ぎんぐの紅茶

紅茶初心者の奮闘記

香りが呼び起こしたもの

2005年12月16日 | お茶のある風景(読み物)
私にとって、ウェッジウッドのアールグレイフラワーズは昔懐かしいクレヨンの香りだ。
この紅茶をかいだ瞬間、小さいときに読んだある物語のシーンを思い出した。

団地の中のだれもいない公園で、一人の男性が手品のように白い鳩を次々と出す。
その鳩はその団地で親に公園で遊ぶことを禁じられ、部屋に閉じこめられた子供たちだった。
最後に男性は自らも鳩に変わり飛んでいく。

今まですっかり忘れていた。
この本には他にも物語が入っていて、どれも不思議で楽しいものだった。
(思い出したシーンはシュールだが)
でも、内容は覚えていない。
何だっけ…。
好みでないアールグレイフラワーズをちびちび飲んで記憶を刺激し、必死で思い出そうとした。
そのうちに、奇跡的に本の題名を思い出した!
「森からのてがみ」だ。

題名がわかると調べるのも楽になった。
作者は「舟崎克彦」。
懐かしく調べていると下のリンク先を見つけて、ぎょっとした。
教えて!goo 本のタイトルを教えてください
以下、リンク先より引用。


内容は、一つは、雨の日に暇していたら、便箋に「オモテサンドウイッチひとつ」と書いて紙飛行機にして、窓から飛ばそう、と。
しばらくして、郵便受けがコトンとなり覗いてみるとそこにはクレヨンが入っていて部屋に持ち帰ると、クレヨンが話し出す。変な駄洒落を言ったり、泣き出したり。


「オモテサンドウイッチひとつ」!
思い出した!!
父は時々手品で本を出してくれたのだが、この本もその1つであったこと。
この不思議な話に魅せられ、本当に紙飛行機を飛ばした自分。
夜、お話の通りに郵便受けに12色のクレヨンがきたこと。
(父が入れたのだと思う)
わくわくしてクレヨンを部屋に持っていき、クレヨンがしゃべるのを待っていたこと。
…さすがにクレヨンはしゃべらなかったけれど。

どうしてあんなに楽しかったことを忘れてしまったのだろう。
お話とわかったあとでも、この物語が好きなことには変わりなかった。
何度も何度もこの本を読んだ。
クレヨンは大切に使った。
そう、アールグレイフラワーズは、このクレヨンの香りにそっくりなのだ。

すっきりしたところでアールグレイフラワーズは捨て、この本をアマゾンで注文した。
あと数日で届く。
他にどんな話が入っていただろうか。
また別の幼い自分に会えるかも。
わくわくわく。

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