”佐藤多一”

豊橋市のイベントなど

故郷

2010-07-31 21:51:14 | つれづれ草
 以前飼っていた犬の夢を見た。犬を飼っていたのは今住んでいる家ですが、夢に出てきた家は、子供のころから住んでいた昔の家であります。夢の中に出てくる家は、必ず子供のころの家であります。

 死刑囚が処刑前夜に見た汽車で故郷に帰る夢をもとに歌ができた。
汽車から降りたら小さな駅で、迎えてくれるママとパパ♪~思い出のグリーングラス(green, green grass of home.)の1節です。
「小さな駅」は日本の詩で、原曲は、故郷の駅に降りたら、昔と同じで、パパとママが迎えてくれた。道を下ると金髪のサクランボのような口をしたメアリーが駆け寄ってきた。緑の芝生の家に触れて(戻れて)うれしい。故郷の皆が私に会いに来てくれ、微笑んで、手を伸ばしてくれる。といった内容であります。死刑を前に忘れることのできない故郷への想いが伝わります。

 うさぎ追いしかの山、小鮒(こぶな)釣りしかの川、夢は今もめぐりて、忘れがたき故郷(ふるさと)、如何(いか)にいます父母、恙(つつが)なしや友がき、雨に風につけても、思ひ出(い)づる故郷、文部省唱歌「故郷」の詩です。アメリカでも日本でも遠くはなれて見る夢、年老いてみる夢、子供のころ過ごしたふるさとの夢であります。野、川、家、父母、友、夢のなかで鮮明によみがえります。

 豊橋生まれの豊橋育ち、数年豊橋を離れただけで、「ふるさと」という特別の思いありません。ただ一つ忘れがたいものは、夢に出てくる子供のころの家と当時の情景であります。生まれた家は30歳まで住んでいて、今の家に変わりました。場所も200m位しか離れていません。遠く離れているわけではありませんが、私の心の故郷は、子供のころ住んでいた昔の家です。

虫の知らせ

2010-07-25 21:27:36 | つれづれ草
虫の知らせ

 樹齢50年以上のつつじが、丸坊主になった。この30年間でも最もひどい。毎年、梅やつつじに毛虫はつくが、梅はひどくなるが、つつじはあまりひどくならない。なぜかと考えていると今度は、ヤマモモの木にイラガ(毛虫の一種)が発生した。根元は種を撒いたように一面丸い粒で覆われている。イラガの糞である。四六時中葉っぱを食べている。すごい食欲だ。こんな食べ方をしているとやがて食糧危機が来る。と思いながら眺めているとアシナガバチが飛んできた。

 アシナガバチは、毛虫などを食べるハチで、草木につく害虫を捕食してくれる益虫であります。新芽が出ると害虫が卵から孵化して、草木の葉を食べ始めます。害虫が成長しはじめるとアシナガバチが飛んできて、害虫を捕食する。自然の中の食物連鎖であります。梅の木では若芽の頃に害虫が発生して、新芽を食べつくしてしまい害虫は自滅してしまいます。なぜ、今年はつつじの木が丸坊主になったのか。アシナガバチの飛来が遅く、数も少ないように思えます。

 昨年10月8日、台風18号が愛知県に上陸しました。瞬間最大風速60m、トレーラーも横転するほどの強い風が吹きました。軒下や木の枝にぶら下がるアシナガバチの巣も吹き飛ばされてしまったものと思われます。今年の春~夏にかけてアシナガバチが少なくなった原因であるかと思います。

 「ありの宮参り(木などに登ること)雨の兆し」ということわざがあります。枯葉や石の下などに巣を作るありは、長雨や大雨の前に卵を抱えて、高い所に移動します。「ハチが低い所に巣を作ると台風が来る」という言い伝えも有ります。昨年の台風は、はちにも予知できない季節外れの大型台風であったのでしょう。ありやハチなどの昆虫は、自然と共存するため予知能力を備えているものと思われ、虫の予知(ありの知恵参照)による「虫の知らせ」も大気や気象の状態を読み取る確かな手段であります。


夕立

2010-07-24 17:46:00 | つれづれ草
夕立

 最近、めっきり夕立が少なくなりました。子供のころ、外で遊んでいると突然あたりが暗くなり、雷がなって激しい雨が降り、ずぶぬれになった記憶が残ります。一昔前までは、夏になると激しい雨を降らせる入道雲(積乱雲)をほとんど毎日のように見かけましたが、最近はほとんど見かけなくなりました。夏、気温があがると空気が暖められて上昇し、湿気を含んだ空気が上空で冷やされて水滴となり、積乱雲のような雲ができると子供のころ理科の授業で習いました。

