昔に出会う旅

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浮御堂は、冬至の太陽を遥拝する聖地だった

2009年02月28日 | 近畿地方の旅
前回、日吉大社東本宮の建物の方角に疑問を持ったことを書きましたが、その後図書館で調べていて面白い本を見つけました。

薬師寺慎一著「聖なる山とイワクラ・泉」です。

2009-02-11に記載した浮御堂について、とても興味深い一説がありました。

(日吉大社東本宮のことは、次回に記載したいと思っています。)



浮御堂と、その右の琵琶湖の対岸に近江富士と呼ばれる「三上山」[みかみやま]が見えています。

浮御堂への橋は、琵琶湖の西岸から東方向にのびています。

「聖なる山とイワクラ・泉」の著者 薬師寺慎一氏によると冬至の日にはこの場所から見ると「三上山」から太陽が昇るそうです。

「三上山」は、その山麓にある御上[みかみ]神社の神体山です。

浮御堂は、冬至の太陽が、神聖な場所「三上山」から昇るように見える場所に建てられたということです。

又、浮御堂から見ると比叡山の「四明ケ岳[しめいがだけ]」が「冬至の日の入り線」に当たることが書かれていました。

「四明ケ岳」は、比叡山で霊山中の霊山だそうです。

地図で見ると比叡山の「根本中堂」の南西方向約500mの場所に「大比叡」があり、そこから約300m西に「四明ケ岳」があります。

浮御堂は、比叡山の僧「源信僧都」が、琵琶湖の交通の安全を願い建立したと伝えられ、霊山「四明ケ岳」を冬至の日没の場所に選ぶのは納得できます。



地図に「浮御堂」「三上山」「四明ケ岳」に印を付け、赤い線で東西の線、から30度南といわれる冬至の日の出・日の入の線を引いて見ました。

「浮御堂」と、「三上山」は、ちょうど赤い線上にあります。

「四明ケ岳」は、赤い線と1度違い、29度南に傾く黄色い線上にあります。

海上保安庁のサイトで、日出・日入の時刻・方位情報が提供されており、調べてみました。

ちなみに2008年の冬至は、12月21日で、日の出-07:00 (118度) 、日の入-16:49 (242度) でした。

日の出は、東西線から28度南、日の入も、28度南になるようです。

本には東西線から30度南と書かれていましたがどうも違うようです。

又、水平線を前提とした時刻・方位で、山はズレがあります。

いずれにしても浮御堂から実際に見える日の出・日の入の場所だと信用して、琵琶湖の湖畔にあったこの場所の偶然性に感心しました。


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