”佐藤多一”

豊橋市のイベントなど

ひなたぼっこ

2013-03-14 17:59:47 | つれづれ草
日向(ひなた)ぼっこ

 縁側で、冬の柔らかい暖かな日差しを浴びて、居眠りをする。昔のおばあさんの姿が思い浮かばれます。
子どもの骨折は、30年間では2倍以上、10年間では約1.5倍に増加しています。原因は、様々ですがカルシウムやビタミンDの不足により、骨が弱く、脆くなっているという指摘や、運動不足による体力不足や反射神経が鈍くなっている、という原因が挙げられています。魚より肉を食べるなどの食生活の変化により、カルシウムも不足がちですが、特に日光に当たらなくなったことによるビタミンDの不足が原因であると思われます。ビタミンDは、カルシウムやリンの吸収を良くし、骨や歯への沈着を助けます。また、血中カルシウム濃度を一定に保つ働きがあります。ビタミンDは、人の場合、食物から5割、太陽光(紫外線)を浴びることで、5割を賄っていると考えられています。食物中に含まれるビタミンDは、魚介類に多く含まれ、魚を食べなくなった現代では、食物の割合が低くなっていると考えられています。ビタミンD が不足すると骨は骨軟化症という、骨粗鬆症よりひどい状態になってしまいます。また、ビタミンD不足になると、筋力、特に下肢の筋力が衰え、転倒しやすくなることも明らかになっています。骨折の原因であります。

 豊橋動植物公園のゾウの赤ちゃん「マーラ」が骨折しました。アフリカやインドなどで生息するゾウは、一年中、強い日差しの中で紫外線を浴びて暮らしています。生まれて1年ほどで、4倍の体重に成長するゾウは、体重を支える足の骨の成長が欠かせません。日本では、冬場において日光の照射時間が少なく、おもに屋内で飼育されているゾウは、紫外線に触れることが少なくなり、ビタミンDが不足して、骨折に至ったものと思われます。

 最近の子どもたちは、外で遊ぶことが少なくなり、外出も車に乗ることが多く、冬は特に日に当たることが少なくなっています。紫外線による皮膚でのビタミンDの生成が、不足しているものと思われます。地上に降り注ぐ紫外線はA波とB波の2種類があります。波長の短いB波はエネルギーが強いため細胞を傷つけ皮膚がんの原因になります。可視光線に近いA波は肌を黒くする日焼けを起こしますが、あまり皮膚がんの原因とはなりません。B波は、ガラスで遮られますが、A波は、60%程度が通り抜けます。ビタミンDを補うには、20~30分程度外で太陽に当たるか、室内で1時間程度、ひなたぼっこするのが良いでしょう。