サステイナ

自然や地球の生態システムに興味がある筆者の仕事、趣味、生活の備忘録。
勝手なことばかり書いてますがご容赦を!

最強の環境CM

2006-02-22 02:03:07 | CM
まあ見てください。このCM!
http://www1.city.nagasaki.nagasaki.jp/gomi/katei/gomiwakesisters/gomiwakesisters.html

環境というと、やたら「我慢、辛抱、キチンとしなきゃ、ちゃんとやりなさい」と説教くさいものが多いのですが、これは違う。まずやたら明るい。そして耳に残る。多分長崎市でも話題に上ったのではと思う。
CMの企画としては単純だ。
①目的:ゴミの分別を徹底し、再資源化率を上げる
②ターゲット:長崎市民
③内容:4月1日からプラスチックが燃やせないゴミではなく、資源ごみとして回収するので、キチンと分別して欲しい旨を告知する
④キャラクター:アオヨとキーコ(青いゴミ袋と黄色いゴミ袋をイメージした芸者さん?)
単純な構成と、耳に残るCMソング、あのキャラクター!インパクトは抜群だ。

環境CMは、実はそう多くないが、大別すると下記の3パターンに分かれると思う。
① 自然が出てきて「いつまでもこの自然を残したい」とか「あなたの暮らしは・・・」など偉そうなことをいうタイプ
② 赤ちゃんや子供、可愛い動物たちが出てきて、「この子達の未来のために」と訴える、こズルイタイプ
③ 「省電力だから、買い換えてくれ」と言わんばかりの環境というよりPR優先タイプ
④ 日常の小ネタから、省エネやリサイクルを訴えるタイプ。
⑤ 省エネ、リサイクルなどを連呼するタイプ。

一応分類をすると
①②は感情移入タイプと言えるか?みて「そうだなぁ」と思うが、そのことと広告主のメッセージがアンバランスなのが特長。
③は、省エネ性能などを声高に叫ぶが、その価値は全く分からないものが多い。広告主の従来機との比較で言われても分からないし、59kWh削減なんていわてもねぇ?要は環境に良いから買えってか?
④⑤は、告知や啓発を前提としたタイプ。余程視聴者はバカだと思っているのか、説教臭かったり、マインドコントロールでもしようというのか、リサイクルだ、リユースだ、分けろ、活用しろと叫び回る。

しかし、この長崎市のCMはいずれにも属さない。このCMはただ単に、プラスチックがリサイクルされるようになったことしか伝えていない。まずはこの点を評価したい。しかし、よく聞くと、その為にゴミを分ける必要があることが分かる。とどめは「ゴミ分けてぇ長崎市ぃ~~」と耳に残るフレーズ。見事に狙いである「ゴミの分別」を訴えている。
さらにWebを見て驚くのだが、アオヨとキーコが、ゴミの分別について語るコンテンツがあるのだ。しかも壁紙まで用意してある・・・下図参照?!


 メディアの特性を活かした理想的な展開とまでは言わないが、メディアミックスを考え、市民にリサイクルを訴えるアプローチは非常に面白い。要は市民が「よし、ちゃんと分別しようか」と思うことが大切であって、偉そうに「キチンとしよう」と言っても、伝わる範囲は限られている。他にも仙台市や福井市など環境問題へのポジティブアプローチを図っている自治体がある。
特に仙台市の展開は、計画的で包括的、ワケル君やセツコさんが出てきて、100万人のゴミ減量キャンペーンを展開している。
http://www.gomi100.com/
素晴らしいのだが、個人的には説教くささがあり、余り好きではない。皆様も是非ご覧を!
どうしても、ネガティブアプローチになりがちな環境コミュニケーション、浮かず、かつポジティブにコミュニケーションするにはどうしたら良いか?環境やCSRのコミュニケーションに携わる人間として、この点は常に考えて行きたい。


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