医大生・たきいです。

医大生的独言。

合否を分けたこの1冊~医大生が浪人したとき読んだ本~

2012-04-02 23:20:42 | 人気記事

筆者の受験した医学部の面接試験。

面接官「これまで印象に残った本はありますか?」
たきい「『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』ですかね。岩波文庫で800円ちょいでした。」
面接官「マックス・ウェーバーですか。それはどうして?」
たきい「それはですね…、世の中には、ココマデ理解できない本があるものかと思いまして…」
面接官「(全員爆笑)」

気づいたら医学部受かってました(笑)。合格を決めた一冊は『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』でした(爆)。医大生・たきいです。




筆者は浪人生時代、「大学への数学」も碌に解けなかったし、英語もすらすら読めなかった。物理もなかなか理解できなかったし、化学の暗記も苦手だった。だけど、一つだけ誇れることがある。それは、たくさんの本と格闘したこと。たくさんの本を買ったこと。これだけは並大抵の浪人生には負けない自信がある。高校生の時は全くといっていいほど本を読まなかったが、浪人してからは読んだ。

毎週火曜日の予備校の現文の授業。どの授業でも最前列を陣取っていた私は、もちろん現代文の授業も最前列を陣取り、予備校講師Mの真ん前に先生の御著書本を買って置いておいた。毎回好反応(笑)。先生は授業中に本のタイトルを呟くので、メモして全部買って読んだ。毎週買った。だんだん先生も調子に乗ってきて、「小林秀雄全集」と言われたときには泣きそうになったが、古本屋を探しに探して安いのを見つけて買った。結局読んでないけど(笑)。
近頃の若者は、「本を買う」努力をしない者が多い。本は読むものではなく、まず、買うものである。読書の習慣のない人間が、書物を「読める」わけなんてない。だからまず、買う努力をすべきだ。というのは、筆者の持論だが、読書は決して無駄にはならないだろう。まず買うべし。それがインテリへの第一歩である(笑)。

以下のあまたの本が並ぶ一覧見て、さぞかし、たきいは現代文ができる人間だと誤解するかもしれないが、現代文は結果がでなかった。

筆者が受験した2012年のセンター試験では、評論文のほうは15分くらいで自信を持って満点が取れたが、小説のほうは選択肢が全然選べず、無駄に30分くらい費やしたのに、19点だった。「目指せ9割」のかけ声の中で闘う国公立大医学部入試に於いて、38%は、ビルから身を投げたくなる数字である。確かに、「「センター試験第二問小説」の点数と5教科7科目全体の得点率との間に、実は統計学的に全く相関関係はない」という事実は、大学入試センターが公表したくない事実No.1であるというのは業界では有名な話だ。なぜならば、「国語第二問」が知性をはかる出題といえなくなるからだ。教育業界の中では、大学入試小説問題廃止論者までいるらしいし。しかし、センター試験に筆者が「小説のワカラナイ人間」の角印を押されたのは紛れもない事実である。「『たまむし』ふざけんな」(※このネタで、そのうち一本書きますw)という声もあるが、所詮筆者は「小説のワカラナイ人間」なのである。秋口くらいからの模試以降では小説は得点源だったという証言もあるが、所詮筆者は「小説のワカラナイ人間」なのである。たかが一年間の努力は報われなかったのである。

しかしながら、入試現代文の結果はさておき、読書の経験だけは無駄ではなかったと断言できる。「知」を前に自分がちっぽけな存在であることを知れ、謙虚な気持ちになれるのだ。特に浪人生には大事なことだ。自分の無知無能を知ることは、全ての教科に共通してよい点であった。だから、めちゃくちゃ難しい本を一冊買って持っているだけでもよいと思う。「仕方なく」読めばいいのである。それには、前述の『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』とか最高である。わたしは、どのページでもページをめくる前に眠くなる(笑)。

以下に筆者が浪人時代に読んだ本買った本を羅列したので、興味があったら読者のあなたも手にとってみてほしい。


たきいオススメ厳選10冊「一言感想付き」→☆
ごめんなさい挫折しましたw→※

と印をつけてみたのでよかったら参考にしてください。
KY塾DBクラスで一緒だった方はたきいが本当に全部買ったのを知っているでしょうが、それ以外の方は信じてくれないかもしれないので、写真貼っときました(笑)。全部浪人時代に買ったものです。