 日本では夏の昼間、海洋から海風が吹きます。海からの風が水蒸気を運んできて山に当たり、山沿いに上昇気流が発生します。森林を抜けて上昇した気流が冷やされて、水蒸気が水滴となり、積乱雲が発生し、午後になってにわか雨を降らせていたものと思われます。しかし最近の夏は、少し状況が変わってきたようであります。

 熱帯雨林では、水分を多く含んだ土壌や樹木から蒸発した大量の水蒸気が上昇し、上空で冷やされて、ほとんど毎日のようにスコールとなります。森林の保水力によって、森の中で水の循環が行われています。以前の日本の森林では、梅雨期に降った多量の雨が、夏の間下草や厚い腐葉土層によって十分に蓄えられていました。この森から蒸発する水蒸気と海から運ばれてくる水蒸気が合わさって、積乱雲ができていたものと思われます。最近の森は間伐などの手入れがされず、樹木が密となり、日光が地表まで差し込まず下草などは育たなくなっています。雨は直接地肌を流れ、腐葉土層は流されしまい地肌が露出してきています。雨が降ると一気に水が流れ出し、短時間に川が増水します。

 森の保水力は失はれ、山は乾燥してきているといえます。森林からの水分の蒸発が少なくなり、海からの風だけでは、あまり積乱雲はできず、したがって昔のような夕立は少なくなってしまったものと思われます。森林の水の循環をもとに戻さないと、乾燥が進みやがて木は立ち枯れしてしまい、山は徐々に砂漠化してしまうことになりかねません。

スープとみそ汁

2010-07-22 21:50:59 | つれづれ草
スープとみそ汁
 
 西洋料理では、最初「食前」にスープが出ます。しばらくしてからメインの料理が出てきます。日本人的感覚では、スープが出された後、メイン料理が運ばれるまでの「間」が長く感じられます。日本人は元来、食に関してはせっかちであると思いますが、そうした食習慣の違いだけでは片付けられない別の意味が含まれていると思います。日本では、昔から四足の動物ほとんど食さず、魚も脂肪の多いものは捨てられていました。今では高価なマグロのトロなどの部分も以前はほとんど食べられていませんでした。日本の料理は一般的に中華料理や西洋料理と比べるとあっさりした料理であるといえます。反面、西洋料理は、肉料理がメインになることが多く、煮込み料理もありますが、肉をただ焼いただけで食べることが少なくありません。
 
 人はもともと菜食「木の実や穀物」であり、次第に肉食に適応してきました。特に白人の先祖は狩猟民族や遊牧民であり、いち早く肉食を取りいれた民族であります。肉や脂肪は消化吸収が遅く、食べ過ぎると胃にもたれてしまいます。胃自身も突然消化の悪いものを食べられたのではたまりません。胃に「今から食事ですよ」と準備をさせるため最初にスープが飲まれるようになったものと思います。野菜などを煮込んだスープには、野菜から煮出されたミネラル(水耕の気)が多く含まれています。煮立てたスープの水は、クラスター(塊)の小さな浸透しやすい水であります。スープの中の「気」は、速やかに吸収され、胃が元気になります。胃の働きがよくなり、胃にもたれなくなります。

 日本の家庭では、朝味噌汁を飲みます。味噌汁は具も野菜が中心であり、野菜や味噌から溶け出したミネラル「気」が多く含まれており、吸収されやすいスープと同じ効果があると思います。速やかに吸収され寝起きの鈍った体に「気」を取り入れることになります。朝の味噌汁は、日本人の元気の源であり、日本のほとんどの地域で飲まれてきました。また日本各地の郷土料理には、じゃっぱ汁とか石狩鍋、芋煮など汁や鍋、煮など煮汁ごと食べる料理が多く受け継がれてきています。これも厳しい農漁村の仕事に耐えられる「気」を体に取り入れるための料理であったと思います。

 最近は、根気がなく、元気もない子どもが増えています。原因は食にあると思います。もともと必須ミネラルの不足がちな子どもが、朝食も取らず、味噌汁を飲まなくては「気」が入るわけがありません。当然、元気も出ませんし根気もなくなってしまいます。子どもの英気を養うためには、朝、味噌汁かスープを飲み、「気の元」を取り入れることが必要であると思います。野菜も水耕栽培の野菜ではなく、大地に根を張り「大地の気」を吸収した地場産の露地野菜の方がミネラル・ビタミンの含有量が多く、効果も高いと思います。