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トキワツユクサの謎

2007-06-30 | 平成草木図説
Aさん宛てのメールのかたちで…
Aさん今晩は。このメールを今朝一番でお送りしようとしたのですが、昨夜は途中でずっこけてしまい、とうとうこんな時間になってしまいました。
さて、「むかし露草の花は青ばかりだったのに、いまこのあたりでは白い花のが多いのはなぜ?」の謎を解くカギですが、環境省自然環境局HPの「要注意外来生物リスト:植物(詳細)」に「ノハカタカラクサ(Tradescantia
fluminensis)に関する情報
」というのがありました。
名前の「ノハカタカラクサ」は「トキワツユクサ」の別名です。

リストアップの理由などをかいつまんで転記しますと、トキワツユクサは…
●定着実績:昭和初期に観賞用に輸入。神奈川県など関東地方以南の各地で分布を拡大した。
●評価の理由:日陰地や水辺に侵入して群落を形成、そこの在来種と競合し駆逐するおそれ。
近年も分布を拡大中で、観賞用に栽培されていることから、分布を拡大するおそれが大きい。
●被害の実態・被害の恐れ:生態系に係る被害。近年になって急速に分布を拡大、林床などの日陰に一面に生育するので、在来種と競合し、駆逐するおそれが大きい。

以上のカギで謎解きをしてみますと…
●私たちが生まれ育った昭和の初・中期の頃(齢が分かってしまいますね!)、それぞれの郷里(九州、東北南部)では、露草といえば青花の在来種が主で、白花で外来種のトキワツユクサは、まだ生えていないか、目立つほどではなかった。
●当地(神奈川、関東南部)では、トキワツユクサは在来種を駆逐しながら現在も生息域を拡大中で、青花の在来種は見つけにくくなっている…ということのようです。

上のリストには、このブログで既に取り上げた草花からも、「ヘラオオバコ」「ハルジオン」「コマツヨイグサ」「ヒメジョオン」「ワルナスビ」それにこの「トキワツユクサ」が入っていますし、リストにはありませんが、オオイヌノフグリとイヌノフグリの関係も同じ状況のようです。

動物界ではブラックバス、グリーンアーノル、ヤンバルクイナなど、マスコミでもこの種の話題がよく採り上げられますが、何気なく目にしている身近な野草の世界でも、同じようなことが起きていると知って、なんだか怖いような気持ちにさせられました・・・・・それではお休みなさい。
-アンダーラインはハイパーリンクです-

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1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ありがとうございます (赤い風車)
2007-07-02 21:52:26
詳細な情報ありがとうございます。
これで謎が一つ解明されました。
やはり、私の感覚だけでなく、事実としてトキワツユクサが拡大しているのですね。
下にあったリストも、確かに、周りの変化を物語るものです。ヘラオオバコなんて見たことがなかったですから。
こうやってどんどんと日本の自然も変わっていくのでしょうね、、、
でも、それをただ受け入れることしかないのかちょっと疑問ですけど。
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