高校研究

高校入試に関わってから早20年の月日が過ぎました。ブログ執筆も10年目。様々な角度から、入試の今を見つめていきます。

都立西高校と都立国立高校 校風による比較の面白さ

2017-05-20 03:02:04 | 日記

※この記事は2017年5月17日最新内容に更新済みです。


都立トップ校と言えば、日比谷高校、都立西高校、都立国立高校の3校を指す受験用語ですが、この3校は校風や教育方針がバラエティに富んでいて、興味深いものがあります。

あるウェブサイトの掲示板に、都立西高校と都立国立高校のどちらを第一志望校として据えるべきか悩んでいるという相談がありました。その相談には、教育関係者や、都立西高校と都立国立高校の保護者が回答されていて、高校受験生にとって大変参考になるものでした。



■教育関係者から見た都立西高校と都立国立高校の違い

東京都内の受験事情に精通する教育関係者の方は、都立西高と都立国立高の2校は、クラス替えが校風の違いを象徴していると話します。


国高 → 3年間クラス替えがないので、異常なほどクラスの団結力が強くなる。行事に熱くなれるタイプの子向き。合う子には国高を超える学校がないほど居心地の良い学校。合わない子には本当に合わない。行事にあまり興味がないクールな子には向かないのかも。


西高 → 毎年クラス替えあり。どちらかというとクラスよりも部活動に自分の居場所を見出す子が多い?西高の校長先生曰く「西高にはどんな子にでも居場所があります」と。知り合いの子は、行事参加にあまり積極的でないどちらかというと冷めた子らしいのですが、そんな子のグループもちゃんとあるみたいです。西高が合わないという話はあまり聞きません。


国高は「一直線」な印象。西高は(良い意味で)「バラバラ」な印象。学区撤廃以前よりも、明らかに国高と西高の校風が際立って異なるようになった気がします。2校とも都立トップ校ですから、進学実績で比較するよりも、校風とかで決めたほうが良いと思います。学校説明会とか行事に参加すれば、「なんかこの高校は違和感がある」「この高校は自分に合ってそう」といった空気を感じることができると思います。

 

■息子が西高を選んだ理由 母が国高を気に入った理由
続いての回答は、息子さんは都立西高校を気に入って志望したものの、お母さんは都立国立高校を気に入ったという、親子で好みが分かれたという方の投稿です。

息子は両校を検討し、西高を選びました。
理由は・・
・説明会、学校見学会に参加して、西高の方が自分に合っていると感じた。 (国高の説明会での先生の熱さにひいてしまった!)
・クラス替えがあった方が良い。

ちなみに、母である私だったら、国高を選んだと思います。
理由は・・
・若干、通学時間が短い。
・駅から学校までの環境が素敵。
・「みんなで全部頑張る」熱さが好き。 

実際に両校に足を運んでみると、その雰囲気の違いは結構わかりますよ。 どちらも甲乙つけがたい良い学校です。 カリキュラムや行事の違い(例えば、西高は第2外国語が学べる、国高は第九演奏会に参加できる等) は多少ありますが、どちらを選ぶかは子ども本人に一任すべきだと思います。



■都立西高校の保護者から見た「西高」と「国高」
続いては、都立西高校に通う生徒を持つ保護者さんからのアドバイスです。都立西高校と都立国立高校の校風や教育方針の違いを的確に指摘しています。

西高・国立高の募集要項をご覧になってください。
それぞれのホームページに「期待する生徒像」、つまり「こんな生徒がほしい」という学校の考えがうたわれており、2校の違いがはっきりと出ています。

大学進学実績に誇りを持ち、「全教科において成績の優れている」「将来は社会のリーダーになるような」生徒を期待しているのが国立高校。
一方の西高は「確かな学力をつけさせ希望の進路を実現させたい」「この学校に入れて・学べてよかったといえる学校でありたい」「教科と教科以外のそれぞれにおいて得意分野を持っている生徒」・・・等あまり細かいことはいわず許容範囲の広そうな感じです。

我が家も西高と国高の間に位置しています。運動は苦手で嫌い・学校行事もできればゼロがいい、友達と遊ぶより自分ひとりで好きなことを
自由にやるほうが好き、という息子は、国高が行事に熱く燃える学校だと聞き「あ・・それはパス」と一度も足を向けることなく対象からはずしました。私も国高は絶対息子に合わない、と思いました。

