アールグレイを飲むと、香りの強さとクセに悶絶することがある。
食品じゃなくて洗剤のにおいでは?!とか、人工的なにおいが強すぎる!とか…。
そういう紅茶が外国のメーカーだと、「外国の紅茶はにおいも味も出にくい硬水で入れるよう作られているから、日本の軟水には向いてないんだ。外国で飲んだらおいしいんだろうけど。」と諦めに似た気持ちになる。
ん?ちょっと待って。
本当に「香りのきつい外国メーカーのフレーバー物は、外国の硬水で飲んだらおいしくなる」の?
香りの強さとクセで悶絶したアールグレイでも、外国の硬水で入れたら好みの香りになるの?
それって、私の思いこみじゃない?
確認してみた。
長いので結論を先に書いてしまうと、以下の2つ。
1.アールグレイの場合、硬水で入れようが軟水で入れようが、香りの強さは変わっても特徴は変わらない。
軟水で強く感じる人工臭さやクセは硬水でも健在。
だから、日本で飲んで苦手と感じたアールグレイを海外で飲んでも、苦手と感じると思われる。
(硬水の方が紅茶の味も香りも抑えめになるので、全く飲めなかったアールグレイが何とか飲めるくらいにはなるかな)
2.硬水は水の味の方が強く出て、紅茶の味はあまり出ない傾向がある。
香りは(軟水に比べれば)硬水の方が弱く出る。
点線以下は確認した過程を記したもの。
------------------------------------------
【条件】
1.使う茶葉(香りが強いと言われるフランスメーカーをメインにした)
・アーマッドのアールグレイ
・フォションのアールグレイ
・マリアージュフレールのイングリッシュアールグレイ
・ダマン・フレールのグールース
2.水
(画面右から)
・コントレックス:超硬水(硬度1551)
・パラディーゾ:中硬水(硬度290)
・NATIA:やや軟水(硬度110)
・(写真には写っていないけど)水道水:軟水
3.入れる条件
・ティーバッグ1つ又は茶葉2gにつき、お湯150cc、蒸らし時間3分
4.その他
・コンロの口?は2つしかないので、用意した4種類の水を同時に沸かすことができない。味見に時間差が多少生じるけど、水が少なくあっという間に沸くのでまあいいかということで。
【入れてみた】
アーマッド
この紅茶は水道水で入れると、スタンダードなアールグレイの香りがかなり強く、味も紅茶の味(セイロンのブレンドっぽい)が強く主張する。
《硬度の高いパラディーソとコントレックスで入れると…》
紅茶の味以上に水の味(野菜スープっぽい滋養のある味)が強い(特にコントレックス)。
もとは味が強い紅茶なのに、味は意外と出ていない。
香りは入れ立ては軟水と同じくらい強いけど、冷めるにつれて飛ぶのも早い。
《硬度の低いNATIAと水道水で入れると…》
硬水と違い、水の味はなく紅茶の味だけを感じる。
また、香りの特徴(スタンダードなアールグレイの香り。多少人工くさい)は硬水・軟水とも変わらない。
《全体的な感想》
硬度が高くなると水の味が強くなり、香りが飛びやすくなる。
だけど、香りの特徴そのものは軟水も硬水も変わらない。
フォション
この紅茶は水道水で入れると、味が薄めでクレヨンのにおいが強めの紅茶。後にかすかに柑橘系の香りがする。
《硬度の高いパラディーソとコントレックスでいれてみると…》
紅茶の味はほとんど出ていない。
特徴的なクレヨンのにおいとかすかに残る柑橘系の香りは変わらない。
冷めるにつれ、香りが飛ぶのが早い。
また香りについては、単体で飲むと強く感じるが、水道水と飲み比べると弱いのがはっきりと分かる。
《硬度の低いNATIAと水道水で入れると…》
パラディーソとコントレックスと比べると、紅茶らしき味が出ている。
香りについては、パラディーソとコントレックスで入れた物と比べると、強いのがわかる。
また、特徴的なクレヨンのにおいは変わらない。
《全体的な感想》
硬度が高くなると味が薄くなり、香りも抑えめになる。
だけど、香りの特徴そのものは軟水も硬水も変わらない。
ちなみに下がフォションの水色。
右に行くにつれて硬度が高くなる。
イングリッシュアールグレイ
この紅茶は水道水で入れると、香りは人工的な花の香りが強く、ベルガモットの香りは控えめにする程度。
「イングリッシュ」という名前から、紅茶の味が強いタイプのアールグレイかと思っていたけど、薄めで拍子抜け。
