タマルさんはナツメヤシ

タマルは女性の名。ナツメヤシの意味で多産を象徴。聖書には約束の地カナンは、蜜(ナツメヤシ)と乳(ヤギ)の流れる地とある。

医師応援のおしらせ

2017-07-21 21:24:32 | つれづれ
丹波市山南町の宗祐(そうすけ)くん、6月15日生まれ。
「お父さんの名から1字、もらいました。
お産は安産だったと思います。
お料理はいろいろすごかったです。」

健診には、いつもお姉ちゃんが付いて来てきていましたね。

以前からタマル産では、ときどき非常勤の先生に手伝ってもらっています。
本当は私1人でもできるのですが、というか、非常勤の先生が居られても必ず私もバックアップしていますよ。
ところでこの秋は、お産のラッシュなのです。
そこで、来週から毎週、神戸大学から応援に来ていただくことになりましたよ。
この夏から秋だけになるか、その先もずっとかは、まだ未定なのですけれど、
とりあえず忙しい間だけでもです。

タマル産では妊娠10ヶ月の健診が火曜日なので、
予定日超過の妊婦さんや、骨盤位のお母さんなど、リスクの高い妊婦さんは、
火曜日から誘発して、水曜日に産んでもらうことが多いのです。
平日の昼間の方が、他院も輸血できる体制が整っていますし、
人手が多いので、安全性が高いからです。

もちろんタマル産でも、火曜日と水曜日はとくに人員を多めにシフトしているのです。
今度から医師も、火曜日、水曜日は2人体制にして、より安全性を高めるというわけです。
水曜日は予定の帝王切開もしている曜日なのです。
そうは言っても、年に10件ほどで、月に1件ほどなのです。
緊急の帝王切開は、年間でも、わずか数件なのですよ。
大き病院では帝王切開率が高いですから、
タマル産と同じ規模であれば、月に5件は有るところでしょうが。
それで手術も手伝ってもらうことにしますよ。
もうすでに1人のお母さんでは、一緒に手術して、息もピッタリですからね。

最近は不妊症の治療でも、高度不妊治療は他院とタッグを組んでいますしね。
大阪の扇町ARTレディースクリニックの朝倉院長や、
神戸の英ウィメンズクリニックの塩谷院長、
京都では足立病院の畑山院長です。
どの院長も、昔から一緒に仕事をしてきた仲ですからね。しかも同じ頃に開業したのです。

最近の無痛分娩の報道を見ると、無責任な報道がとても多いのです。
無痛分娩の6割は診療所だから、多すぎるとかね。
だって、お産の5割は診療所なのだから、そんなものでしょ。

大きな病院は人手が多いから安全、という意見も有りますが、
実際は、たとえ医師が複数働いている病院だって、夜間は産婦人科医が0人ということも多いですよ。
夜は家で待機して、呼ばれたら出動するのです。
それに対して診療所なら、夜間は必ず1人は居るのですからね。
私が以前勤務していた兵庫県立病院でも、夜間の産婦人科の医師は0人でしたからね。

日本のお産の半分は診療所が扱っていて、しかもとても少ない医師数で頑張っており、
それで支えてきたのですよ。
もし、診療所が全部無くなれば、病院だけになり、医師はこれまでの何倍も必要になりますよ。
ですが、そんなことは不可能なのです。
だから診療所を潰そうなどと考えてはいけないのですよ。
そう、安全にお産できなくなるからです。

だいたい、お産で生命を落とすのは、診療所ではなくて、多くは病院なのですからね。
もちろん診療所では危険になれば、大病院に搬送するからなのですが、
それでも大病院でも救えないものは救えないのです。
もしお産のすべてが大病院に集中したとしても、母体死亡率は減らないのでしょう。

みなさん、うそっぱちだらけの報道に、騙されてはいけませんよ。
ですが、こう毎日、にせの報道を流されてはね。
医療不信や、政治不信を助長するばかりですね。
外来で診る患者さんも、初めから疑いの目で見る患者さんが多くなりましたよ。
それで、セカンドオピニオンだとか、転院が流行るのです。

今日も1人、不妊外来の患者さんが治療の途中で転院されました。
1回目の治療で、化学的妊娠まで行ったところなのですが。
もうちょっと頑張れば、保存的な治療で妊娠されたでしょうに、残念ですよ。
お互い信頼し合った方が、結果が良くなるということは確かです。