水徒然2

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台風26号 前線の停滞と地質で伊豆大島に被害集中、行政の対応遅れで拡大という。

2013-10-17 | 天変地異・異常気象関連

’13-10-17投稿

 既報台風26号 強い勢力を保ったまま加速…9年前も同様の台風で大被害という。で記載しましたが、台風26号は全国に強風をもたらし、この時期には考えられない甚大被害をもたらしました。

 とりわけ、伊豆大島ではまるでゲリラ豪雨的な降雨量を記録して土石流をもたらしました。

msn産経ニュース 2013.10.17 08:18

前線の停滞と地質で伊豆大島に被害集中、行政の対応遅れで拡大http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/131017/dst13101708200003-n1.htm
(一部割愛しました。)

「関東に接近する台風としては「この10年で最強」とされた台風26号。被害は東京・伊豆大島に集中した。大雨をもたらした気象や土石流が発生しやすい島の地形的条件のほか、避難勧告をだすことができなかった大島町の対応など、複数の要因が重なったことが背景にあるようだ。

                   ◇

 気象庁によると、伊豆諸島の大雨の要因は、台風26号の進路に島がぶつかったことに加え、26号の接近に伴ってできた前線が、15日夜から16日未明にかけ、伊豆大島から房総半島に停滞したことにある。

 前線は南から吹き込む暖かく湿った空気と陸側の冷たい空気がぶつかって形成される。今回は台風が暖かく湿った風をもたらしたが、この風の勢力が強く広範囲だったため積乱雲が発達、激しい雨を降らせやすい「明瞭な前線」(気象庁担当者)になった。

 さらに伊豆大島の南海上は、それまで台風が進んできた進路を北西から北東に変える「転向点」にあたった。転向点付近では台風が速度を落とすため雨雲がとどまりやすい。今年9月の台風18号や平成23年の紀伊半島豪雨も、台風の転向点付近で雨雲が長くとどまったことが被害を拡大させた。

 気象庁の松本積(つもる)予報官(55)は「伊豆大島は周囲が海で遮るものがなかった分、本州よりも発達した雨雲の影響を受けやすかった」と話す。

◆地層の境目で崩れ

 大雨は土石流を発生させ、島内に大きな被害をもたらした。独立行政法人土木研究所(茨城県つくば市)の石塚忠範(ただのり)上席研究員(50)は「24時間で800ミリを超える雨が降れば、どこで土砂崩れが起きてもおかしくない」とした上で「被害拡大には伊豆大島特有の地質が影響した可能性もある」と指摘する。

 火山である三原山によって作られた伊豆大島の地層は、過去の噴火で発生した火山灰などが積み重なってできている。こうした場所には、噴火時の状況によって水を通しやすい地層や、通しにくい地層ができることがあり、この地層の境目では土砂崩れが起きやすいという

 崩れた土砂が川などに流れ込めば、土石流となって下っていく。大島町消防本部によると、山肌では多数の土砂崩れが発生。海岸方面に下るに従って威力を増し、一部では複数の土砂崩れが一本化して巨大な土石流となったという。担当者は、「ちょうど土石流の流れた先に住宅地があり、被害が拡大した」と話す。

◆警察要請に応ぜず

 伊豆大島の大島町は台風26号が襲来しても住民に避難勧告や避難指示を出しておらず、行政対応が被害を拡大させた可能性もある。

 避難勧告は災害発生時、住民に安全な場所への避難や屋内待避を求めるもので自治体の首長が発令する。さらに危険が切迫した場合は避難指示が出る。・・・

(中略)

■特別警報 広がりなく基準満たさず

 台風26号では伊豆大島で記録的な大雨となったにもかかわらず、気象庁が8月30日から運用開始した特別警報は発表されなかった。これは「府県(単位)程度の広がり」とされる特別警報の発表基準を満たさなかったためだ。

大雨の特別警報では、全国を5キロ四方に区切った地点ごとに雨量などの「50年に1度」の値を設定。値を超えた地点が3時間雨量で10カ所、48時間雨量で50カ所を超えると発表される。

 今回、伊豆大島の全9地点で3時間雨量が特別警報の基準を超えたが、「10」以上の基準を満たさず特別警報発表には至らなかった。一方で気象庁は15日午後5時38分に大雨洪水警報、午後6時5分に土砂災害警戒情報を発表。さらに16日未明には記録的短時間大雨情報を伊豆大島に計3回発表し、注意を呼びかけた。担当者は「局所的な現象は特別警報の対象外だった」と説明する。

 周囲を海に囲まれ、基準値超えの地域が広がらない島嶼(とうしょ)部では特別警報が発表されにくいという課題が浮かび上がった格好だ。防災気象情報に詳しい環境防災総合政策研究機構の市沢成介理事(69)は「『広がり』をどう定義するか、地域の実情に合わせた運用を考えるべきだ」と話した。」という。

関連記事:

記事「前線の停滞と地質で伊豆大島に被害集中、行政の対応遅れで拡大
2013.10.17 08:18

⇒既報の下記の引例では大雨の特別警報は台風、ゲリラ豪雨ともに、記録的な大雨の場合発令されると思っていましたが、前線の影響を軽視していたのだろうか??
 

3時間で200ミリ超、島根で記録的豪雨 気象庁「命守る行動を」http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/130824/dst13082408500001-n1.htm
2013.8.24 08:49

「気象庁は24日、島根県江津市で3時間に200ミリ超を記録するなど、7月28日の豪雨に匹敵する大雨となっている所があるとして、最大級の警戒をするよう呼び掛けた。島根県内では1万世帯以上に避難勧告が出た。

 気象庁によると、島根県内では24日は多い所で1時間に80ミリの雨が降る恐れがあり、土砂災害や河川の氾濫などに注意が必要だ。重大な災害の危険性が高まった場合に今月30日から発表を始める「特別警報」に相当するとして「直ちに命を守る行動を取ってほしい」としている。・・・」という。

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