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継続性のある活動のために vol.2

2013年07月17日 | TICO ザンビア
ザンビア事務所の瀬戸口です。

昨日の記事で、事業(「外からのサポート」と読みかえていただいても結構です)が終了しても、
地域住民が活動を継続していくためには何が必要だろうか、という問いかけをしました。

これまではずっと私たちが伴走をしてきたのですが、
その伴走者がいなくなるというわけです

となると、彼ら自身で進むべき方向を見つけ、
道筋をつけられるようにならねばなりません。

そのためにはSMAG自身が、自分たちの活動の成果と課題を分析し、
さらにそれを活動計画に落としこむことができねばなりません。

ということで、7月の5日と8日の2日間にわたって
活動成果を分析する方法と、活動計画の作り方について学ぶワークショップを開催しました。




毎月、担当地域での妊婦の数や出産件数についてレポートを提出しているSMAGですが
つい数を集めること、レポートを提出することで満足してしまい、
自分たちが集めてきたデータを使いこなすという段階にまで達していないのが現状です。

無償で地域に奉仕している彼らSMAGにデータ分析まで求めずともよい、
という考え方もあるのですが、政府からのフォロー(指導や励まし)があまり期待できないのも事実。

SMAG全員とは言わずともその中の何人かが
データ分析→活動方針に反映
という考え方を理解することを目標としました。

そして取り上げたのは、"パーセント"という考え方。
これが結構難しい。

例題としてザンビア人が大好きなサッカーを扱いました。

とあるサッカー選手の成績で
6月のゴール数  3
7月のゴール数  4


というデータがあるとき、どちらの月の成績がいいと言えるでしょう?
という問題です。


7月!と答えたくなりますよね。当然です。


その後、提示されるのは
6月のシュート数  5 
7月のシュート数  10
という数字。

つまり、6月は5本シュートして3ゴールを決め、
7月は10本シュートして4ゴール決めたということ。

では、改めて同じ質問。
どちらの月の成績がいいでしょう?




と、これでパーセントを出すことの意義について理解した後は、
自宅分娩の数と施設分娩の数に置き換えて、
「施設分娩率」について計算してみます。


目的とするパーセンテージを出すためには、
割る数と割られる数の関係についてきちんと分かってないと出せません。
苦手な人が多い分野ですよね。


SMAGが過去に集めてきたデータをいくつかピックアップして
自身の担当地域の施設分娩率を計算してもらい、
そこで算出された率と政府が目標とする施設分娩率(60%)と比較してもらいました。




その次は、活動計画の立て方。
9つもグループがあるため、その場で全ての計画を確認することは出来ないのですが、
共通する活動について、全員で検討を加えました。

陥りやすい失敗として
「何をやるか」については述べるものの、
「いつ」「どこで」「だれが」「どのように」という
実践に必要な情報が欠けていることが多く、
また定期的な活動計画の見直しもなく、立てたら立てっぱなし状態、、、
、、と、これは世界共通でしょうか

日本でも会議ばかりで、何も進まない!
というのはよく聞かれる話ですね・・・・


▲ 1)まずはグループに分かれて計画を作成。


▲ 2)全員の前で発表し、より具体的な計画へブラッシュアップ


▲ 3)2)で出た意見を元に、修正した活動計画を発表


データ分析にしても活動計画の5W1Hにしても
慣れない考え方で苦労したメンバーも多かったのですが、
「こういう見方もあるんだと勉強になった」と言ってくれるメンバーも。


事業終了月にあたる9月にはTICOからの卒業を記念して、
マーチング(練り歩き)をSMAGが自主企画してくれているそうで、
お互いが来るべき時にきちんと向かいあえていることを、とてもうれしく感じています。


あと2カ月、SMAGと共に最後まで力を尽くす所存です。
ご声援のほど、よろしくお願いいたします。


なお、今回のワークショップは先行案件で専門家を務められた田淵医師に進行いただきました。
その頃の苦労話?!は、こちらのブログをご覧ください:ザンビアの村に健康を



文責:ザンビア事務所(瀬戸口)

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