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トップダウンアプローチ ①.エンティティ候補の抽出

2005年04月27日 | データモデリング
トップダウン分析でのエンティティ候補の抽出ですが、以下のモデリングリソースから抽出していきます。

①.企業/業務の環境や資源
現行システムのデータ構造にとらわれず該当業務に精通した方からのヒヤリングや業務について記述した企業内の資料・文書にもとづき、エンティティ候補を洗い出します。ビジネスルールをもとに、名詞に注目し、その名詞が情報として管理する必要・意味があるかを検討し、エンティティの候補とします。

例えば、
(a)「受注業務では得意先から電話もしくはFAXで受注を受け付ける。」
(b)「商品の在庫が不足する場合には、手持ち分だけで出荷することもある。」という文章で表現された説明があったとします。
この文章の中で使用されている名詞に着目して、エンティティの候補を抽出していきます。

(a)の文章から名詞を抽出すると”受注業務”、”得意先”、”電話”、”FAX”、”受注”がエンティティの候補となります。
(b)の文章からめ意思を抽出すると”商品”、”在庫”、”出荷”というデータがエンティティの候補ということになります。

②.戦略計画/予算
企業の戦略計画/予算から情報を管理している単位や、計画を立案する単位を把握し、リソース系のエンティティ候補としてします。

ものや情報の管理単位をエンティティの候補とします。
例えば、”在庫(計画)”は”倉庫”単位、”商品”単位の予定在庫数量を管理していたとします。その場合は、”在庫(計画)”のみではなく、”倉庫”や”商品”がエンティティの候補になります。

予算の立案単位についもて、エンティティの候補となります。
例えば、”販売予算”は”組織”別”、”商品分類”別、”担当者別”に販売予定金額が立案されるのであれば、”販売予算”のみではなく、”組織”、”商品分類”、”商品”もエンティティ候補となります。

③.ビジネスフロー図(業務フロー)
ビジネスフロー図(業務フロー)に定義されているデータをエンティティの候補とします。
また、ビジネスフロー図(業務フロー)の見出しとして定義されている情報からもエンティティの候補を抽出します。

さらに、業務や作業の単位をエンティティの候補とします。
例えば、”製造指示”は”工場”単位に発行するのであれば、”製造指示”のみではなく”工場”もエンティティの候補になります。

④その他
(a)事前に現行システムのドキュメントを入手可能であれば、現行システムのファイルやテーブルをそのまま、エンティティ候補として後続の作業を実施していきます。
(b)フィールド命名規約から整理することも可能です。フィールド名が標準化されていれば、その内容からある程度エンティティの候補を類推することが可能です。
例えば、デュレルの「修飾語」「主要語」「区分語」の体系でフィールド名がつけられている場合であれば、概ねフィールドの「主要語」をエンティティの候補としても問題はないでしょう。
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