“目には青葉山ほととぎす初鰹”山口素堂の句で正しくは「目には青葉山郭公初松魚」と書く。初夏は新芽の若葉が青く目に優しい。薫風が若葉の香りをただよわせ心地よい。風に誘われて聞こえてくるホトトギスの鳴き声、「特許許可局」とも「テッペンカケタカ」とも聞こえてくる。盛岡の方では「包丁欠けた」と聞こえるらしい。
ホトトギスはカッコウ目・カッコウ科に分類される鳥類で、時鳥、杜鵑、不如帰、霍公鳥、田鵑などの漢字で表記される。南アジアで越冬し、日本に繁殖のためにやってくる夏鳥で、5月下旬に渡来する。丁度、田植えの頃で「田植えをしなよと鳴く」、時を告げる「時鳥」という表現が使われています。ホトトギスなどカッコウの仲間は、自分で巣を作らずに託卵(ほかの鳥に卵を預ける)して雛を育ててもらいます。ホトトギスが託卵する鳥は、ほとんどがウグイスで、ウグイスの親鳥が巣から離れたすきに卵を産みつけます。ウグイスは自分の倍くらいの大きさになる雛を育てることになります。ホトトギスが雛の頃に聞いた育ての親のウグイスの鳴き声をまねて、「キョキャキョク」と鳴いているのかは定かではありません。
鰹はスズキ目サバ科スマ属に属する回遊魚で、南の海で生まれ、海流にのって北上しますがルートは2つあり、フィリピン、台湾、南西諸島を経て黒潮に乗って日本列島の太平洋岸に現れるルートとミクロネシア付近から小笠原海流にのって小笠原諸島、伊豆諸島とまっすぐに北上し、関東沖から三陸沖へと向かうルートがあります。黒潮系は九州南部に近づくのが二月中旬、四国沖が3月中旬、紀伊半島が4月、伊豆・房総沖が5月と北上を続け、7~8月には三陸沖まで進み、9月に北海道南部に達して水温が低下すると,Uターンして南の海に帰っていきます。四国沖から鰯を追って北上し、紀伊半島沖から駿河湾にかけて鰯を食べて成長し、関東沖に現れる5月頃に取れた鰹が山口素堂の句に詠まれている初鰹であります。9月になって戻ってくる鰹が脂の乗った「戻り鰹」です。江戸時代(元禄から天明くらい)には初鰹志向が過熱し、異常に高値となった時期がありました。今で言うグルメ志向、江戸の「粋」の観念によるものと思われ、「女房を質に入れても初鰹」と川柳に詠まれています。
五感のうち青葉によって視覚が、ホトトギスによって聴覚が、風によって嗅覚が癒されますが、味覚だけは今も昔もお金がかかったようであります。
ホトトギスはカッコウ目・カッコウ科に分類される鳥類で、時鳥、杜鵑、不如帰、霍公鳥、田鵑などの漢字で表記される。南アジアで越冬し、日本に繁殖のためにやってくる夏鳥で、5月下旬に渡来する。丁度、田植えの頃で「田植えをしなよと鳴く」、時を告げる「時鳥」という表現が使われています。ホトトギスなどカッコウの仲間は、自分で巣を作らずに託卵(ほかの鳥に卵を預ける)して雛を育ててもらいます。ホトトギスが託卵する鳥は、ほとんどがウグイスで、ウグイスの親鳥が巣から離れたすきに卵を産みつけます。ウグイスは自分の倍くらいの大きさになる雛を育てることになります。ホトトギスが雛の頃に聞いた育ての親のウグイスの鳴き声をまねて、「キョキャキョク」と鳴いているのかは定かではありません。
鰹はスズキ目サバ科スマ属に属する回遊魚で、南の海で生まれ、海流にのって北上しますがルートは2つあり、フィリピン、台湾、南西諸島を経て黒潮に乗って日本列島の太平洋岸に現れるルートとミクロネシア付近から小笠原海流にのって小笠原諸島、伊豆諸島とまっすぐに北上し、関東沖から三陸沖へと向かうルートがあります。黒潮系は九州南部に近づくのが二月中旬、四国沖が3月中旬、紀伊半島が4月、伊豆・房総沖が5月と北上を続け、7~8月には三陸沖まで進み、9月に北海道南部に達して水温が低下すると,Uターンして南の海に帰っていきます。四国沖から鰯を追って北上し、紀伊半島沖から駿河湾にかけて鰯を食べて成長し、関東沖に現れる5月頃に取れた鰹が山口素堂の句に詠まれている初鰹であります。9月になって戻ってくる鰹が脂の乗った「戻り鰹」です。江戸時代(元禄から天明くらい)には初鰹志向が過熱し、異常に高値となった時期がありました。今で言うグルメ志向、江戸の「粋」の観念によるものと思われ、「女房を質に入れても初鰹」と川柳に詠まれています。
五感のうち青葉によって視覚が、ホトトギスによって聴覚が、風によって嗅覚が癒されますが、味覚だけは今も昔もお金がかかったようであります。