Joyous Life Navi

ストレスのたまる毎日…ホント肩が凝りますよね。たわいない話でもして、張りつめた心の凝りをほぐしましょう。

<家族の祈り>

2010年08月29日 | 前向きな人生とは・・・
◆少し古いお話ですが、以前「平成の三四郎」と言われた柔道の古賀稔彦という選手がおられましたよね。(今もご健在だと思います) その古賀選手の一本背負いのキレ味は凄まじく、気づいたときには相手は宙を舞っていると言われ、実際に、全盛時の時は技を完成させるまでにわずか0.4秒だったそうです。すごいですよね。

 その古賀選手がソウルオリンピックの時 金メダルを期待されながら早々と敗退してしまい、その結果マスコミをはじめ周りの反応が以前とガラリと変わってしまったことに大変な心の衝撃を受けられたそうなんですね。ある時、その当時の辛かった心境についてこのように語っておられました。

『オリンピック後の私は、思いもかけない敗戦に大きなショックを感じひきこもりがちになってしまい、もう何もする気力を失いかけていました。そんな時、何気なくつけたテレビで「ソウルオリンピック総集編」が放映されていて、偶然私の負け試合が流れていたのです。見るともなくその映像を見つめていたのですが、その映像の最後に私が負けた後の両親の姿が映し出されていたのです。

それを見たとき、私はものすごいショックを受けました。私が負けた後、両親は観客席に向かって一生懸命に頭を下げていました。「皆さん、どうもすいません…」という気持ちからでしょう。何度も何度も周りの皆さんに必死に頭を下げている両親の姿を見た時に何とも言えない思いがこみ上げてきたのです。

それまでの私は「おれが始めた柔道。おれが練習して、強くなって、おれがオリンピックに行って、そしておれが負けたんだ」と、そんな気持ちになっていました。しかしこの両親の姿を見て「闘っていたのは自分ひとりじゃなかったんだ」ということを知ったのです。

家族や仲間、応援してくれた人たち…そういう人達がいてくれたからこそ自分はここまでこれたんだという気持ちが強く湧いてきました。そしてこの人たちに少しでも喜んでもらいたいと「次のオリンピックで絶対に金メダルを取って恩返しをするぞ」と強く決心することができたのです…』と、このように語っておられました。

 そして実際に古賀選手は、次のオリンピックで左膝を負傷ながらも痛み止めを打ちながら金メダルを手にされたのでした。

「人は何かに挑戦する時、不安やプレッシャーでどうすることも出来なくなってしまうことがあるんです。そんな時、家族や身近な人の思いや祈りが、きっと自分を前向きに突き進む強い心を持った人間に変身させてくれるんだと思います」と語っておられた言葉がとても心に残りました。

 どんな時でも決して自分ひとりではない。自分だけが苦しいんじゃないんだ。家族が、そして周りの人達が自分と一緒に悩みながら陰から共に祈ってくれている…このことを決して忘れないようにしたいものです。