光と影のつづれ織り

写真で綴る雑記帳

東京国立博物館(2012.7.28) 浮世絵 夏風俗 鳥居清長 川又常正 勝川春英

2012年08月29日 | アート 浮世絵・版画

昨日に続いて夏風俗の浮世絵です。

鳥居清長も達者な絵師。 この絵はいいですね。  背景の不忍か池が二人を引き立てています。 

 

川又 常正は初めて聞く名前です。  湯浴み前の男女の顔が素朴でいい。 

 

 役者絵などで人気を博した勝川春英の肉筆美人画
顔に特徴があります。

 

顔の部分をアップ。  切れ長の目、ぽっちゃりとした頬、春英独自の美人絵で妖艶さを感じます。

 

足元の猫。  しっかりとした描写です。  衣服の模様や体の線描も美しい。

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東京国立博物館(2012.7.28) 浮世絵 夏風俗 歌麿

2012年08月28日 | アート 浮世絵・版画

浮世絵コーナは、夏の風俗にちなんだ展示です。

まず、歌麿から

この絵の蚊帳の表現も見事ですが、全体のデザイン・色合いも素晴らしい。


 

「夏衣装当世美人」は呉服店の衣装の広告に使われたようです。 解説はブログ「又兵衛~~~~~深水」さんのものを参考にさせていただきました。
乗布(上布)は上質の麻でできた小袖で、高価な品であった。  


 

次は、「伊豆蔵仕込みのもやう向キ」  伊豆蔵は日本橋の呉服問屋で、松阪商人・伊豆蔵吉右衛門の店。
もやうはなんでしょうね?  模様の意味かな?

 

「亀屋仕入れの大形向キ」  この絵は、京橋の尾張町に店があった亀屋の商品。
大形とは、大ぶりの模様の型染めで、染色技術のひとつ。

 

 

次は吉原の夏のイベントを題材にしていますが、絵の面白さはイマイチ。


 

 

英一蝶の記事で紹介した、朝妻舟が描かれています。

 

 

「花の廓 鹿嶌の壽」

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東京国立博物館(2012.7.28)  風俗画 英一蝶 尾形光琳

2012年08月27日 | アート 日本画

トーハクの作品紹介に戻ります。

英一蝶の人物雑画巻が面白い。   
英一蝶は、以前、朝妻舟の絵を紹介したときに略歴を述べていますが、江戸の風流人で人気絵師でしたが、47歳のときに島流しの刑にあっています。
生類憐みの令に違反(釣りをした)して、三宅島に12年流罪されたのですが、江戸に戻って、また旺盛に作品をつくったようです。




大原女でなくても、当時の女性は仕事として薪を売りに行っていたのでしょうか。   咲き始めた桜の枝を折って取ろうとする娘と、それを微笑みながら見る娘。
軽妙な筆使いです。

 

三人も乗っている馬篭は始めて見ました。   小僧は食べ物の売子でしょうか。

 

猿回しが、吠える犬に困っている図。  

 

馬方達の仲間喧嘩でしょうか。   馬まで喧嘩しているようです。

 

何をしているのかよく分かりません。  不動明王などの木像の掃除にしてはおかしいし、悪戯書きをしているとも思えないし・・・

 

変って、尾形光琳の仕丁図扇面。
仕丁は古代の中央官吏などに仕えた雑役夫。  あっさりしたデザインですが、人物が生き生きとしています。

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けやき台団地の盆踊り

2012年08月26日 | 近隣ウォッチング

毎年、8月下旬は近くのけやき台団地の盆踊りがあります。
今年は8月24日、25日の金、土で開かれ、土曜の晩に行ってきました。
3年前にも写真を撮っています。

 

中央にやぐらを造って、一番上に太鼓、中段に小舞台、その周りで皆で踊る・・・日本の祭りの代表パターン。   
人が集って輪をつくり、歌い踊る・・・古代から自然発生的にあったのだろうが、起源は仏教の盂蘭盆会に関連した宗教的なものだった。
応仁の乱以降の日本の歴史のなかで、芸能の発達と共に全国に定着していった。

 

 

音頭によって振りも違うので、舞台を見ながら踊っています。

 

子供の踊りは可愛い。

 

 

舞台の上の踊り子、服と足捌きに注目しました。

 

太鼓を打つ方は、かなりの高年で3年前もそうですが、後継の育成が難しいのだろうか?

