タマルさんはナツメヤシ

タマルは女性の名。ナツメヤシの意味で多産を象徴。聖書には約束の地カナンは、蜜(ナツメヤシ)と乳(ヤギ)の流れる地とある。

お産では上の子と一緒に入院もできます

2015-08-19 21:48:27 | 産科
篠山市杉の伊織(いおり)ちゃん、7月17日生まれ。
「お腹の中に居る時に、いーちゃんと呼んでいたので。
上のお姉ちゃんが毎日来たので、騒がしく楽しい入院生活でした。」

そうですね、お姉ちゃんはお利口さんだったので、楽しく過ごせましたね。
たまに1週間、お泊まりする子も居ます。
最近はお婆ちゃんも仕事をしている家庭も多く、
なかなか手伝ってもらえませんからね。

それで上の子を入院中に預けるところが無いというお母さんには、
上の子も一緒に入院していただいても構いませんよ。
ただし、その分たいへんにはなりますけれどね。

さて、今日は子宮頸管縫縮術のお話をしましょう。

というのも最近、手術をしたところだからです。
妊娠中期に、子宮の出口をヒモ状のテープで結ぶ手術をすることが有ります。
ただ結んでも、スポッと抜けてしまうので、
丸い縫い針のようなもので、テープ状のヒモを1周、まつりながらかけるのです。

テープをかける位置によって、手術の名前が変わります。
膣に飛び出している部分の子宮にかけるのを、マクドナルド手術と言います。
日本人は発音が悪いので、本当はマクダナにした方がいいと思うのですが、
どうしてもハンバーガー屋さんの名前を連想しているのでしょうね。

もう少し奥の方にテープをかけるのを、
シロッカー手術と言います。
奥にかけた方がいいのは分かるのですが、
奥に行くほど手術がやりにくくなります。
保険点数だって上がってしまいますよ。
それは、子宮の前の膀胱を、子宮から剥がしてテープをかけるからです。
まあ、そこまでする必要はないと思うのですよ。

ということで、タマル産では、マクドナルドの方でします。
ちなみに帝王切開の時は、お腹を切って、膀胱を子宮から剥がして、
それから子宮に切開を入れるのです。
膀胱は子宮の手術には邪魔なのですね。
傷つけるとやっかいなのです。

子宮の出口を縛るのは、前回の妊娠時に早産した人や、
長期に切迫早産で入院した妊婦さんが対象ですね。
他には、最近は若い女性に子宮頸がんが増えてきましたから、
子宮の出口を円錐形に切除している妊婦さんも増えてきました。
そんな場合は子宮の出口が短くなっているので、
通常より早産しやすくなります。
それで、出口を縛ってあげないといけないのですよ。

妊娠の37週に入れば、抜糸するのです。
テープを抜いたその日に生まれてしまうことも有りますからね。
抜糸しても、予定日くらいにしか生まれないことも有ります。

メリットとしては、今回は切迫早産での入院期間が短くなったり、
早産して赤ちゃんが未熟児で障害が残ったりしないということでしょう。

デメリットとしては、テープが感染源となってしまって、
早期に抜かないといけない羽目になってしまったり、
それが原因で、さらに早産になってしまえば、目も当てられません。
どんな検査や治療でもそうなのですよ。
逆効果ということは有ります。

たとえば今流行りの羊水検査です。
お腹に針を刺して羊水を抜いてきて染色体を調べるのですが、
この検査で逆に300人に1人は流産すると言われていますから。

今のところ術後経過も順調で、
今回の妊娠は、切迫早産での入院が回避できたらいいですね。
そうすれば、上の子はお母さんの入院時に預けられるということもなくなくでしょうから。
もちろん、こんな長期間は、上の子と一緒に入院できませんからね。

ただし1週間くらいなら、上の子も一緒に入院できるのでしたね。
これは大きなメリットだと思いますよ。

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