《硬度の高いパラディーソとコントレックスでいれてみると…》
コントレックスの場合、紅茶の味はあまり出ておらず、水の味(スープみたい)が強くする。
パラディーソの場合、紅茶の味も水の味も出ていなくて、「水ではない味のする何か」を飲んでいる感じ。
香りは軟水で入れた物に比べれば弱いけど(でも単体で飲むと強い)、紅茶の味も弱いので香りをはっきりと感じる。
《硬度の低いNATIAと水道水で入れると…》
パラディーソとコントレックスより、味がしっかり出ていて紅茶の渋みまで感じる。
香りの強さや特徴は軟水、硬水とも変わらない。
《全体的な感想》
水の味は硬度が強くなるにつれて、強く出る。その分、紅茶の味は出なくなる。
香りは硬度が強くなるにつれて、香らなくなる。
だけど、香りの特徴そのものは軟水も硬水も変わらない。
ダマン・フレール
この紅茶は水道水で入れると、薬草のような香りが強く、柑橘系の香りが多少する程度。
人工っぽいにおいもかなり強い。
味は薄め。
茶葉の残量の都合上、コントレックスとNATIAでのみ入れた。
《硬度の高いコントレックスで入れると…》
紅茶の味はあまり出ず、水の味(スープみたい)が強く出る。
香りは、特徴的な薬草のような香りと人工っぽいにおい、かすかな柑橘系の香りはそのままで、軟水より弱いだけ。
《硬度の低いNATIAで入れると…》
コントレックスで入れた物に比べると、より紅茶っぽい味が出ている。
硬水で入れた時はかすかだった柑橘系の香りが、ちょっと強くなっている。
《全体的な感想》
硬度が高くなると茶の味も香りも出にくくなる。
だけど、香りの特徴そのものは軟水も硬水も変わらない。
ちなみにコントレックスとNATIAの水色はこれ(右がコントレックス)。
------------------------------------------
<付け足し>
硬水で入れたアールグレイは、香りは軟水よりも抑えめで、味は水の味がメインのため、「食品」というよりは「飲むお香」という感じだった。
香りがメインの紅茶は、食品と捉えちゃいけないのかも…(遠い目)
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食品じゃなくて洗剤のにおいでは?!とか、人工的なにおいが強すぎる!とか…。
そういう紅茶が外国のメーカーだと、「外国の紅茶はにおいも味も出にくい硬水で入れるよう作られているから、日本の軟水には向いてないんだ。外国で飲んだらおいしいんだろうけど。」と諦めに似た気持ちになる。
ん?ちょっと待って。
本当に「香りのきつい外国メーカーのフレーバー物は、外国の硬水で飲んだらおいしくなる」の?
香りの強さとクセで悶絶したアールグレイでも、外国の硬水で入れたら好みの香りになるの?
それって、私の思いこみじゃない?
確認してみた。
長いので結論を先に書いてしまうと、以下の2つ。
1.アールグレイの場合、硬水で入れようが軟水で入れようが、香りの強さは変わっても特徴は変わらない。
軟水で強く感じる人工臭さやクセは硬水でも健在。
だから、日本で飲んで苦手と感じたアールグレイを海外で飲んでも、苦手と感じると思われる。
(硬水の方が紅茶の味も香りも抑えめになるので、全く飲めなかったアールグレイが何とか飲めるくらいにはなるかな)
2.硬水は水の味の方が強く出て、紅茶の味はあまり出ない傾向がある。
香りは(軟水に比べれば)硬水の方が弱く出る。
点線以下は確認した過程を記したもの。
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【条件】
1.使う茶葉(香りが強いと言われるフランスメーカーをメインにした)
・アーマッドのアールグレイ
・フォションのアールグレイ
・マリアージュフレールのイングリッシュアールグレイ
・ダマン・フレールのグールース
2.水
(画面右から)
・コントレックス:超硬水(硬度1551)
・パラディーゾ:中硬水(硬度290)
・NATIA:やや軟水(硬度110)
・(写真には写っていないけど)水道水:軟水
3.入れる条件
・ティーバッグ1つ又は茶葉2gにつき、お湯150cc、蒸らし時間3分
4.その他
・コンロの口?は2つしかないので、用意した4種類の水を同時に沸かすことができない。味見に時間差が多少生じるけど、水が少なくあっという間に沸くのでまあいいかということで。
