ぎんぐの紅茶

紅茶初心者の奮闘記

瞳子(吉野朔実)

2005年02月01日 | お茶が出てくる本&紅茶関係の本レビュー
瞳子という、大学を卒業したのち無職状態の女性を主人公とした短編漫画集。
この中の「俄か雨」という作品は、中国茶が重要な?小道具となって展開する。

部屋の掃除やごはんといった家事に明け暮れるとても現実的な自らの母親と、
中国茶をたしなみ、夢野久作?の話もできる友人の母親とを比べて瞳子は自分の母親を疎んじる。

この友人の母親がいかに文学的な(浮世離れしたともいう)感性の持ち主かをあらわすのに
中国茶が大事な役割を果たしている。
読んだ当時、中国茶などに全く興味のなかった私は(今もそんなにあるとはいえないが)、その世界に驚愕したものだ。

100グラム(10グラムだったか?)で数千円の茶葉。
ほとんどお茶が入らない、おままごとみたいな小さな小さな茶器(しかも高そう)。
においをかぐだけが目的の恐ろしく高額な茶葉(これは違うか?)。 

ちなみにこの作者は、これ以外にも読み応えのある叙情的な作品を出していておすすめ。
「少年は荒野を目指す」「ジュリエットの卵」等。


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