サステイナ

自然や地球の生態システムに興味がある筆者の仕事、趣味、生活の備忘録。
勝手なことばかり書いてますがご容赦を!

本当に環境に優しい??

2006-05-12 00:35:50 | CM
ライオンの洗剤TOPのコマーシャルが頻繁に流れている。パームオイルを使った植物性油脂を使っているから、環境に良いと言うのがその謳い文句だ。
http://www.lion.co.jp/ja/seihin/tvcm/irui/01_movie01wnb.htm

現状を知らない人は、美しい緑の農園で太陽の光をいっぱい浴びたパーム椰子を使った環境に良い洗剤というイメージを持つだろう。このCMではおまけに実際に最後に現地の子供たちの笑顔まで入っている。実態を知っている人にはうんざりするような広告だ。 なぜならパーム椰子のプランテーションで、様々な環境破壊や人権問題が起こっているからだ。
 パームオイルやこのCMの問題点は、こちらをご覧いただきたいのだが、そのような背景を知ってか知らずか堂々と新聞広告までやってのけている。合成油脂や動物性と比べると良いのかも知れないが、製品の一側面だけ捉えて、広告するのは自分勝手で多くの誤解を消費者に与えてしまう。僕は以前広告を担当していたこともあり、これは大変なことになるぞと思っていたが、実際には何も起きていない。起きていないと言っては言い過ぎかもしれない。NPO8団体が抗議文を送り、毎日新聞が小さな囲み記事でそれを掲載した。しかしそれだけだ。
こういうことが続くと、馬鹿らしくて環境対応などできない。要は言ったもの勝ち、やったもの勝ちだからだ。やはり企業の自分勝手なパフォーマンスを戒めるNPOがないと、CSRなんて進まないと改めて、感じる。
自社で使っている原材料がどういう過程で作られているのか知らないでものづくりをすると大変なことになる。振り返って自社でも知らず知らずのうちに調達課程で地球の生態系や地域社会に多大な付加をかけていないか、検証する必要があるとつくづく感じた。

また、東京電力が環境に良い発電という触れ込みで、原子力発電を宣伝している。火力発電で石油を燃やし続けることはもちろん地球温暖化に影響し、良くないが、原子力発電が火力と発電と比べて発電時に時にCO2の排出量が少ないからといって、「エコな発電」はいくらなんでも言いすぎだと思う。原子力発電は、事故が一回起きたらその地域に留まらず、広範な地域を汚染してしまうからだ。原子力発電の恐ろしさを言わずに安全だ、安全だと言い続けて一昨年の不祥事の反省はどこにいったのだろう?

僕も企業の人間なので、自社の商品や活動を多くの人に認めて欲しいし、評価して欲しいと思う。しかし、背伸びしたり、議論をすりかえたりするなど、騙すようなことしてまで評価して欲しいとは思わない。言ったもの勝ち、やったもの勝ち・・・企業のこういうエゴを監視し、行動するNPOが日本に望まれる。


最新の画像もっと見る