入院日記最終回 ～この気持ちは何？編

７月１５日
術後の経過も順調。
回診時に、「予定どおり明日、退院ですよ！」

・・・。

普通、喜ぶもんですよね？
他の患者さんも、入院期間が違えど、早く帰りたいと、口を揃えておっしゃいます。

けれど私の場合、違うんですよ。

ダラダラ出来る生活が終わるから？

いいえ。
それもありますが（あるのかよ）、退院が近づくにつれ、だんだんと寂しさがこみ上げてくるのです。
いや、むしろ寂しさと言うよりも、遠い昔に経験した胸の苦しさみたいなものがじわじわと・・・。

そこで私、気付いたのです。
そう、私を担当してくださった美人ナースの事。

担当とはいえ、もちろん私専属と言うわけではありません。
私以外にも受け持ちの患者さんがたくさんいらっしゃいますので、その方々のお世話もしないといけません。
ですから、私のところにも美人ナース以外に色んなナースが来て下さいました。

でも、何かが違うんですよね。
他のナースにも本当に親切にして頂いたのですが、処置が終わると、サッと次の患者さんへ移動。
会話をしても当たり障りのない会話ばかりで、なにか見えない壁があるように感じたのです。

でも、美人ナースは違いました。
いつもにこやかで、私のところに来て下さった時は、ベッド脇に座り、下らない話や冗談にもつきあってくれました。
そんなこんなで、私自身も、いつしか楽しみに待つようになっていたのです。
今日は彼女が来てくれる日だろうか？
そして、来てくれた時は本当に嬉しくて、楽しくて・・・。
そんな彼女と会えなくなると思うと、なんだかとっても切なくなってきたのです。
いい年をして本当におハズカシイのですが・・・

どうしよう　授業の内容は
こんなとき　全然使えません
きびしいね　人生と言うのは
なかなか　先生、とても


７月１６日
退院の朝。
最後に彼女にきちんとお礼を言いたかったのですが、彼女は先生の回診のお供で会えず。
結局、なにも話せずに病室を後にしました。
しかし帰り際に偶然、廊下でばったり。
遠くのほうにいたにもかかわらず、手を振って「勉強頑張って下さいね！」と声を掛けて下さいました。
私も、今までの感謝の気持ちをこめて手を振ってお別れしました。

彼女は、一ナースとして、患者である私に対してきっちりと仕事をしただけ。
私も、一時的な感情をいつまでも引きずってはイカン！とふっきり、家路につきました。

入院日記その①でも、入院生活がバラ色かどうかはナースで決まる！と、冗談で書きましたが、私の場合は彼女のおかげで、本当に楽しい入院生活でした。


思い出のツーショット。彼女のほうから一緒に撮ろうと言って下さいました！
カンゲキ！！

・・・で、帰り際。
くしゃみをした拍子に

○※▲☆□！？
腰にものすごい激痛。
あ、あの・・・もうしばらく入院していいですか？

　入院日記　　完　　





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（平凡家族パパ）