
国内で見られるアカバナ科マツヨイグサ属の仲間は4種で、どれもアメリカ大陸からの帰化植物。その中で真っ先に南米から渡来し、一統の代名詞にもなっているのが
「マツヨイグサ」ですが、この「コマツヨイグサ」は明治時代の末に北アメリカから渡来した種で、草丈や花のサイズが、兄貴分のマツヨイグサに比べるとかなり小柄ですから、呼び名の頭にも「コ…」が付いています。
マツヨイグサの仲間は、どれも夕暮れに花が咲き出すので、この名で呼ばれます。花は夜中に満開になって翌日の昼頃にはしぼみますが、上の2種ではしぼんだ花びらが赤く変色します。また、変り種(変種)ができやすい植物とのことで、遺伝学の「突然変異説」が生まれるきっかけを作ったことでも知られています
(遺伝学年表1901~1950)。

マツヨイグサのことを「ヨイマチグサ」と呼ぶのは、竹下夢二の「宵待ち草の歌」にならったものですが、夢二が語呂と響きを良くしようとして意識的にそう書き換えたのか、単に間違えたのかは不明とのこと。また「ツキミソウ」と呼ぶのは誤りで、ツキミソウは白い花の別種の植物です
(マツヨイグサとその仲間)。
花言葉は「ほのかな恋」「移り気」「浴後の美人」など…。最後のやつが秀逸ですね。
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