☆青葉繁れる(井上ひさし)
「たきいブログの読者は必読。これで壱高を知ろう。」

氷壁(井上靖)
なぜ意識は実在しないのか(永井均)
陽だまりの彼女(越谷オサム)
※数学入門(下)(遠山啓)
※沈黙(遠藤周作)
ドミノ(恩田陸)
☆ネバーランド(恩田陸)
「これぞ男子校」

球形の季節(恩田陸)
光の帝国(恩田陸)
図書室の海(恩田陸)
夜のピクニック(恩田陸)
六番目の小夜子(恩田陸)
ハニービターハニー(加藤千恵)
☆羊の歌(加藤周一)
「旧制中学の知性に触れる。高校の恩師にいただいた一冊。」

続羊の歌(加藤周一)
神様のカルテ(夏川草介)
こころ(夏目漱石)
それから(夏目漱石)
三四郎(夏目漱石)
※草枕(夏目漱石)
坊ちゃん(夏目漱石)
鼻(芥川龍之介)
羅生門(芥川龍之介)
「読み」の整理学(外山滋比古)
思考の整理学(外山滋比古)
☆檸檬(梶井基次郎)
「なぜ檸檬をおいたのか。乱雑の中から秩序を見出したのか。或はつくりだしたのか。」

サマーウォーズ(岩井恭平)
スワロウテイル(岩井俊二)
ラヴレター(岩井俊二)
ラヴ・ケミストリー(喜多喜久)
悪人(上)(吉田修一)
悪人(下)(吉田修一)
初恋温泉(吉田修一)
空色ヒッチハイカー(橋本紡)
梁塵秘抄(後白河法皇)
日本的感性(佐々木健一)
ぼくたちは大人になる(佐川光晴)
ア・ルース・ボーイ(佐伯一麦)
きみはポラリス(三浦しをん)
☆ことばはちからダ!(三浦武他)
「ごちそうさまです(笑)」

冬の雁(三浦哲郎)
野(三浦哲郎)
春の雪(三島由紀夫)
金閣寺(三島由紀夫)
☆福島の原発事故をめぐって(山本義隆)
「溢るる知性。」

小説こちら葛飾区亀有公園前派出所(秋本治)
博士の愛した数式(小川洋子)
大摑源氏物語まろ、ん?(小泉吉宏)
モオツァルト・無情という事(小林秀雄)
小林秀雄全集第5巻ドストエフスキイの生活
小林秀雄全集第12巻考へるヒント
意味の変容(森敦)
月山・鳥海山(森敦)
舞姫(森鷗外)
きつねのはなし(森見登美彦)
四畳半神話体系(森見登美彦)
宵山万華鏡(森見登美彦)
太陽の塔(森見登美彦)
美女と竹林(森見登美彦)
夜は短し歩けよ乙女(森見登美彦)
有頂天家族(森見登美彦)
☆恋文の技術(森見登美彦)
「必ず手紙を書きたくなる。書いたけど、たきいは残念ながら(諸事情により以下略w)」

仏像に恋して(真船きょうこ)
おっぱいバレー1(水野宗徳)
おっぱいバレー2(水野宗徳)
大学入試問題で語る数論の世界(清水健一)
4TEEN(石田衣良)
6TEEN(石田衣良)
SEX(石田衣良)
スローグッドバイ(石田衣良)
下北サンデーズ(石田衣良)
娼年(石田衣良)
逝年(石田衣良)
親指の恋人(石田衣良)
美丘(石田衣良)
眠れぬ真珠(石田衣良)
夜の桃(石田衣良)
研修医純情物語(川渕圭一)
パイロットフィッシュ(大崎喜生)
恋愛の不可能性について(大澤真幸)
☆深夜特急1(沢木耕太郎)
「バッグパッカーになりたくなる。危険。」

