8月13日
今、僕の周りである変化が起きている。
今日はそのことについて書きたいのだが、一応このブログのテーマが「鬱病患者の日記」なので、前回の記事のその後についても書かなければなるまい。
と、いうわけで簡単に書きます。
処方箋とは異なる薬が処方されているのに気づいた僕は、直後に薬局に電話をかけた。しかし、土日で休み??なのか何度かけても呼び出し音が続くだけで誰も電話にでてくれない。
しかたがないので、一旦、その間違えられた薬の服用を止め、月曜日になるのを待って再びその調剤薬局に電話をかけた。
電話に出た受付のお姉さんに氏名を告げ、処方箋とは異なる薬が処方されているので確認したい旨を告げる。
保留にされた数秒後に電話にでたのは、あの「メガネばばぁ」こと、この薬を調剤した女性薬剤師。
ここの薬局の薬剤師はどこかの会社の社員が定期的にシフトを組んで派遣されているようで、日によって調剤してくれる薬剤師が違う。
運よく、この日は僕の薬を調剤してくれた女性薬剤師が勤務していたようだ。
僕は、処方箋の日付と内容、手元にある誤薬と思われる薬の名前を伝え、確認をお願いした。
すると、それまで幾分横柄な態度だった女性薬剤師の態度が豹変し、何度も謝罪の言葉をくりかえすではないか。
やはり、薬局側のミスだったようだ。
その薬剤師が直接医師に誤薬があった事実を伝え、今後の対応を改めて連絡するというので、一度電話を切ってその連絡をまった。
数分後にかかってきた薬剤師からの電話によると、医師は誤って渡された薬の種類を確認したあと、次回の受診日が二日後であることをあげ、今後の服用については、
「飲んでも、飲まなくてもどちらでもいい。」
と言ったとのことだった。
おいおいおいおい。
そんなんでいいのかよ!
しかし、主治医がそう言うのだから仕方ない。まぁ、僕の主治医なら確かに言いそうな感はある。
その後もその女性薬剤師は謝罪の言葉を重ね、正しい薬を自宅まで届けると言い出した。
しかし、主治医が言うように次回の受診は二日後だし、今更2週間分の薬を届けられても飲みきれない。それに主治医が「飲んでも飲まなくても・・・。」と言うのだから、こちらが心配したほどたいした影響はないのかもしれない。
僕は恐縮しきっているその女性薬剤師に、正しい薬の宅配は不要である旨を伝え、受話器の向こう側で平身低頭しているであろう姿を想像し、なんだか気の毒な感じさえしてきてしまった。
その後も何度も謝罪の言葉を繰り返し、その女性薬剤師との対話は終了となった。
二日後。
予約の時間の数分前に受付を済ませ、いつものようにL字型にソファが配置された個室の診察室で医師がノートパソコンを片手に診察室に入ってくるのを待つ。
ほどなくして現れた主治医は、まず誤薬の件についてお詫びの言葉を口にした。
僕の通っているクリニックと、その同じビルにはいっているその調剤薬局は資本的になんら関係がない。
それなのにまずはじめに謝罪の言葉から診察にはいるなんて、口でばかりCS(顧客満足)を唱えるわりには実態が伴わない、よくある企業のコールセンターの電話対応よりもすばらしい。
危機管理の点から考えても、広報活動(という表現が適切であるかどうかはわからないが)の点から見ても、この主治医の初動は満点である。
その後、主治医は僕に誤まった薬を飲んでいたあいだの状態と、現在の体調について聞き、特に大きな問題が起きてないことを確認するとこう言った。
「今回は誤まった薬を飲み続けてしまったわけですが、その後の経過を見る限り、悪い影響もでていないようですし、経過も良好な様子なので、このまま薬を変えてしまいましょう。」
おいおいおいおい。
僕の主治医は優秀なのか、そうでないのか本当に考えさせられてしまうことが多い。
主治医曰く、通常は一日6錠も服薬している薬を一度に他の薬に代えてしまうようなことは危険なので行わないが、誤まって渡された薬は、僕が薬剤療法の“柱”として現在飲んでいる別の薬の効果を高める効果を持っている薬であり、その事が結果的に良い方向に作用したようなので、このまま薬を代えちゃいましょう。ということだった。
結局、この誤まった薬が正規の薬になるのであれば、あの女性薬剤師もあんなに恐縮した声でお詫びの言葉を繰り返さなくても良かったのに・・。
診察を終えた僕は、処方箋を受け取り、その女性薬剤師が待っているはずの調剤薬局に向かった。
恐らく恐縮し、反省しまくっているであろう女性薬剤師のことを考え、主治医の言葉を伝えて少しでも安心してもらおうと思ったのだが、そこにいたのは見知らぬ男性薬剤師だった。
あの女性薬剤師は、今回の誤薬事件がきかっけ?で、そこの薬局での任務を解かれてしまったようである。
なんだか逆に、女性薬剤師のことが気の毒になってしまった。
その見知らぬ男性薬剤師は、前回、誤薬があったことを謝罪し(その言葉に謝罪の気持ちは全く見て取れなかったが)、とても慎重に、一つ一つの薬を僕に確認させるように確かめながら、袋におさめていった。
良かったんだか、悪かったんだかよくわからない結果になったが、心にのこったのは、あの女性薬剤師の泣き出しそうな謝罪の言葉だけだった。
今頃どうしてるんだろう。
元気だしてね。