遺す言葉

つぶやき日記

遺す言葉 107 童謡ーー歌は世につれ

2016-10-02 16:06:01 | 日記

 

          童謡ーー歌は世につれ(2011.9.6日作)

 

   ふと 想う

   昔うたわれた童謡には なぜ

   あんなにも哀愁を帯びた歌が

   多いのだろう

   なに気なく耳にする一つ一つの歌が

   優しい言葉遣いと共に 妙に切なく

   心に沁みて来る

   -----

   人の世の大半を生きてしまった人間の

   単なる感傷

   ふたたび辿り得ぬ 追憶の中の日々

   過去への 郷愁がなさせる

   心の動きなのだろうか

   それとも

   この国が今よりずっと貧しく

   日々の生活にも はるかに多くの

   困難が伴った時代

   人々がその中で 生きる事の頼りなさ

   人の命のはかなさを 日々 実感し

   胸に刻み込んで生きて来た それが

   自ずと滲み出て 

   あんなにも切ない歌の数々が

   作られたのだろうか

   -----

   歌は世につれ 世は歌につれ

   歌がその時代を生きる人の心を映す

   鏡であるのなら

   哀しみに満ちた歌の

   作られる事のない時代は 多分

   幸福な時代であるに違いない

   その中で もし 人が

   他人(ひと)の心の哀しみ 愁いに眼を向ける

   優しい眼差しを忘れずにいるのであれば

   -----

   この世を生きる人の命のはかなさ 淋しさは

   いつの時代にあっても

   変わる事はない