封筒に入れてまとめておく習慣があり、中間子の理論に至るメモや関係資料をまとめたものも存在したそうです。それは引っ越しなどのさいになくなってしまったと思われていましたが、それが何年か前に再発見されて、湯川の中間子理論に至る道が再構成できるようになったそうです。その再発見された資料も展示されていて興味深く思いました。

連休いっぱいの5月7日まで開催されています。常設展の料金で入場できます。連休中で人が多いのですが、特別展「世界遺産 ナスカ展」(ペルーの砂漠地帯に描かれた巨大な地上絵)は人が並んでいてなかなか入れませんが、湯川・朝永の展示(みどり館地下一階展示室)はそれほど人も多くなくゆったりと見ることができました。