深夜特急2(沢木耕太郎)
深夜特急3(沢木耕太郎)
深夜特急4(沢木耕太郎)
深夜特急5(沢木耕太郎)
深夜特急6(沢木耕太郎)
旅する力(沢木耕太郎)
谷崎潤一郎マゾヒズム小説集(谷崎潤一郎)
痴人の愛(谷崎潤一郎)
3センチヒールの靴(谷村志穂)
100回泣くこと(中村航)
あなたがここにいて欲しい(中村航)
夏休み(中村航)
絶対、最強の恋のうた(中村航)
僕の好きな人が、よく眠れますように(中村航)
インドでわしも考えた(椎名誠)
ジョン万作の逃亡(椎名誠)
わしらは怪しい探検隊(椎名誠)
怪しい探検隊 海で笑う(椎名誠)
怪しい探検隊 北へ(椎名誠)
犬の系譜(椎名誠)
全日本食えばわかる図鑑(椎名誠)
日本最末端真実紀行(椎名誠)
熱風大陸(椎名誠)
蒲団(田山花袋)
和歌とは何か(渡部泰明)
※死の棘(島尾敏雄)
学ばない探偵たちの学園(東川篤哉)
館島(東川篤哉)
謎解きはディナーのあとで(東川篤哉)
謎解きはディナーのあとで2(東川篤哉)
分身(東野圭吾)
諸子百家(湯浅邦弘)
時をかける少女(筒井康隆)
医学生(南木佳士)
ダイヤモンドダスト(南木佳士)
最後の恋(乃南アサ他)
アシンメトリー(飛鳥井千砂)
タイニー・タイニー・ハッピー(飛鳥井千砂)
ゾウの時間ネズミの時間(本川達雄)
かのこちゃんとマドレーヌ夫人(万城目学)
ザ・万歩計(万城目学)
ザ・万遊記(万城目学)
プリンセス・トヨトミ(万城目学)
☆鴨川ホルモー(万城目学)
「ホルモーはマキメの一押し作品。もれなく京大生になりたくなる(笑)。『しゅららぼん』もオススメ。」

ホルモー六景(万城目学)
偉大なる、しゅららぼん(万城目学)
鹿男あをによし(万城目学)
歴史を哲学する(野家啓一)
遠野物語(柳田国男)
百人一首(鈴木日出男)
ちぐはぐな身体(鷲田清一)
資本論の哲学(廣松渉)
※世界史(上)(ウィリアム)
※世界史(下)(ウィリアム)
変身(カフカ)
ペスト(カミュ)
ごく平凡な記憶力の私が1年で全米記憶力チャンピオンになれた理由(JoshuaFoer)
1時間でハングルが読めるようになる本(チョ・ヒチョル)
本気で学ぶ韓国語(チョ・ヒチョル)
カラマーゾフの兄弟(上)(ドストエフスキー、原訳)
※カラマーゾフの兄弟(中)(ドストエフスキー、原訳)
※カラマーゾフの兄弟(下)(ドストエフスキー、原訳)
カラマーゾフの兄弟1(ドストエフスキー、亀山訳)
※カラマーゾフの兄弟2(ドストエフスキー、亀山訳)
※罪と罰(上)(ドストエフスキー)
※罪と罰(下)(ドストエフスキー)
☆プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神(マックスウェーヴァー)
「医学部受かったのはこの本のおかげ(笑)」

※失われた時を求めて1(マルセル・プルースト、井上訳)
星条旗の聞こえない部屋(リービ英雄)
不思議の国のアリス(ルイスキャロル)
不器用(前田敦子)←(笑)


本を片手に春を迎えよう。





(今日のブログは、ただのブラインドタッチの練習だった気もする人(笑))






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8 コメント

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とんとん拍子もこれからがどうなるか (充史)
2012-04-07 00:20:51
すごい量の読書ですね!!
読書するのがかなり大変だったのではないかと。

水野宗徳さんの「おっぱいバレー」って、タイトルからしてまぁ
発想が変化球・・・。
内容は面白かったですし、新作も面白そうですね!

これからも「おかしな人だけれど、憎めない」感じで、残っていく、
そんな記事まで出てくるんですから、いい人なのかも。
http://www.birthday-energy.co.jp/i

たしかにデビュー作「おっぱいバレー」と次作「さよなら、アルマ」が
続けて映画になったりしていて、絶好調なんですね。

これは次の作品も気になります!
Unknown (たきい)
2012-04-07 02:46:17
浪人時代は、通学時間がそこそこ長かったので結構読書が捗りました。それにしても読み過ぎでしたかね(笑)、もうちょっと他の勉強しとけばと思う気持ちもなきにしもあらずです。

「おっぱいバレー」はそういえば高校生のときにも読んだのですが、それで読書感想文を書いたという過去があります(爆)

水野宗徳さんもこれからちょっと注目してみようかなぁ…
やっぱり (ESmaster)
2015-07-03 23:30:38
本を読むっていいんですよね!?

