maaolaの旅日記

2008年は京都はもちろん、函館、伊豆、熊本、萩・津和野、香港・マカオへ行く予定

ドイツ・ポスター 1890-1933 PLAKATE

2008-03-01 13:30:00 | 旅の資料(本・記事・映画など)
京都国立近代美術館で開催中の「ドイツ・ポスター 1890-1933 PLAKATE」を見に行ってきました。

PLAKATEはドイツ語でポスターのこと。1933年はナチスが政権を握った年で、ドイツ近代ポスターの歴史はここで幕を閉じます。

ポスターは文字から絵画、さらには「画・背景・文字」というデザインへと発展する一方で、小さなものから大きなものへと発展していったそうです。初期の時代には、コストを抑えるために、テンプレートが用意され、広告主は空いた余白などに文字や画を上書きするというようなこともあったようです。
ホームページの発展と似たようなところがありますね。歴史を知ると、「なんだいまと同じじゃないか」って思うことが多々あります。

パンフレットには、ベルリンで活躍したルツィアン・ベルンハルト(Lician Bernhard)しか書かれていませんが、ミュンヘンのルートヴィヒ・ホールヴァイン(Ludwig Hohlwein)も印象的です。ヴィルヘルム・モーザー食料品店のポスターなんか今でも使えそうです。エビがおいしそうー。

ベルンハルトの作品では、(遠くから眺めていると)コーヒーハーグ、カフェイン抜きとボッシュ給油器が目を惹きます。同じ並びにあるユリウス・ギプケンス(Julius Gipkens)の「S-i印、ザロッティ、お菓子を買うならS-i印パッケージだけ」も目に留まります。(あとで売店に行くとポスターになっていました)

ベルンハルトとホールヴァインはともに第一次大戦の戦争公債のポスターでも登場します。ともにサインがいい感じです。ホールヴァインのサインの変化はちょっと興味を持ちました。

戦争の暗いポスターから一転、20年代のポスターになると、鮮やかな色遣いの大きなポスターが多く展示されています。中でも「エルスター温泉」のポスターが印象的でした。戦間期のドイツというのはずっと暗い時代のイメージがあったので、少し以外でした。


最後になりましたが、ドイツ・ポスターの収集家であったハンス・ザックスのことを書いておきたいと思います。彼はユダヤ系の医師で、雑誌「ポスター」の出版者でもありました。彼のコレクションは、ナチスによって没収され、行方不明になっていました。戦後、東ドイツで一部が発見され、ドイツ統一後、エッセンのドイツ・ポスター博物館で展示されることになったものです。


○展示構成
第Ⅰ章 ドイツ近代ポスターの先駆者たち 1890-1900年
第Ⅱ章 ドイツ近代ポスターの黄金時代 1900-1914年
第Ⅲ章 第一次世界大戦中のポスター芸術 1914-1918年
1.ドイツ諸都市に開花したポスター芸術
2.ミュンヘン-ポスター芸術先進の地
3.ベルリン-ポスター芸術のメトロポール
4.ハンス・ザックスとポスター愛好家協会
第Ⅳ章 ポスター芸術の新潮流 1918-1933年
1.政治的ポスター
2.黄金の20年代-新しいライフスタイル
3.新たな造形言語の獲得
第Ⅴ章 日本にみるドイツ近代ポスター、その受容と展開
1.「六人組」、ドイツ商業美術の紹介
2.七人社と『アフィッシュ』
3.カルピス国際懸賞

googleの地図
京都国立近代美術館の公式HP


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