無名会

連 句 で 遊 ぼ う!
楽しくなければ連句ではないよね。

無名会9月

2011-10-06 14:43:36 | Weblog

無名会9月  2011年10月6日発行

 涼しくなりました。時に肌寒く・・・。
 時は過ぎ行くですね。
 最初は歌仙です。3日の会では時間が足りず裏まで。名残の表からは文韻で。

  歌仙「青虫」 

  菜の中の青虫出でて厨事     三秋   薫   自
   涼も新たに窓を吹く風     初秋  直子   場
  雲切れて覗く半月淡くして    三秋   實   場
   誰が弾くやら下手なマズルカ       薫   他
  お稽古をさぼる言い訳けなんとしよう    直   自
   暖炉の前に蹲る犬       三冬   實   場

  嬉々としてして雪合戦の童たち  晩冬   薫   他
   あの背あたりに狙い定める        直  自他
  丸顔と瓜実顔の見初めあい         實  自他
   ラストダンスはわたくしにして      薫   自
  駆け込んだ駅を去りゆく終電車       直   自
   そうだそうだと同僚と愚痴        實  自他
  あれこれと政治談議に泥鰌鍋        薫   他
   菖蒲満開柳川の月            直   場
  戦友は山峡の湯に集いたる         實  自他
   馬上の剣にあげる祝杯          薫  自他
  粗削り円空佛と花を浴び     晩春   直   自
   腰をおろして憩う耕人     三春   實   他
ナオ
  汽笛鳴らし沖行く船に春の雨   三春   薫   場
   金門橋を渡りきったよ          直   自
  留学はフルブライトで箔付けて       實 他/自
   老人クラブ多士済々で          薫   他
  売り声の威勢を競う年の市    仲冬   直   場
   おとなしやかに葉牡丹の鉢   晩冬   實   場
  お見合いは大正ロマンの矢絣で       薫   自
   触れてごらんよ着痩せする性質      直  自他
  さてここが思案しどころ首傾げ       實   自
   新発売の湿布よく効く          直   場
  開かれた机の日記月照らす    三秋   薫   場
    到来の古酒したたかに飲み   晩秋   實   自
 
ナウ
  竹林の賢者に憧れ秋の末     晩秋   薫   自
   虎のパンツがもう乾く頃         直   場
  朝刊をメガネはずして読んでいて      實   他
   太極拳の動作ゆるやか          薫   他
  同窓会おいでを待つと花便り   晩春   實  自他
   夢ふるごとく降れる淡雪    三春   直   場

   平成23年9月 3日起首(桜ヶ丘ヴィータにて)
       9月22日満尾(20句目より文韻)

  二十韻「ゴッホの夜」

  馬鈴薯を食べる灯やゴッホの夜    六魚
   簾収めし縁照らす月        直子
  蓑虫の来てもの申す厠にて       祐
   宇宙の息を聴いてゐる刻      六魚

  福耳の形いいねと褒められる     直子
   あの頃彼は高校生で         祐
  音楽の教師は白き指細く       六魚
   クレッシェンドに募る片恋     直子
  島よりの霜月鰈送られ来        祐
   侘助活けた窓の翳りて       六魚
ナオ
  坊さんの読経メリハリよく響き    直子
   紀ノ川下る舟で一献         祐
  色事も仕事も鬼となる夢を      六魚
   カンカン帽で気障に迫られ     直子
  天心の月の浜にて西瓜割り       祐
   怪獣の尻尾波を切りゆく      六魚
ナウ
  ばば様を載せて運んだ救急車     直子
   春山スキー峠越えする        祐
  ワシントン花浴びて立つ儀仗兵     實
   仔猫三匹かたまって寝る      六魚
 
 2011年9月18日 関戸公民館

 十和田湖近くの草原
 群がり咲く野菊
 (9月19日)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 十和田湖近くの山林にひっそり
 ギンリョウソウ(9月19日)