発行人日記

図書出版 のぶ工房の発行人の日々です。
本をつくる話、映画や博物館、美術館やコンサートの話など。

ものすごくうるさくて、ありえないほど近い

2012年02月07日 | 映画
「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」試写会。ユナイテッドシネマキャナルシティ。

 2001年9月11日。
 あの日のことはよく覚えている。
 夜、テレビを見ていたら、飛行機がビルに突っ込んだニュースが入った。「人間の証明」にも出てくるマンハッタン島のワールドトレードセンターのビルから煙が出ていて、見ているうちに、生中継で2台目の飛行機がビルに突っ込んだのだ。
 ダイハードの新シリーズってあったっけ。でも、ブルース・ウィリスは出て来ないし、何より、どのチャンネルも同じことやってる。
 臨時ニュースで、どのチャンネルも同じことやってるなんて、ろくなことではない。でも真実なのだ。
 テロは同時多発で、合計3000人を超える人が亡くなった。

 空から落ちて来る男の映像、それから、空っぽの棺を埋めるための葬儀からこの映画は始まる。
 宝石商をしているオスカーのお父さんは、オスカーのいい友達でもあった。その日のその時間、商談で、よりによってワールドトレードセンターのビルにいた。 
 オスカーは、 テロ事件のために授業とりやめになった学校から帰宅、ひとりの家で父からの留守番電話を聞き、何が起こっているかを知る。
 やがて家に帰ってきたのは悲しむ母と祖母。
 父からの留守番電話を誰にも聞かせないために、オスカーは、同型の電話を買って、密かに家のものと取り替える。(9歳児が!! ありえないほど賢い!!)

 遺体は見つからなかった。

 オスカーは、父の死から1年後、父のクロゼットに、やっと入ることができた。そこで見つけた青い花瓶の中にあった封筒には、Blackと書いてあり、鍵が1個入っていた。これは父からのメッセージに違いない。ニューヨーク中のブラックさんを探して会いに行き、鍵について聞いてまわり、この鍵の鍵穴を探し出すことを決めた。
 電話帳からリストアップし、地図に印をつけ、綿密な計画を立てた。
 まだ子供で、もともと繊細な上に、事件から怖いものが増えている。9.11を連想させるものいろいろ。救急車やパトカーのサイレン、飛行機の音、叫び声、泣き声、エレベーター、あらゆる閉所。想像にかたくない。
 トラウマで満身創痍な少年が「泣きそうだったけど、僕は絶対やりぬくんだ」と、始めた大冒険。または喪の仕事。
 オスカーは、父からのメッセージをどういうかたちで受け取るのか。
 何が起こるかは、本編で。

 これまでの試写会で、観客が泣く率が一番多かった映画です。
 でも、あと味が良いので、安心してご鑑賞くださいませ。



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