 

規模の大きい団地なので、屋台の数も半端でありません。  自治会や近隣の商店で協力してやっているようです。

 

射的も


お年寄り夫婦が踊りの輪の近くで見ていました。  老若男女の集う祭りは、大事な生活イベント、しっかりと継いで行きたい。

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東京国立博物館(2012.7.28)  土器 埴輪 鬼瓦

2012年08月25日 | アート 古代

トーハクの古代美術品です。

この火炎土器はかなり前に紹介したと思うのですが、再度採り上げます。
この装飾は岡本太郎のようなエネルギッシュな魅力があります。    縄文人にもこんな作品をつくる感性の人がいたのだと感心します。

中心部分を拡大。

 

こちらの土器は、まとまったバランスのよさを感じます。

 

この埴輪は初めてでしたが、表情、短甲の質感やボリューム感など素晴らしい。

 

埴輪の人の表情はいつ見ても感心するのですが、くり抜いただけの目と口が、深い感慨を呼び覚まします。

 

腕がなくなっているのが、ミロのビーナスのようで、かえってスッキリしているのかも知れない。

 

この作品は平成館1Fの武人の埴輪で、以前にも紹介しました。 今回は横、後ろからも撮って見ました。

 

 

 

 

甲や兜の黒い汚れのようなものは、ひょっとすると、塗っていたのかも。  だとすると、美しい文様が想像できます。
解説がないのでわかりませんが、そうであってほしい。

 

統一新羅時代の瓦とありますので、お隣韓国での出土品。  この作品の文様やデザインは日本のものとは、ちょっと違って、繊細さを感じます。

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東京国立博物館(2012.7.28) 山水画 雲谷等顔 久隅守景 

2012年08月23日 | アート 日本画

山水画もいい作品がありました。

雲谷等顔は、初めて聞く名前でしたが、力量は一流です。  
右側の屏風です。

 

拡大です。  緻密ですね。


左側の屏風


拡大したもの

 

次は、久隅守景です。   守景の国宝「納涼図屏風」は今月5日に紹介しました。  一緒に紹介しても良かったのですが、同じ作者でも趣きの異なる絵なので、別にしました。
この山水画は超一流の絵師が、時間をかけずによくある山水画のパターンを、軽快に描いているように見えます。  

 

 

上の絵の拡大です。  典型的な山水画の水辺の光景

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東京国立博物館(2012.7.28) 狂言の面と装束 #2

2012年08月22日 | アート 能

狂言の面が面白い。   独特の強調ですね。 まずは七福神の恵比寿から

 

大黒天は本来は、ヒンズー教のシヴァ神の化身。   極めて日本的な神仏習合した神となった大黒天は、どこか俗っぽくて面白い。

 

武悪の面。  初めて見ますが、名前も面白いし、形相もユニーク。  猛々しく強いイメージを見せながら、どこかドジという印象です。


 



口元の表情が違う武悪。  イメージも違ってきます。

 

昨日紹介した面も、もう一度並べます。  実にユニークな表現です。
狂言面「鳶」

 

狂言面「うそぶき」

 

最後に、江戸時代の京、四条河原では能や狂言が盛んに演じられていて、それを屏風絵にしたものが展示されていました。

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東京国立博物館(2012.7.28) 狂言の面と装束 #1

2012年08月21日 | アート 能

トーハクの能コーナでは狂言の面と装束が展示されていました。
展示は8月19日までだったので、今は見れません。 紹介が遅れて申し訳ありません。

 

面と装束のコーナ

 

江戸時代の能狂言絵巻でイメージがつかめます。
絵も御用絵師が描いたもので、丁寧なタッチと、少しトッポイところがいい。

 

 

面と装束のアップです。

  

 傘のデザイン面白い。

 

 

 

 

この面、うそぶきという名前も面白いし、表情が凄い。  人間の一面を見事にあらわしている。

 

 

 

 

明日は面を中心に紹介します。 

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レーピン展に行って

2012年08月18日 | アート 西洋画

8月18日(土)レーピン展に行ってきました。
正直、名前は知らなかったのですが新聞の美術展紹介が動機です。
リーフレットには彼の妻を描いた絵がのっています。
リーフレットでは分かりづらいのですが、リアルさ、落ち着いた色が醸し出す暖かい雰囲気は素晴らしい。

