日本:対外的には大宝律令の701年の翌年、遣唐使が当時の唐(中国)に対して日本からの使いであるといったという。国内で初めて使われたと確認されているのは689年、浄御原令発令の時。
日本の範囲:今の北海道、沖縄は12世紀まで日本の範囲外であった。さらに東北の青森、岩手の北部、鹿児島はそれぞれが独立していたという。
関東:740年、続日本記では伊勢の国の鈴鹿、越前の愛発(あわち)、美濃の国の不破
関より東は関東だった。鎌倉幕府成立以降は三河、信濃、越後以東は関東、鎌倉幕府以降関西という呼び方も成立、続日本記の三関より西を関西と称した。
百姓:農民のことと思われているこの単語は、貴族や官位を持った人々以外のすべての人たちを指した言葉だった。江戸時代にも百姓は様々な職業を持っていたと考えられるが、士農工商という身分制度確立の課程で農民のことを意味することが定着した。
エタと:東日本にはほとんど存在しないが西日本にはたくさん存在する、歴史的な経緯がある。動物、特に馬や牛などの家畜の解体は当初は聖なる仕事とされた。ケガレた仕事だけに聖なる立場の人たちによって行われなければならないということ。15-16世紀以降、徳川幕府体制の中で、こうした職業が差別され、士農工商の下に位置づけられるようになった。
小切手、手形、為替:こうした言葉は中世から古くは古代まで遡れるという。
市場、相場:いずれも市庭、相庭からきている。人々が共同で何かを行う場所を庭と称した。狩庭、塩庭、稲庭などもある。
落とし物:物が落ちると、誰のものでもない神様のものになるという考え方。
日本語は歴史を背負った単語から成り立っている。これはどの言語にもあるのだろうが、日本語の歴史は古い。古いだけにその変遷の歴史も長いものがある。長く使われるうちに差別、忌み言葉、丁寧が悪い言葉にと変遷する。汚い、悪い、忌むべきなどの単語には深い歴史があるということだ。
歴史を考えるヒント (新潮選書)
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