タックの庭仕事 -黄昏人生残日録-

日本史の年月日表記における西暦年と和暦月日の誤った結合

<問題提起、及び正しい用例と誤った用例>
※ 画像はいずれもクリックで拡大できる。

 引用上段は、「西暦年+和暦月日」を誤りとする、笠谷和比古・国際日本文化研究センター名誉教授の問題提起。同中段は、和暦・西暦年月日を併記する正しい用例。同下段は、西暦年に和暦月日を結合させた誤用例。

 井上光貞・他8名『標準日本史』再訂版(山川出版社、昭和 56 年)は、現在は使用されていないものの、高等学校の日本史の教科書だから、疑似西暦の悪影響は広範囲に及んだに違いない。ちなみに、他の日本史教科書、家永三郎『新日本史』三訂版(三省堂、昭和 54 年)では、「大政奉還につづき, 慶応3年12月9日(1868 年1月3日)朝廷は王政復古の令を発し」と和暦・西暦年月日を正しく併記している。

 山川出版社の上掲教科書では、大政奉還を 1867(慶応3)年 10 14 日としているが、これも誤りで、正しくは慶応3年 10 14 日=西暦 1867 11 月9日である。こんな教科書で日本史を学んだ生徒が可哀想じゃないか。

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