【入れてみた】
アーマッド
この紅茶は水道水で入れると、スタンダードなアールグレイの香りがかなり強く、味も紅茶の味(セイロンのブレンドっぽい)が強く主張する。
《硬度の高いパラディーソとコントレックスで入れると…》
紅茶の味以上に水の味(野菜スープっぽい滋養のある味)が強い(特にコントレックス)。
もとは味が強い紅茶なのに、味は意外と出ていない。
香りは入れ立ては軟水と同じくらい強いけど、冷めるにつれて飛ぶのも早い。
《硬度の低いNATIAと水道水で入れると…》
硬水と違い、水の味はなく紅茶の味だけを感じる。
また、香りの特徴(スタンダードなアールグレイの香り。多少人工くさい)は硬水・軟水とも変わらない。
《全体的な感想》
硬度が高くなると水の味が強くなり、香りが飛びやすくなる。
だけど、香りの特徴そのものは軟水も硬水も変わらない。
フォション
この紅茶は水道水で入れると、味が薄めでクレヨンのにおいが強めの紅茶。後にかすかに柑橘系の香りがする。
《硬度の高いパラディーソとコントレックスでいれてみると…》
紅茶の味はほとんど出ていない。
特徴的なクレヨンのにおいとかすかに残る柑橘系の香りは変わらない。
冷めるにつれ、香りが飛ぶのが早い。
また香りについては、単体で飲むと強く感じるが、水道水と飲み比べると弱いのがはっきりと分かる。
《硬度の低いNATIAと水道水で入れると…》
パラディーソとコントレックスと比べると、紅茶らしき味が出ている。
香りについては、パラディーソとコントレックスで入れた物と比べると、強いのがわかる。
また、特徴的なクレヨンのにおいは変わらない。
《全体的な感想》
硬度が高くなると味が薄くなり、香りも抑えめになる。
だけど、香りの特徴そのものは軟水も硬水も変わらない。
ちなみに下がフォションの水色。
右に行くにつれて硬度が高くなる。
イングリッシュアールグレイ
この紅茶は水道水で入れると、香りは人工的な花の香りが強く、ベルガモットの香りは控えめにする程度。
「イングリッシュ」という名前から、紅茶の味が強いタイプのアールグレイかと思っていたけど、薄めで拍子抜け。
《硬度の高いパラディーソとコントレックスでいれてみると…》
コントレックスの場合、紅茶の味はあまり出ておらず、水の味(スープみたい)が強くする。
パラディーソの場合、紅茶の味も水の味も出ていなくて、「水ではない味のする何か」を飲んでいる感じ。
香りは軟水で入れた物に比べれば弱いけど(でも単体で飲むと強い)、紅茶の味も弱いので香りをはっきりと感じる。
《硬度の低いNATIAと水道水で入れると…》
パラディーソとコントレックスより、味がしっかり出ていて紅茶の渋みまで感じる。
香りの強さや特徴は軟水、硬水とも変わらない。
《全体的な感想》
水の味は硬度が強くなるにつれて、強く出る。その分、紅茶の味は出なくなる。
香りは硬度が強くなるにつれて、香らなくなる。
だけど、香りの特徴そのものは軟水も硬水も変わらない。
ダマン・フレール
この紅茶は水道水で入れると、薬草のような香りが強く、柑橘系の香りが多少する程度。
人工っぽいにおいもかなり強い。
味は薄め。
茶葉の残量の都合上、コントレックスとNATIAでのみ入れた。
《硬度の高いコントレックスで入れると…》
紅茶の味はあまり出ず、水の味(スープみたい)が強く出る。
香りは、特徴的な薬草のような香りと人工っぽいにおい、かすかな柑橘系の香りはそのままで、軟水より弱いだけ。
《硬度の低いNATIAで入れると…》
コントレックスで入れた物に比べると、より紅茶っぽい味が出ている。
硬水で入れた時はかすかだった柑橘系の香りが、ちょっと強くなっている。
《全体的な感想》
硬度が高くなると茶の味も香りも出にくくなる。
だけど、香りの特徴そのものは軟水も硬水も変わらない。
ちなみにコントレックスとNATIAの水色はこれ(右がコントレックス)。
------------------------------------------
<付け足し>
硬水で入れたアールグレイは、香りは軟水よりも抑えめで、味は水の味がメインのため、「食品」というよりは「飲むお香」という感じだった。
香りがメインの紅茶は、食品と捉えちゃいけないのかも…(遠い目)
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