西高の文化祭も「別にいい」と行きませんでしたが、夏に学校説明会に行った印象で「ここは悪くないぞ」と思ったらしく、その後第一志望からはずしたり迷ったりすることは、最後までありませんでした。

親からみてもかなり変わり者のてごわい息子ですが (この年頃の男の子はこういうもの・・・という典型から完全にはずれるので)力を入れている課外の活動や興味をもって自主的に勉強している(関連の本を読む程度ですが)分野が一応あるので、親である私も 「国高の期待する生徒からは大きくはずれる息子だが西高の期待する生徒にはあてはまっているかもしれない、西高なら受け入れてくれるかもしれない」と思い西高の受験に大賛成でした。募集要項のことばは西高のおおらかさ、ふところの深さを良く表していると思います。

現在、彼なりに生き生きとしている息子を見ていると、本当に西高は誰にでも居場所のある学校かもしれないという気がして今でも時々「西高にはいれてよかったね・・」とひとりつぶやいてしまいます。

国立高校の期待する生徒像に合うお子さん、それを目指すお子さんのことは個人的にまぶしく、好ましく感じます。 私自身どちらかというと熱く青春したい方でしたので。けれど、別の方々もおっしゃる通り合わない子には合わないだろうとは思います。悩んで考えて、自分が3年間過ごしたいのはここだ!と信念を持って言える学校に出会えるといいですね。

 

↑都立西高校に突如、鬼が出現!実はこれ、生徒会主催の節分豆まき企画。当日は吊るされた鬼のお面に向かって生徒達が豆まき!本当に何気ない西高生活の1コマなのですが、こういう日常こそが、西高の校風を象徴しているのではないでしょうか。皆さんおっしゃいます。「西高って、だれでも絶対に居場所のある学校ですよ。」と。アメフト部で関東大会に出場する体育会系西高生、白衣族としてオタク的活動に没頭する西高生、謎の秘密団体に入り極秘活動をする西高生。みんなそれぞれ、西高的側面を持つ生徒達です。白衣族?秘密団体?なんだそれ、と思ったら、あなたはもう、西高の扉の入り口にいるはずです。

■都立国立高校に恋をした理由
最後に、国立高校に恋に落ちてしまったという、国高ファンの保護者の方から見た都立国立高校の魅力です。


子供が国高に通っています。

たくさんの国立・私立・都立高校を見学しても今ひとつピンときた様子のなかった子でしたが、国高の説明会にいったところ、見事に恋に落ちてしまいました(笑)行くまでは「3年間クラス替えなしなんて信じられない」と言っていたのにもかかわらず、です。

よく「熱い」と言われる国高ですが、確かにその通りだと思います。全体的にテンションが高く、色々なことに貪欲な生徒が多いです。ただし、全員がいわゆるリーダータイプという訳でもなく、なんというか、キラリと光る名脇役があちこちにいるのがこの学校の面白いところです。

国高はクラスや部活、委員会、国高祭などでびっくりするほど細かく担当係が設定されており、(クラスの遊びをまとめるコンパマスターまでいます笑)生徒は何役もかけもちで役割をこなします。

自分が得意とするA係ではまとめ役になる子が、B係では支える側にまわる。それぞれ活躍できる場があると同時に、仲間の活躍に学ぶこともできるのです。

「全部やる、みんなでやる」のモットーはややもすると熱血体育会系に誤解されがちですが、どちらかというと、社会人になってから役立ちそうな高いパフォーマンスを実現する組織の作り方を学んでいる…そんなふうに感じます。

かくいう我が子もリーダーシップをとるタイプでは全くなく、各分野で抜群にできる仲間達を心底尊敬し、誇りに思い、自分なりに全力で支えることに喜びを感じているようで端で見ていて「青春してるね~」と微笑ましく思います。

 


