免許持たず9年近く学校に勤務(読売,11/4)
福島県教育委員会は4日、教員免許を持たない40歳代女性が、9年近くにわたり同県内の県立高校などで勤務していたと発表。
採用の際に提出する教員免許のコピーを偽造していた。女性に教わった生徒らの教科・科目の履修や単位は取り消さない。
今後、刑事告発を検討する。
+++++ +++++
このニュースで「懲戒解雇」と聞いた時、公務員(公立学校勤務)ならば「失職」とされるはずだから、私立学校の「無免許教員」だと考えた。免許状を交付されている(持っている)と詐称したのだから、ニセ教員である。
その後ニュース等を詳しく読んでいくと、以下のような事件である。
2006年に福島市渡利中学校に常勤講師として赴任。(病休代替として)半年間勤務。
2007年4月~2013年3月の間に、郡山東高校や安積黎明高校で6年間勤務。
2013年4月からは郡山女子大附属高校で勤務。
1994年3月に中学、2007年3月に高校の教員免許を、それぞれ(福島)県外の教育委員会から交付されたように偽造。
最初は公務員としても勤務していた。中学校の教員免許は随分前の「交付」である。
1994年から2006年まではどうしていたのだろう。
そもそも偽造した教員免許の元はどこから?
+++++ +++++
刑法 第百五十五条
行使の目的で、公務所若しくは公務員の印章若しくは署名を使用して公務所若しくは公務員の作成すべき文書若しくは図画を偽造し、又は偽造した公務所若しくは公務員の印章若しくは署名を使用して公務所若しくは公務員の作成すべき文書若しくは図画を偽造した者は、一年以上十年以下の懲役に処する。
2 公務所又は公務員が押印し又は署名した文書又は図画を変造した者も、前項と同様とする。
3 前二項に規定するもののほか、公務所若しくは公務員の作成すべき文書若しくは図画を偽造し、又は公務所若しくは公務員が作成した文書若しくは図画を変造した者は、三年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。
+++++ +++++
法律家ではないので自信はないけど、こういうことだろう。
教員免許状の偽造は、上記条文で禁じられている。いわゆる「文書偽造の罪」になる。
当たり前のことだが、権限がないのに公文書を作成してはいけない。この人の行為は、赤字部分である。
この人は、偽造した教員免許で「教員の地位(職)」を得た。「行使の目的」「偽造」が成立している。
条文を読むとわかるのだが、この刑罰、罰金刑がない。正式に起訴された場合、有罪ならば懲役刑になる。執行猶予はつくかつかないかわからない。
免許更新制がはじまってしばらくになる。絶対表沙汰になるのに、どうしてなのかな。
+++++ +++++
2013-01-05、『男性講師、「無免許」』