昨日は『歌舞伎フォーラム公演』舞台稽古。本来ならば、初日の会場である大阪国立文楽劇場で行うところですが、スケジュールや会場の都合もあり、東京、大森の『太田文化の森』の舞台を使ってのお稽古となりました。
午後四時から『櫓のお七』『景清』の舞踊二つ、そして『松王下屋敷』『歌舞伎の美/効果音』という予定でしたが、いやはや、いろいろと大変な一日となりました!
まず『櫓のお七』では、どうしても音響と役者のイキが合わない。誰の責任というわけではないのですが、歌舞伎独特の<間>を録音の音源で再現することの難しさ。芝居もしばしば中断し、確認とやり直しの繰り返し。この他大道具のダメも出ましたので、結構な時間がかかってしまいました。
それから私が大急ぎで化粧をし直し『景清』を開けましたが、ここでもトラブルが。実は小道具ではいて出る下駄の歯に、普段の歌舞伎ではまず付けない、滑り止めのゴムが付いていたのを、よくよく確認もせずにはいて出てしまったものですから、所作舞台に、ゴムの色が移ってしまったのです。途中で舞台監督が気がつき急遽中断。汚れを落として(幸いにも消しゴムを使って綺麗に落ちました)、下駄を普通のに取り替えて再開。<早ごしらえ>で舞台に上がったとたんにこの事態、緊張と焦りでどっと汗が…。とにかくなんとか踊り終えましたけれど、情けないことに<心>が全然入らず悔しい限りでした。細かいダメも沢山頂きましたが、これはもう、初日の舞台で解決できるように特訓あるのみです。
続いてさらになる<早ごしらえ>で御台所となり『松王下屋敷』。このへんで体力的には最低レベル。肩で息をしながら化粧するのは正直つらいところです。幕開きの一くさりでいったん引っ込み、幕切れ近くにまた登場するのですが、一回楽屋に戻ってから気が弛んでしまい、再登場のキッカケを逃して大慌て。共演の先輩方には御迷惑をかけてしまいました。また、このお芝居では子役が義太夫節に合わせて着替えるくだりがあるのですが、はじめて実際に着替えてみると、今までの義太夫の節の長さでは間に合わないことがわかり、しばらく中断して段取りあわせをしましたが、子役がはく袴にも、手直しが必要なこともわかったりと、結局結論を出すことができませんでした。
とりあえず一幕通してやったあと、今日の舞台稽古に出られない五人の子役(なにせ六人交代ですから)にも、居所合わせをしてもらうために、子役が動く場面だけもう五回小返し。結局これが終わった時点で午後九時半近く。今日の会場は、施設の決まりで午後十時完全撤収が義務付けられておりましたので、『歌舞伎の美/効果音』は<預かり>となり、お稽古は終了したというわけなのでございます。
いろいろとあった舞台稽古ですが、次はもう本番しかありません。今日大変だったぶん、かえって落ち着いて初日を迎えられればよいのですが。ひと月もの間、大役を勉強させていただけるので、日々少しずつでも成長していければと思います。
とりあえずは、『下駄をはいてもしっかり踊れる』ことを目指します!
午後四時から『櫓のお七』『景清』の舞踊二つ、そして『松王下屋敷』『歌舞伎の美/効果音』という予定でしたが、いやはや、いろいろと大変な一日となりました!
まず『櫓のお七』では、どうしても音響と役者のイキが合わない。誰の責任というわけではないのですが、歌舞伎独特の<間>を録音の音源で再現することの難しさ。芝居もしばしば中断し、確認とやり直しの繰り返し。この他大道具のダメも出ましたので、結構な時間がかかってしまいました。
それから私が大急ぎで化粧をし直し『景清』を開けましたが、ここでもトラブルが。実は小道具ではいて出る下駄の歯に、普段の歌舞伎ではまず付けない、滑り止めのゴムが付いていたのを、よくよく確認もせずにはいて出てしまったものですから、所作舞台に、ゴムの色が移ってしまったのです。途中で舞台監督が気がつき急遽中断。汚れを落として(幸いにも消しゴムを使って綺麗に落ちました)、下駄を普通のに取り替えて再開。<早ごしらえ>で舞台に上がったとたんにこの事態、緊張と焦りでどっと汗が…。とにかくなんとか踊り終えましたけれど、情けないことに<心>が全然入らず悔しい限りでした。細かいダメも沢山頂きましたが、これはもう、初日の舞台で解決できるように特訓あるのみです。
続いてさらになる<早ごしらえ>で御台所となり『松王下屋敷』。このへんで体力的には最低レベル。肩で息をしながら化粧するのは正直つらいところです。幕開きの一くさりでいったん引っ込み、幕切れ近くにまた登場するのですが、一回楽屋に戻ってから気が弛んでしまい、再登場のキッカケを逃して大慌て。共演の先輩方には御迷惑をかけてしまいました。また、このお芝居では子役が義太夫節に合わせて着替えるくだりがあるのですが、はじめて実際に着替えてみると、今までの義太夫の節の長さでは間に合わないことがわかり、しばらく中断して段取りあわせをしましたが、子役がはく袴にも、手直しが必要なこともわかったりと、結局結論を出すことができませんでした。
とりあえず一幕通してやったあと、今日の舞台稽古に出られない五人の子役(なにせ六人交代ですから)にも、居所合わせをしてもらうために、子役が動く場面だけもう五回小返し。結局これが終わった時点で午後九時半近く。今日の会場は、施設の決まりで午後十時完全撤収が義務付けられておりましたので、『歌舞伎の美/効果音』は<預かり>となり、お稽古は終了したというわけなのでございます。
いろいろとあった舞台稽古ですが、次はもう本番しかありません。今日大変だったぶん、かえって落ち着いて初日を迎えられればよいのですが。ひと月もの間、大役を勉強させていただけるので、日々少しずつでも成長していければと思います。
とりあえずは、『下駄をはいてもしっかり踊れる』ことを目指します!