↑都立国立高校の文化祭「国高祭」の3年クラス演劇のポスターです。そのクオリティの高さから、さまざまな雑誌等で「日本一の文化祭」紹介される、日本国内で最も有名な高校学園祭です。全国から文化祭好きが集まり、高3クラス演劇はプラチナチケットと言われるほどの大人気。クラスメイトみんなで団結して文化祭を作る様子は青春そのもの。高1から高2はバラエティー企画で、高3で集大成のクラス演劇という内容のバランスの良さも良いし、キャストだけでなく、監督、脚本、演出、衣装、内装、外装、宣伝、音響といった細かな部門に分かれ、様々な立場から文化祭で関われるのも良いですよね。だれにでも必ず、自分の能力の活かせる部門があるわけです。週刊ダイヤモンドの「最強の高校」特集では、都立国立高校がクリエイティブ系企業の就職に異様に強く“国高学閥”があることが紹介されました。国内最大手の広告代理店、電通の出身高校別社員数はトップ。さらに、博報堂、マイクロソフト、グーグル、NHK、テレビ朝日、フジテレビ、テレビ東京といった企業の国高OB・OGの数も他校を圧倒だそうです。この際立った個性の校風が、就職で大いに活きていくというのだから面白いですよね。


■西高と国高が愛される理由
〈2017年5月に追記〉
2010年に初投稿したこの記事を、7年たった現在も受験生や保護者を中心に多くの方々に閲覧していただき、感謝の気持ちでいっぱいです。

私が申し上げたいことはまず一つ。「西高と国高の学校文化に触れて、最高の母校となる学校を選択してほしい」ということです。西高も国高も、校風の違いこそあれ、それぞれが最高の学校です。生涯の友と、個性のありすぎる(?)濃い先生たちとの出会いがあります。生涯の最高の母校になるだけの学校です。

最近、西高も国高もマスメディアに注目されることが多くなりました。都立国立高校は、「日本一の文化祭」が注目されています。日経の「1万人集客 都立国立高校 日本一の文化祭を拝見」をぜひご覧ください。都立西高校は、「都立西高校の偏差値と評判まとめ」という記事に、西高の部活動などがうまくまとまっています。西高志望の方はご覧ください。

西高も国高も、中高一貫校になる道を決して選びませんでした。周りの私立高校が次々と中高一貫校になろうとも、頑なに「高校入試の生徒達のためだけの学校」を堅持しています。中高一貫校にも多く足を運んでいるからこそ分かったことなのですが、西高と国高は、中高一貫校ではない3年制高校だから、これだけ高度な学校文化を形成することができたのだと思うのです。まだ心身共に幼い中学生と一緒の環境ではないからこそ、学校は、15歳から18歳の君たちを、一人の大人として扱ってくれます。校則はほぼありません。この体験は、何にも代えがたいものがあります。

高校入試全体を見てみると、2017年度は開成高校の募集状況が過去最も悪かったとかで、合格者の半数以上が辞退して他校へ進学したということですが、日比谷高、西高、国高への進学者が多いんですね。5年前と比べても隔世の感があります。高校受験生にとっては、内進生のような存在がいない学校のほうが、気楽に自分の個性を伸ばして青春を謳歌できるという認識があるわけです。

そうすると、2020年とか、2021年の大学合格実績もまだまだ伸びていくでしょうが、中学3年生はチャンスですよね。大学入試改革世代の一期生なので、浪人生との競争が非常に少ないと予想されるのですね。今、中学3年生の生徒達が大学受験するときには、国立大学がものすごく入りやすくなっています。詳しくは「2018年度入試は大学附属校より都立進学校を選ぶべきなのか」の記事を見て下さい。

一つ確かなことは、西高も国高も、21世紀型教育の実践校だということです。そして、大学入試改革では間違いなく、従来以上の非常に高い実績を出すことになります。自校作成問題が、新大学入試と形式が同じということもありますが、こういう学校の生徒を、結局、大学が一番求めているのだと、そこだと思います。

 


2018年度入試は大学附属校より都立進学校を選ぶべきなのか

2017-05-17 03:01:29 | 日記

2018年度入試に向けた動きが活発としていて、主要大手塾の説明会や分析会に出席している。「なるほどな」と思った分析を行う大手塾があったので、ちょっとだけ内容を紹介したい。ちなみにこの某塾とは、大学受験部門でも東大をはじめ難関大に多数の合格を出す最大手の一つ。

 2018年度の高校入試は完全に情報戦。安易に大学附属校へ逃げたら損をする世代

 2020年度の大学入試は、浪人生の動きがカギ。浪人生は激減して、国立大の競争率は過去最低になる

 中3生が大学受験をする時、東大は通常年の1.5倍受かりやすくなる。その他難関国立大も大幅に易化

 2021年度の大学入試は、元に戻る。恩恵を受けるのは進学校に通う2020年大学入試世代だけ

 

