「妙心寺展」で兄弟鐘がご対面
観世音寺（かんぜおんじ）（国指定史跡）
746年（奈良時代）～
こんばんは。
今週のミステリーハンターは久々に登場のGです。
別にネタに困った訳ではゴニョゴニョ…。
さて、百済（くだら）救援のために筑紫国に行幸して亡くなった斉明天皇を祀るため、中大兄皇子（天智天皇）の命で観世音寺が建てられたというのは前述の通り。
発願は斉明天皇が亡くなった661年からそう遠くない頃（それでも場所から考えると大宰府政庁ができた後？）だと思われますが、出来上がったのは80年以上も後の746年なんだそうですね。
創建当時はかなりの規模で、その姿は確か太宰府展示館に復元模型があったと思いますが、現在の建物はすべて後に再建されたものだそうです。
説明板にあった創建当時の絵図。広大で立派な伽藍をもつ寺だったとのこと。
南大門の礎石。場所は当初あったところから移されてるらしい。
五重塔の心礎（塔の心柱を支える石）。
日本最古ではないかと思われる碾磑（天平石臼）。朱（塗料）をひいたのではないかと考えられているそうな。
CMの後はこのお寺のお宝拝見！
チャラチャチャ～
＜CM＞
ここ、観世音寺で見ておくべきは、宝蔵に収められた仏像の数々。
これも創建当時のものは火災で消失してしまったそうですが、それでも平安時代の大作がズラリ。
当然私ごときに仏像の善し悪しが分かる訳はないし、そこまで仏像に興味がある訳でもないんですが、宝蔵2階の展示室に上がると、天井の高い空間に5m超の観音像、3m超の観音坐像がゴンゴンゴンと並んでいて、そりゃもう圧倒されんばかりの迫力なのです。
この迫力は博物館の特別展なんかでもそうそう味わえるものではありませんぜ。
そしてもう一つ、見逃せないのが国宝の梵鐘。
これは粕屋あたりの工房で、同じ木型の鋳型で造られた兄弟鐘の（たぶん）兄貴分で、（たぶん）弟分は京都の妙心寺にある鐘だそうです。
普段は月に1回の18日と除夜の鐘でしか撞かれませんが、現在（2010年2月28日まで）九国博で開催中の『妙心寺展』ではこの兄弟鐘が二つ並べて展示してあって、鐘の音の聴き比べなんてイベントなんかもをやっています。
重文揃いの仏像などが収められた宝蔵。中に入ると中央の巨大な観音像に心を奪われるが、流れてくるテープの説明は階段正面、いちばん左の仏像からなので、順に見ていこう。中は撮影禁止なので仏像の写真はなし。自分の目で確かめてください。ちなみに宝蔵の向こう側は、春は菜の花、秋はコスモス畑になるらしい（追記：3月下旬に行ったときには単なる野っぱらだったけど）。
 | ※追記 11月中旬に行ったときはコスモスが咲き乱れてた（ちょっと盛りを過ぎた感じだったけど）。 |
 | ※追々記 4月下旬に行ったら一面の菜の花…ではなくウマノアシガタ。 |
 | 礎石を除いては唯一の創建時の物である梵鐘。このころは鉄で大きなものを造る技術がなかったのか、銅製で、それほど巨大なものでもない。 |
なお、観世音寺の隣（もともとは敷地内）には、僧になるための戒律を授けた戒壇院があります。
ここは、753年に数々の苦難・障害を乗り越えて来日した唐の高僧・鑑真が日本に来て初めて授戒した場所だそうで、761年に聖武天皇の勅願で戒壇院が造られたのだとか。
今では観世音寺との縁はなくなって、福岡市の聖福寺の末寺ということになっているらしいです。
椿咲く戒壇院。日本三戒壇院の一つなんだと。門の横の戒壇石には「不許葷酒肉入境内」（臭い野菜や酒や肉は境内に入っちゃいけねえよ）と刻んである。そういうものは大好きだけど、幸い手にしてはなかったので入らせていただいた。
観世音寺
大きな地図で見る
太宰府市観世音寺5-6-1
見学自由
駐車場：あり（有料）
宝蔵入館料：一般500円
開館時間：9:00～17:00
関連スポット
●九州国立博物館（おまけ5）
●九州歴史資料館（おまけ5）
●大宰府展示館（その11）
（つづく）
←ひとつ前へ－－CONTENTSへ
