サステイナ

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ボノボの生態について 18禁

2006-03-23 20:53:47 | 自然・生物多様性

 ボノボはアフリカのど真ん中、コンゴ盆地の中の熱帯林に生息する。二本足歩行もお得意で、以前日本でも人気が出たチンパンジーのカンジ君は実はボノボだと言う人もいる。彼らはチンパンジー同様、父系社会で基本的には成人した雌が別の群れに移動する形をとる。そして、ゴリラのような一夫多妻制(ハーレム型)ではなく、テナガザルのように一夫一婦制でもない「多夫多妻性」である。
 チンパンジーとの一番の違いはその性交の多さだ。著者はその理由をボノボの種としての生き残り戦略だと記している。その理由は、チンパンジー社会との比較により分かる。前述したがチンパンジーとボノボは共に父系社会で、成人した雌が群れを移動する。
 まず大きな違いは、チンパンジーには「子殺し」という嫌な習性があることだ。それは新しく群れにきた雌が初めて生んだ子供が、雄たちによって殺されるケースが多いという。要は他の群れの雄の子供の可能性があるからだ。それも殺されるのは圧倒的に雄の子供が多いらしい。ちなみに子供を殺された母親はまもなく受胎可能となり、発情をするようになり、その群の雄と性交を開始する。自分達の群れの遺伝子を残そうとする本能というが、その真偽はともかく、現実としてチンパンジーの群れの多くの雌雄の比率は、雄3〜4割に対して、雌が7〜6割となっている。一方ボノボには、「子殺し」という習性はない。
 彼らはチンパンジーと比べ、はるかに多く性行為を行なう。雄の持っている餌が欲しいとき、仲間になりたいとき、理由不明で・・・キリスト教徒の研究者が眉をひそめる程だ。そのボノボの雌が新しい群れに来たときやはり多くの雄と性交を行なう。その結果、生まれる子供はだれの子供かわかない。雄にとってみれば、自分の子である可能性がある子供が沢山生まれることになる。そしてボノボの雌雄比は5:5だ。
 また発情した雌しか性交しない(出産を目的としてしか性交しない)チンパンジーでは、一匹の雌が性交できるのは、月に3〜5日しかない。群れ全体で見ても雄は発情した雌と性交をするため、雄同士の戦いも激しくなるという。一方ボノボは至っておおらかだ。性交が可能な期間はチンパンジーの凡そ5倍、もちろん受精可能な日はチンパンジーと同様3〜5日だから他の20日ほどは、受精以外の目的で性行為をしていることになる。 
 その頻繁な性行為をボノボはコミュニケーションの一つとして利用していると言う。その理由の一つは前述した人間の場合と同様、雄の協力を得るため(群に馴染むため)と考えられる。ボノボには雌同士が性器をこすり合わせる「ホカホカ」という行為や、雄同士がお尻をくっつける「尻つけ」と言う行為も頻繁に行なわれる。これらは全て群れ内のもしくは、群同士の緊張を緩和するために行なわれている。攻撃的なチンパンジーに対して、ボノボは性によって戦いを回避する知恵をもった平和主義なのだ。ボノボの雌は人間と同様、出産後まもなく性交が可能となる(ただし人と違って受胎は不可能)。子供たちの周りで誰かが性交を始めると子供たちは大騒ぎで二匹の上に乗ったり、下から覗き込んだりして、自らの性器を擦り付けたりするという。チンパンジーの場合、大人の性行為に子供が参加するのはあくまで、その妨害が目的であり、稀にしか見られないそうだ。チンパンジーの場合、母親が発情を開始するのは一般に子供が4〜5歳になってからなので子チンパンジーにとっては、母親を誰かに横取りされそうなそんな気持ちなのかもしれない。一方ボノボの場合は、もの心付いたときから、雄の子供はまだ射精できない頃から、メスにお願いして性交をさせてもらうようになるという。ボノボの子供たちにとって、大人の成功は、自分の親も含めてありふれた現実なのである。この辺りは人と少し違うが、彼らは自らの社会システムの維持のために性行為を行なっている。そしてそれは我々人類も同じと言うのが著者の主張であろうか?
 
いづれにせよ、このボノボにせよ、チンパンジーにせよ、絶滅の危機に瀕している。ゴリラやオランウータンとて同様である。原因は我々人間の開発による熱帯雨林の破壊である。元々同じ熱帯雨林で暮らしていた兄弟だったが、地殻変動で林も疎らなサバンナでの生活を余儀なくされた人類が、今森林を破壊し、昔の兄弟を滅ぼそうとしている。皮肉な話だが、人による熱帯雨林の破壊はかつて自らが経験した危機(地殻変動で熱帯雨林に住めなくなったこと)よりはるかに早く大規模だ。
 我々人類は、その存在基盤であるこの地球の生態系をこれからも破壊し続けるのか?それがいつか自らも滅ぼすことになると思っていないのか?今また別の意味で種としての進化を試されているのかもしれない。

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3 コメント

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Unknown (通りすがり)
2010-07-03 02:36:18
ボノボの個体数減少はチンパンジーとは異なり、固有生息地であるコンゴの政情不安、内戦を受けての食糧難、そのため現地に暮らす人々の食糧としての密猟が主たる原因と言われています。
また、チンパンジーと大きく異なる点があり、異なる群同士が出会っても、殺し合いにならず、極端な話群れが合流し、更に大きな群れとなる共存性も見逃せない点です。
人間とボノボのDNA一致率は98.8%とされるにも関わらず、その中には人間とボノボだけがもつDNAがあり、それが博愛精神をつかさどる遺伝子ではないかという学説もあるアタリ、特異な種である事は疑いようもないことは間違いないのですが
 (王 タカキ)
2012-03-14 10:42:00
ボノボです
Unknown (Unknown)
2012-05-05 17:57:38
動物の性交のことを交尾といいます。

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