これだけ的確な分析ができるのは、やはり大学受験部も抱える最大手の予備校だからなのだなあ。高校入試と大学入試をダブルに分析して、2018年度の高校入試を控える中3生が、いかにして高校選択をすべきかを鮮やかに指摘されていた。

ここで伝えられることは、「大学入試改革を嫌って、大学附属校に逃げた生徒こそが負け組になる」という事実だ。みんながみんな、この中3生の世代というのは、「新しい大学入試がどうなるのか分からない」という漠然とした不安を共有している。だから、優秀な生徒達も、早稲田や慶應のような有名私大の附属校に入った方が良いのではと迷っている。その傾向に対して、気持ちのいいくらいに明快に「それは違う」と答えていた。

むしろ、この世代というのは、国立大学へ非常に受かりやすくなる世代だと。ラッキー世代だとまでおっしゃる。「3年前の中学入試を思い出してください」と。3年前の中学入試といえば、大学入試改革が始まるから、大学附属校を選んだほうがイイということで、進学校へ行けば東大に楽々行けるような子が、ことごとく早稲田や慶應の附属校に流れた。この世代だけ、中高一貫校の優秀な子が集中する。

もう一つ、面白いデータが、「大学入試改革があると、浪人生が減る」というもの。当たり前か。2019年の大学入試を受けた現役生が、東大受験に失敗したとする。来年こそ捲土重来でリベンジを。ところが、2020年は、従来の入試とはまったく異なる新入試。不安すぎる。それなら、滑り止めで受かった慶應大で妥協しよう。後期で受かった東工大にしよう。そういう発想になる。2020年の大学入試は、浪人生が消える。

東大は4割、医学部は5割が浪人生だったりする。それだけの比率を占めていた浪人生が消えれば、代わりに受かるのは現役生だ。「これまでの入試改革の変遷から推測すると、2020年の大学入試は、東大が従来の1.5倍ぐらい合格しやすくなるのではないか。」とのこと。ただし、こうも付け加えた。「2021年には、元に戻りますよ。」と。

 

 新大学入試で力を発揮するのは、都立の自校作成校。特に日比谷、西、国立は大幅な実績アップが望めそう

 ほかに、21世紀型の教育を実施する私立中高一貫や、小石川などの都立中高一貫校の実績アップが確実

 実績の低下が必至なのは予備校型の中堅私立高校。もはや新入試には通用しなくなる

 大学附属校は、この世代だけ激戦で優秀な生徒が多い。希望学部への進学が激戦になりそう


「新入試で強そうな高校はどこ?」という話題に移ると、「皆さんが思ってるほど変わらないですよ(笑)」ということだった。つまり、開成や麻布、日比谷、灘、栄光、翠嵐、西といった名門校の数々は、急に落ちるなんてことはあり得ないと。

ただし、新入試を追い風にできそうな高校というのは何校かあるという。まず最初に挙がったのが、「日比谷、西、国立を筆頭とする都立の自校作成校。これらの学校は、新大学入試との相性が抜群。大学入試側が、都立の自校作成校に合わせたのではないかと思うほどです。」

センター試験に代わって実施される「大学入学共通テスト」は、記述問題を初めて3題ずつ出題するが、その形式は、なんと都立の自校作成問題とほとんど一緒。高校入試で自校作成問題向けの勉強をしていた生徒達が、そのまま3年後に、同様の形式のテストを受けることになる。

またここだけの話として、「大学側は本音として、一部の中高一貫校の合格者数を減らして、公立高校からの合格者数を増やしたい。AO入試や推薦入試の拡大も、都立の進学校には追い風に働きそうです」ということだ。確かに、日比谷が東大の推薦入試で全国最多合格校になるなど、都立トップ校の難関国立大の推薦入試の強さは目を見張るものがある。こういう動きもあるわけだ。

それから、「21世紀型教育の進学校も強いでしょうね。」とのこと。いくつかの高校募集のない私立中高一貫校の名前が挙がった。都立校では、国立大に50名合格を出したと話題の多摩科学技術高校が強そうだと。

逆に、首都圏に多い予備校型の私立高校の実績はかなり下がる恐れがあると。どういう学校かというと、特進クラスとかスーパー特進クラスとかいうような学力階層別でクラス編成を行うような典型的な中堅校。こういう学校は、多くは入試改革に対応できずに沈むでしょうと。