 

イリヤ・レーピンはロシア・リアリズムの画家で、展示会の解説にもありましたが、レンブラントの影響があります。
Ilya Repin (ウクライナ生まれ ロシア, 1844-1930)

写真撮影は禁止でしたので、リーフレットからスキャニングしたものなどで紹介しますが、素晴らしさが伝わらないのが残念です。

今回、彼の代表作である「ヴォルガの船曳」の習作など、多くの作品がでていました。 また、完成作に至るまでのスケッチなど多くの作品群が展示されていました。
そのなかで、鉛筆によるスケッチにはうならされました。   遠くの山の木々など、丁寧にかつ素早く、描かれており、技量はさすがです。

《浅瀬を渡る船曳き》(《ヴォルガの船曳き》の習作)
1872年 油彩・キャンヴァス
国立トレチャコフ美術館所蔵

 

《皇女ソフィア》
原題:ノヴォデヴィチ修道院に幽閉されて1年後の皇女ソフィア・アレクセエヴナ、1698年に銃兵隊が処刑され、彼女の使用人が拷問されたとき
1879年 油彩、キャンヴァス
国立トレチャコフ美術館所蔵

この作品の紹介が新聞に載ってあり、興味を惹かれたのですが、残念ながらアートとしての価値は低い。  想像で描かれた週刊誌が喜ぶような絵で、リアルなようでいてリアルさがありません。

 

会場には多くの肖像画があり、秀作が多いのですが、このムソルグスキーは凄いですね。
当時、ムソルグスキーはアルコール依存症で入院中で、レーピンが病院に出向き、描いたもの。
描いたあと、10日ほどでムソルグスキーは亡くなる。

《作曲家モデスト・ムソルグスキーの肖像》1881年  油彩・キャンヴァス
国立トレチャコフ美術館所蔵

 

 私がレーピン展でみた作品で最も印象深かったのは、彼の家族を描いた作品です。
展覧会のパンフレットにも載った奥さんヴェーラを、 もう一度小さいサイズで。

《休息―妻ヴェーラ・レーピナの肖像》 1882年 油彩・キャンヴァス
国立トレチャコフ美術館所蔵 


実物の絵の、質感表現はため息ものです。

彼の息子、ユーリーを描いたもの。 妻の絵もそうですが、エンジ色の色彩が決まっています。

《少年ユーリー・レーピンの肖像》

 

レーピンは3年ほどパリに留学しますが、当時台頭していた、印象派の影響を受けます。

典型的な作品が次です。

《あぜ道にて―畝を歩くヴェーラ・レーピナと子どもたち》
1879年 油彩・キャンヴァス
国立トレチャコフ美術館所蔵 

03azemichi.jpg

そして今回の展示で、一番ほしいと思った作品

《日向で―娘ナジェージダ・レーピナの肖像》
1900年 油彩・キャンヴァス
国立トレチャコフ美術館所蔵

レーピンの円熟期の作品です。  彼の娘を描いたものですが、印象派の技法とかそんな議論はどうでもよくて、絵の訴求力の強さを絶賛します。
この作品の解説に、娘は後年、精神の病を得て、実家で過ごすことが記されていました。  レーピンの絵筆は娘の心の奥底の不安を描き出しているように思います。

 

ルール違反ですが、本展示会には出品されていない絵で彼の娘を描いた、素晴らしい作品があります。

《秋の花束》1892  111 x 65 cm  トレチャコフ美術館

レーピンの絵は、家族を描いたものに素晴らしい芸術性を感じました。

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東京国立博物館(2012.7.28) ラグーザ「日本の婦人像」

2012年08月17日 | アート 彫刻

ラグーザの「日本の婦人像」は常設展示のようで、いつ行っても本館1Fの近代美術の部屋で会えます。
毎回、行く度に挨拶して、撮影していますが、毎回紹介するわけにもいかず、過去2回の紹介で終えています。
1回目(2009.12.14)、2回目(2011.01.20)

今回、久し振りに採り上げました。

 

眼元、口元に可愛らしさ、色気を感じます。

 

周りの雰囲気も含めて

 

