タックの庭仕事 -黄昏人生残日録-

穀雨降りぐいと伸びたるアイヌ葱(キトビロ)

4月 20 日(旧暦3月 24 日) 八白・友引・うし
二十四節気「穀雨」 春雨降りて百穀を生化すれば也 『暦便覧』

 昨日は二十四節気「穀雨」の節入の日だが、日本海からオホーツク海に抜けた低気圧に吹き込む冷たい北風の影響で、北海道は気温が低く、「慈雨降って百穀に生気満ちる」季節にはほど遠かった。

 とは言え、季節がら白糠町上庶路の山ではギョウジャニンニクがぐいと伸び、新緑の葉を瑞々しく展開している。この日は、午前中2時間半で二の沢北斜面一帯を回り、ほどよい量をザックに収めた。

 ギョウジャニンニクは、北海道では俗に「キトビロ」とか「アイヌネギ」と呼ばれることがある。アイヌ語でギョウジャニンニクを「キト」または「プクサ」と言い、この「キト」が、ネギ・ニラ類を指す古い和語「ヒル」から訛って生じた「ビロ」と結合し「キトビロ」となったのだが、この呼称は今はごく希にしか耳にしない。

 アイヌ民族の間では、滋養豊富な保存食あるいは抗菌・抗黴などの薬用として珍重されただけでなく、民間信仰で独特のニンニク臭に魔物を祓う力があるとされ、呪術的な用途もあった。
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