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雑感録

福岡なるほどフシギ発見~おまけ5~ 国vs県! 博物館の仁義なき戦い?

 
九州国立博物館
九州歴史資料館
 ※九州歴史資料館は2010年11月、小郡に移転オープンしました。

以前、奴国にかかる福岡市と春日市、伊都国にかかる福岡市と前原市とで市の境を越えた連携がないという話をしたが、太宰府は市、県、国と同じエリアに3つの展示施設があって、同じ遺跡の資料が分散してしまっているという困ったことになっている。
大宰府政庁跡の脇にある太宰府展示館は太宰府市の委託を受けて(財)古都太宰府保存協会が運営していて、もともとは地下遺構の覆屋らしい。
覆屋にしては立派な建物だが、展示物は大宰府のシンボル・鬼瓦のほか、たいして多くはない。
まあ、史跡のすぐ脇で気軽に史跡の概要が知れるという意味では、この程度で十分。
もっと詳しい解説や貴重な資料はしっかりした博物館で、という存在だったのが九州歴史資料館だったのだろう。

大宰府展示館からいささか距離があるが、九州歴史資料館は福岡県の施設。
“九州”と大風呂敷を広げてはいるが、展示は基本的に県内の考古資料や美術品。
2階の展示室に入るといきなり工事中のような一角があるが、実はこれも発掘の道具を並べた展示で、発掘・復元・保存などを行なう埋蔵文化財センター的な性格があるのだろう。
メインはやはり大宰府政庁や水城など関連遺跡の考古資料で、大宰府名物・鬼瓦もいくつかあり、さすがにこちらは充実の品揃え。
にもかかわらず見学者は少ないようで、誰にも邪魔されずの~んびり見学できて、喜んでいいのやら悪いのやら…。
よっぽど興味のある人ならともかく、一般の見物客はみな国立博物館に行ってしまうのだろう。

昔の建物らしく何とも味気ない外観だが、航空写真で見ると五角形だったりする。そうだったっけ?

大宰府政庁の中門の模型。さすがに1/10スケールだとそこそこでかい。右は大宰府名物・鬼瓦の使用例。


んで、この九州歴史資料館のすぐ上に、2006年に日本で4番目の国立博物館との鳴り物入りで登場したのが九州国立博物館
何せ車の入口は歴史資料館と共通で駐車場は歴史資料館の目の前、建物はそこからとことこ丘を登っていったとこという位置関係なので、紛らわしいったらありゃしない。
ちなみに太宰府天満宮側から徒歩で行くとこういうことになる。
だざいふ遊園地の正面あたりに専用路の入口あり。
とんでもなく長いエスカレーターを上っていくと…
とんでもなくサイケなトンネルがあり…
トンネルを抜けるとそこは九国だった…。

田舎から出てきたおばあちゃんだったら、ここまでで十分満足して帰ってしまうかもしれない。

この大仰な建物の4階が文化交流展示室とかいう、いわゆる常設展示になっている。
ここにも得意の鬼瓦ほか大宰府関連の資料があり、こう何度も出てくると、どこのがどう違うのか同じなのか、どこか1カ所押さえとけばいいのか、全部見て回らなきゃいけないのか、訳が分からなくなってしまう。


文化交流展示室手前の無料ゾーン。ここには南門の1/10模型が。屋根を猫が走ってるなんて芸が細かいなあ。

こちらは水城の建設風景のジオラマ。向こうにちらっと見えているのは、外濠と内濠をを結ぶ水路に使われていた木樋である。


ところで、国立博物館とはそういうものかもしれないんだけど、ここも九州とは関係ない京都や奈良や国外のお宝なんかも並んでいる。
現代美術の作品ならともかく、歴史的資料はそれにちなんだ場所にあるべきだと思う(比較するためとか意味はあるのかもしれないが、それならレプリカで十分)。
逆に、こちらにまともな博物館がなかった時代に東京とかに持っていかれたお宝は、ぜひ返していただきたいものだ。

さて、ぶつぶつ文句を言ってきたこの近所で博物館がバッティング状態。
実はもうすぐ解消されることになっている。
九州歴史資料館の方が来年3月で閉館。
秋に小郡市に移転することになっているのだ。
せっかくだから、この際国だの県だの細かいことはいわず、大宰府のお宝は大宰府の博物館に、きちんとまとめていただきたい。

追記
実際のところは、国立博物館の展示・運営などに県(九州歴史資料館)も深く関わっていて、ちゃんと連携はしてるらしいんだけどね。
素人目に見ると分かりにくいわなあ…。


大きな地図で見る

航空写真はまだ九州国立博物館建設地を造成中のようだ。下の方にある五角形の屋根が九州歴史資料館(だと思う)



追記(2012.6.23)

ようやく小郡に移転した“九州歴史資料館に行ってきた。


建物は口の字型になっていて、中庭の窓からは出土品の保存・復元・調査の様子を見物できす。
ここは洗浄・復元の部屋だそうです。
1階にはメインの展示室のほか、子ども向けの体験コーナーもあって、銅鉾・銅剣のレプリカに触れたり、有料で和同開珎やミニ鬼瓦を作ったりできます。

三沢遺跡となりの緑に囲まれた静かな場所にあって、敷地入口左には小郡市埋蔵文化調査センターもあります。



九州国立博物館
福岡県太宰府市石坂4-7-2
電話092-918-2807
開館時間:9:30~16:30(入館16:00まで)
休館日:月曜(祝日の場合は翌日)、年末
入館料(文化交流展):一般420円、大学生130円(特別展は別料金)
駐車場:あり(有料)
http://www.kyuhaku.com/pr/

九州歴史資料館(移転後)
小郡市三沢5208-3
電話0942-75-9575
開館時間:9:30~16:30(入館16:00まで)
休館日:月曜(祝日の場合は翌日)、12月28日~1月4日
入館料:常設展示室(第1・3)のみ大人200円、高大生150円、中学生以下無料、障害者無料
駐車場:あり
http://www.fsg.pref.fukuoka.jp/kyureki/


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