盲点としては、「中3生が大学附属校を希望する場合は、希望学部への進学の競争が激化する世代であることに注意したい」とのこと。

こんなこともおっしゃっていた。「この世代が、この後で就職活動世代になったとき、確実に「思考力重視の大学新入試世代」という括りでもてはやされるでしょう。その時、就職担当は、附属校出身か、新入試の恩恵を受けた進学校出身かを、今まで以上に学歴チェックするようになるでしょう。そういう点からしても、この世代は進学校へ行ったほうが、様々な恩恵を受けやすいと思います。」とも。視野が広い。

もちろん、「大学附属校も併せて内部の教育改革を進めていて、そのうちのいくつかは大変魅力的なプログラム。目的を明確にもって附属校を選択できるのであれば、附属校でもまったく問題はありません」との話があった。

さて、2018年に高校入試を迎える中3生の皆さんは、進学校か附属校か、どちらを選ぶのか。熟考して選択したい。

 


慶応義塾高校 2017年度入試日変更の影響は?

2016-10-19 02:06:00 | 日記

難関高校志望者が多く集まる駿台模試の志望者分布分析などによって、大方の2017年度の難関高校入試予想が固まってきた。駿台模試の分析によって、Z会進学教室、早稲田アカデミー、SAPIX、市進学院、駿台中学部といった主要大手塾に加えて、その他進学塾からの精鋭たちが、どういった高校を志望しているのかが俯瞰できる。

2017年度の高校受験生のために、6つのトピックスを紹介したい。

予想通り日比谷高校が大人気。過去最高学力レベルの生徒が大勢集結しそうで大激戦必至

学芸大学附属高校は完全に凋落傾向、筑波大学附属高校も下げ止まらず、国立離れが進行

開成高校は志望者数こそ多いが第二志望者の比率が年々高まる。日比谷にかなり蹴られそう

埼玉は進学実績好調の栄東高校が併願校として難関校志望者の人気を集めそう

渋谷幕張高校は、後期廃止で5科必須受験となり、受験者のレベルは高いが数は絞られそう

慶應義塾高校の入試日程変更の影響は大。早稲田実業は志望者減少で易化確実

東京に限れば、進学校志向の生徒は、完全に難関都立高校志向となった。開成と日比谷の合格者数首位の大手進学塾の先生が「選抜クラスは進学校系の第一志望は年々、都立トップ校が多くなり、第二志望に開成や国立を書く傾向にある。」と話していたので、どこも同じ状況だろう。

そういえば、あのSAPIXが、従来の難関国私立高校向けのイメージを払拭して、都立トップ校対策に相当力を入れているという記事を見た。中高一貫校ではない環境というだけでも人気が出るのに、あれだけの大学進学実績を出せば(しかも驚くべきは、全員が高校入試で入学した生徒の実績!)、進学校志向の受験生が集中するのも無理はない。

主役は東大53、国公立医学部36と無双の実績を残した日比谷高校。駿台模試の志望者偏差値分布を見るに、共学校としては別格的存在になってきた。端的にいえば、共学志向の傾向がある中3生は、開成や国立に合格十分な学力レベル(駿台模試でいうと偏差値65以上)だと、第一志望がことごとく日比谷か都立西。そして、第二志望とか第三志望の欄に、開成や国立を書いている。

この世代が大学入試を迎えるのは2019年度になるわけだが、その年には日比谷高校の進学実績が間違いなく全国を驚かせることになるだろう。開成高校は、中学入試では堅調なのだが……、やはり高校入試とでは受験生の志向が異なる。中学入試は親主導、高校入試は子供主導だ。

都立トップ校の台頭を直撃しているのが学芸大学附属高校で、巷を騒がすさまざまな学校のゴタゴタ(行事縮小や土曜授業強制への生徒の反発、いじめ問題への対処問題)もあってか、志望者が激減している。10月発売の『週刊東洋経済』の記事で「苦悩する東京学芸大学附属高」と特集記事が組まれてしまい、ますます負のイメージが強まってしまった。ここから抜け出すのは容易ではない。だが、独立行政法人化以降、とにかく学校運営資金が足りない。学校の運営は厳しさを増している。正念場だろう。