自分も今某S.D予備校で浪人してる者です。
現役時代までまーーったく何も読んでこなかったんですが、浪人が決まり何でかわからないですが無性に本を買って読み出すようになりました。
でも、やっぱり電車で熱心に勉強してる人を見ると、電車でも勉強したほうがいいのかな…って思えてきます…。
ESmasterさんへ (たきい)
2015-07-03 23:59:10
勉強おつかれさまです。

わたしは、電車やバスで勉強の成果があげられるのは、英単語だけな人間でした。電車の中で数学の問題をじっと考え続けるとかやる人もいるようですが、自分には向いていなかったようです。そうした理由でときたまサクっと英単語の暗記に時間を割くこともありましたが、概ね予備校通学中は読書の時間に充てる浪人生活でした。

浪人生にとっての最低勉強時間(8時間くらいでしょうか…)を確保できているのなら、あとは何をやっても自由というのが当時の私の考えです。

今でこそ暇さえあれば酒を飲む堕落した大学生活を送っていますが、浪人時代は暇さえあれば本を読む充実した毎日でした。読書って、意外に忙しいときのほうが捗るのです。

実りある浪人生活を送ることのできるよう、陰ながら応援しております。
Unknown (医学部志望の二浪の男です)
2015-09-29 20:06:02
私もK予備校に通い現代文は三浦先生に教えてもらっています。
先生の授業はとても面白くてあっという間に90分が過ぎていきます


最近、不安と孤独で胸が苦しくなるのですが
そういう時はどのようにしていましたか?
医学部志望の二浪の男さんへ (たきい)
2015-09-29 23:27:36
コメントありがとうございます。
先生の授業懐かしいです。

不安と孤独。きっと受験生ならば誰しもが感じていることでしょう。浪人時代少々教室ではお調子者だった私でさえ、不安感に押しつぶされそうになったことは何でもありました。
しかし、目標の遠さを嘆くことも、孤独とだけ向き合っている時間も無意味だと浪人生のときの自分は考えていたように思います。

そういうときには淡々と日々のノルマをこなしていくのが一番です。数学の問題をじっくり考えるもよし、物理のテキストの復習をするもよし、はたまた社会の知識の整理をするもよし。

悩むより、目の前の一問を。一問でも多く。受験生生活はこの繰り返しに尽きます。
KY塾の者です。笑 (名無し)
2016-07-31 01:02:39
初めまして、たきいさん。現在KY塾で浪人中の女です。M浦先生のことですね?私も(今は夏期講習中ですが)レギュラーの授業を受けています。そんなに沢山の本を今は紹介してくれませんので、参考になります。授業中M先生が紹介して下さった川端康成の"掌の小説"は読みました。
仙台に来て3ヶ月ですが、たった数ヶ月で視野がものすごく広がりました。それは本を読んでからのことでした。M先生は私の尊敬する先生の一人です(ちょっと怖いですけど笑)。
そういえば、先日M先生が授業でたきいさんの事を話していましたよ、モノマネが上手いとかなんとか…。メールの返信がこない(嘆)とかw
8月1日に知の広場があります。来てみてはいかがですか?
Re:KY塾の者です。笑 (たきい)
2016-07-31 12:18:42
はじめまして。わざわざ古い記事を探していただいて有難うございます。どうかこのブログがお勉強の障壁となりませんことを…笑

M先生にはKY塾卒業後も随分とお世話になっています。5年も前の浪人生なのに未だに話題にしていただけているとはありがたいものです。

「モノマネが上手いとかなんとか…。」
予備校講師モノマネで教室の笑いを取る浪人生でした、今思うと不真面目な人間でしたね笑

「メールの返信がこない(嘆)とかw」
…!!!
それは粗相だ(´Д` )

有意義な浪人生活となることをお祈りいたします。勉強の気分転換にも読書はいいですよ。あと真面目な話をすると、夏期講習期間中に基礎シリーズのテキストの復習をやり込んで仕上げられたのが私にとっては合格の鍵だったかなと思います。

この夏はしばらく仙台に戻れず、残念ながら知の広場には伺えませんがよろしくお伝えくださいね。

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