多くの人は、絵画のほうを見て、この彫刻を見る人は少ないのです。   確かに遠目では目立たないのですが、・・・・もったいない

 

今回は、カメラの機能を使って、イラスト風にしたのもアップ。

 

 

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東京国立博物館(2012.7.28) 彫刻 萩原守衛

2012年08月16日 | アート 彫刻

萩原守衛の彫刻を

迫力があります。  萩原の力量が分かります。

角度を変えて

 

そして、「女」。  この作品については近代美術館での記事で2回取り上げています。
1回目2回目

今回は360度まわっていろんな角度から撮影しました。

 

 

この角度からが好きです。


背中の部分は鋳型からの制作上の継ぎ目の部分などがでて、美しさをスポイルしています。

 

 

下の写真は5月19日に撮ったもので、見上げる角度から。

 

作品の置かれた雰囲気です。

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東京国立博物館(2012.7.28) 京焼、近代

2012年08月15日 | アート 陶磁器

明石焼きの作品ですが明らかに京焼の体裁です。

 

讃窯(さんかま)の作品ですが、京焼の陶工を招いての作品なので、京焼といってもよいでしょう。

 

平成館「日本の考古」東京大学(本郷)からの出土品の紹介コーナの展示品です。  加賀前田藩の大名のコレクションだったのでしょう。


 

この作品も同様です。


 

変って、近代の人間国宝だった加藤卓男の作品。  色柄など完璧ですね。

 

富本憲吉も優れた作品がおおいのですが、本作は私の好みからは外れます。


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東京国立博物館(2012.7.28) 伊万里 九谷

2012年08月14日 | アート 陶磁器

古九谷は伊万里で焼かれたものだという説が有力なようです。  九谷焼きは、てっきり石川県の焼き物で古九谷もその範囲で考えていましたが、素人のはかなさですね。
最初、解説プレートにある伊万里(青手古九谷)を見て?と思ってしまった。

 

 こちらは、九谷焼きの再興を目指した再興九谷のなかでも最有力の吉田屋窯の作品。  深みのある色が美しい。

 

 昔、山中温泉に泊まったことがあるのですが、九谷焼の窯があったところなんですね。
この作品も色や柄がいい。

 

 こちらも、伊万里の青手古九谷   独特の雰囲気がある作品です。



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東京国立博物館(2012.7.28) 伊万里 色絵

2012年08月13日 | アート 陶磁器

伊万里の色絵磁器。
初期の柿右衛門様式。  後で紹介する作品は、洗練されて余白を大きく取って、高雅な雰囲気を出していますが、これはこれで伸び伸びと描いています。


 

中国の影響が如実に感じられる作品ですが、当時は追いつけ追い越せで意気盛んだったのでしょう。


 向きを変えて撮ったもの。

 

 中国の模倣をベースにしながらも、デザインなど整っていて美しい。


 

 伊万里らしい赤、器のデザインなどいい作品です。


 

伊万里らしい白の余白と、赤絵、繊細な草模様がいい。 


 

 けばけばしい感じがしますが、欧州向けの輸出仕様だとか


 

 伊万里らしい作品。


 

 これも輸出仕様の作品。  江戸時代から輸出で稼ぐ風土があったのだ。


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東京国立博物館(2012.7.28) 伊万里 染付

2012年08月11日 | アート 陶磁器

今回、陶磁器作品は多く撮りましたので、系統的に紹介します。

最初に、伊万里の染付。  ケンディって水瓶のこと。  仏具なので装飾的ですが、山水の絵がノビノビとしていい。

 

シャワーを浴びて象も気持ち良さそうです。 眉毛が笑わせます。
それよりも、左隣の皿の背面の図柄が軽快でいい。  この皿の前面は後で紹介するシダの図柄です。

 

竹生島を描いたこの皿は以前にも紹介していますが、そのページが探せません。  解説文にある波の上を走る兎は、そのときは分かりませんでしたが、今回やっと分かりました。

 

先ほど、背面の図柄が良いといった皿の前面です。  このデザインも大胆です。

 

少しくすんだ生地ですが、鳳凰の図柄はダイナミックに描かれている。

 

 

祥瑞(しょんずい)は知らなかったのですが、景徳鎮の民窯の一つで厳選された生地と鮮やかな発色のブルーが特徴。
この皿も確かに、鮮やか。

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