埼玉では、私学の中で頭一つ抜けた実績を出す栄東高校が、難関高校志望者の滑り止め校として選ばれて人気のようだ。駿台模試でも、上位志望は少ないが、抑えとして希望する生徒が多いことが数字に出ている。もっとも、東大や医学部はほとんどが中高一貫生で、高校入試組の実績は厳しい。この実績格差を見ると、高校入試者のみで構成される都立トップ校の実績がいかに異様であるか理解できよう。

千葉の注目校は、躍進著しい渋谷幕張高校だろう。こちらも中学入試主体の学校で、高校入試では、県内公立トップ校の県立千葉高校にかなり蹴られるが、募集人数は少ないので難易度はかなり高い。さて、2017年度入試では、3科の後期入試を廃止して、5科の前期入試に一本化。やはり高難易度のイメージが強まって、駿台模試の志望者数は減少。ただ難易度は変わらずにハイレベルだろう。

日比谷と共に、2017年度入試の台風の目となりそうな慶應義塾高校の入試日程変更。2月10日への変更によって、この日に実施する多くの難関私立高校入試に影響を与えそうだ。一番は多摩地区の早稲田実業。入試日程のバッティングによって併願は不可に。早慶附属志望の受験者は分散して、確実に難易度は下がりチャンスだ。早慶附属志望の家にとっては、併願作戦は頭を抱えることになりそう。ただ、チャンスと受け止めて、少しでも有利な入試日程を組んでほしいと思う。

早慶附属がダメだった場合、MARCHの附属校を第二志望群にする生徒は減った。MARCHは都立3番手校といわれる進学校でも、200も300も合格が出る。それなら、大学受験でMARCHを抑えに早慶上智や国公立大を狙った方が得だということが周知されたから。早慶附属がダメなら、戸山、青山、新宿、両国、立川、国分寺、八王子東といった学校でリベンジすればよいと考える受験生が増加傾向であることは、良いことだと思う。 


墨田川高校、偏差値が爆上げ!?

2015-09-03 02:23:36 | 日記

「爆上げ」なんという若者言葉(?)を使って表現してみたが、この言い方が的を射ている。墨田川高校の偏差値の伸びの勢いがすごいのだ。

手元には2000年以降のVもぎ、Wもぎの偏差値推移の資料があるが、ここ4~5年で一気に墨田川高校の都立3番手校レベルへの躍進が続いている。自校作成問題からグループ作成に移行した初年度こそ、受験生の不安から倍率が下がり落ち着いたものの、翌年には再び入学者レベルが伸びている。

今、都立高校偏差値ランキングで80%ライン(つまり、合格確実圏)を見ると、特進クラスで63、進学クラスで61の数字となる。今年度、都立3番手校のグループに初めて仲間入りした。近隣校でいうと、小松川高校、都立城東高校、竹早高校、北園高校あたりと同格になりつつあるということ。

大学進学実績もだいぶ復活してきた。2015年度の実績を残した世代は、現在の偏差値よりはだいぶ低い世代だが、それでも、国公立大、早慶上智、MARCHと近年の最高値を出している。言わずもがな、偏差値上昇世代が卒業する数年後には、一気に大学進学実績もレベルアップするだろう。

現在、墨田川高校を志望校に検討している受験生、保護者の方々は、墨田川高校の大学進学実績を発展途上のものとして捉えたい。現中3生が大学受験するころには、都立3番手校にふさわしい進学実績にまで上がっていることは間違いない。

 

面倒見の良さと充実の部活・行事! 保護者と生徒の両方の満足度が高い

生徒は制服をしっかり着こなし、髪を染めたりピアスをしたりするような生徒は皆無。バイトに明け暮れるような生徒もいない。墨田川高校はマジメな生徒が多い。努力型の生徒や、落ち着いた学校を希望する生徒にとっては墨田川高校が合っている。

部活動と行事の充実度は都内でも屈指だ。部活動から紹介しよう。文化部で最も有名なのは吹奏楽部。墨田川高校の吹奏楽部は都内有数の強豪として知られ、全国大会出場の常連。本気で全国を目指せる吹奏楽部を希望するなら、墨田川高校を希望しない手はない。

