ここまでで、記述してきた物的資源に関するデータモデルパターンを一度整理しておきたいと思います。
ここまでの記述内容を統合すると、以下の図のようになります。
(ここでは、一番汎用的なパターンを採用しています。)
(図1)物的資源関係のパターン
それぞれのデータモデルパターンに対応する部分を網掛けで表示しますと以下のようになります。
①物的資源の汎化パターン
(図2)物的資源の汎化パターン
物的資源には、有形のものと無形のものを含みます。業務によって、有形のものが商品の場合もあれば、無形のものが商品となることもあります。
有形の商品とは、家電製品や車などのモノだと考えてもらえればいいと思います。それに対して無形の商品とは、一言でいうとサービスのことです。
物的資源を汎化して管理することにより、データモデルをシンプルにすることができます。
<<商品・製品の汎化パターン>>
②物的資源の分類パターン
(図3)物的資源の分類パターン
商品は分類して管理・分析す必要があります。
商品はさまざまな分類に分類わけされることがありますし、ある分類に分類わけされる商品も複数存在していますので、中間(関連)エンティティを分離させて管理させるようにします。
また、商品分類自身を組み合わせて新しい分類を作成することもありますので、商品分類タイプ構成で商品分類タイプの組み合わせ内容を管理します。
<<商品分類パターン>>
③動的属性パターン
(図4)動的属性パターン
属性を予め特定することができないケースや、管理すべき属性が増えていくことが想定される場合は、動的属性パターンを適用します。
属性項目タイプを独立させることによって、新たに管理が必要となった属性を随時追加することができます。
また、各属性の内容については、”商品属性”で管理します。
<<商品の動的属性パターン>>
④商品識別パターン
(図5)物的資源の識別パターン
商品の識別は商品コードで行います。
しかし、自社の商品コードと取引先の商品コードが同じである保証はありません。
あるいは、各種標準の標準コードと自社の商品コードも異なる場合もあります。
そこで、自社の商品が他の管理基準ではどの様なコードと対応するのかを管理していきます。
<<商品の識別パターン>>
⑤商品構成パターン
(図6)商品構成パターン
セット商品や代替商品については、商品の構成(組み合わせ)を管理する必要があります。
商品の組み合わせを管理する場合も、商品と商品構成の間に構成関係を定義し、商品関係のサブタイプとして「セット商品」「代替商品」「部品構成」等を定義していきます。
商品構成を管理する必要がある情報が増えた場合は、サブタイプを追加していきます。
<<商品構成パターン>>
⑥物的資源の取引条件パターン
(図7)物的資源の取引条件パターン
同じ商品でも取引先によっては、単価や納入リードタイム等が異なることがあります。
それらの情報を管理するために、取引先別取引条件を追加します。
<<商品の取引条件パターン>>
⑦物的資源の単価パターン
(図8)物的資源の単価パターン
単価と一口でいっても様々な単価が存在します。
標準単価だけではなく、キャンペーン単価や数量割引単価、販売方式別単価(セット品での単価と単品販売での単価が異なる等)といった単価も存在します。
そこで、”商品”に対して”商品単価”を別エンティティとして分離し、複数の単価を管理できるようにし、単価の種類については、”商品単価”のサブタイプとして定義します。
また、「キャンペーン単価」等については、キャンペーンによって異なるため、キャンペーン単位の単価を管理できるようになっていなければなりませんので、”キャンペーン”エンティティとの間に参照リレーションを定義しておきます。
<<商品の単価パターン>>