運動部で最も有名なのは水泳部。都立駒場高校と共に、都立でナンバー1の実力を持つ強豪だ。インターハイは連続で出場しており、全国大会で優勝する種目もある。

行事は体育祭が有名だ。そう、「有名」というからには、盛んというレベルではないのだ。今年はフジテレビで、墨田川高校の体育祭が取り上げられるほど、情熱がスゴイ。

墨田川高校の体育祭のやり方は独特だ。まずはチーム分け。「族」という言い方をする。「A族」とか「B族」とか……。1年次のこの分類が、クラス替えをしても3年間引き継がれる。この「族」による区分けで競っていく。最も有名な応援合戦は、「族」による見事な団結がみられる。テレビやツイッターなどでも大いに話題に。まさに青春だ。

一方で、大学進学への面倒見も非常にいいから、予備校に通わなくても大学受験は大丈夫。保護者から「サポート体制手厚い」「面倒見が良い」という声が多いのは、良い学校の証拠。生徒、保護者の両面から支持される学校というのは、必ず伸びる。

 

 


小金井北高校の進学実績が躍進中!

2015-08-16 00:15:12 | 日記

小金井北高校の難関大進学実績が伸びている!

小金井北高校といえば、多摩地区を代表する都立3番手校の人気校。言わずと知れたサンキタ(三北)の一つで、武蔵野北高校・調布北高校と共に在校生・卒業生からの評判が高い。

小金井北高校の評判の良さの背景に、難関大学への合格実績が伸びていることと無関係ではなさそうだ。国公立大学や早慶上智+MARCHの難関私大の合格実績は着実に伸び、2015年の合格者総数は150名を大きく超えた。着実に伸びていることから、小金井北高校の堅実な進路指導がうかがえる。

 

努力の結晶? 堅実でマジメな生徒が多い小金井北高校

 小金井北高校の校風は、良い意味でマジメで堅実。コツコツ努力型の生徒が多い。髪染めや制服を着崩す生徒もおらず、落ち着いた校風の中で充実した学校生活を送りたい生徒に向いた進学校だ。土曜日授業も復活させているおかげで、難関私大・国公立大を目指せるだけの授業時間を確保している。

補えない部分は、授業後や土曜日の補習講座に加えて、夏期講習・冬期講習を学校独自で実施している。参加者は延べ2200名以上。小金井北高校の全校生徒を踏まえると、1人平均3講座以上を受講している計算になる。他の進学校と比べても、学校がしっかりと面倒を見るシステムであることが分かる。

小金井北高校では、1年次から上位大学を意識した授業に加え、講習を無料で実施しているので、わざわざ早期から塾通いをする必要はない。

 

 

行事は盛り上がる小金井北高校! 剣道部が屈指の強豪校

小金井北高校の生徒は、良い意味でマジメな気質。「マジメなので行事は盛り上がらないのでは?」と思ったら正反対。マジメなので、みんな大事な行事では思いっきり熱くなって、青春するのだ。

小金井北高校の学校行事は生徒の自主が尊重されているから、アクティブに生徒主体で運営され盛り上がる。体育大会、合唱コンクール、桜樹祭(文化祭)の三大行事がその中心だ。

部活動も活発で、加入率は9割を超える(全国平均が7割弱)。剣道部が多摩地区有数の強豪校として有名。また、文芸部は連続で関東大会に出場している有名クラブだ。

小金井北高校の体育大会(体育祭ではない)、合唱コン、文化祭(桜樹祭)、校風は、良い意味でマジメで堅実。コツコツ努力型の生徒が多い。髪染めや制服を着崩す生徒もおらず、落ち着いた校風の中で充実した学校生活を送りたい生徒に向いた進学校だ。土曜日授業も復活させているおかげで、難関私大・国公立大を目指せるだけの授業時間を確保している。

 

 

新校舎で充実の学校環境! 偏差値上昇でさらに躍進へ!

小金井北高校は校舎改修が終わり、新校舎が完成。今入学する生徒は、ピカピカの最新設備の校舎で学ぶことができる。

 

Vもぎ・Wもぎによると、入学者の平均偏差値も年々に上昇している。入学者の学力が上がっているということは、良い学校である証拠。大学進学実績も今後間違いなく上昇していく。武蔵野北高校、調布北高校、日野台高校、町田高校などと共に、多摩地区を代表する都立3番手の進学校に成長するだろう。

多摩地区の都立3番手校は競争が激しい。特に、同じ小金井市に彗星の如く登場した多摩科学技術高校は、理系の難関大進学に特化した進学校として大成功を収めている。受験生にとっては、選択肢が増えありがたいことだ。志望校選択を見極めたい。