「空気」に異議あり!

世の中の「空気」のいくつかを相対化していきます。初めての方は、左下の「カテゴリー」の「注意事項」をご覧ください。

SMAP解散・謝罪会見報道。「メディアは権力側」

2016-01-24 | マスコミと空気
ここ2週間ほど、スポーツ紙と週刊誌は連日トップ扱いで、さらにNHKや報道ステーションなどの報道メディアさえも、SMAP解散危機報道、さらにその後の謝罪会見について報じました。

一般国民、視聴者に特に何の被害もないのに、なぜ公共の電波を通じて謝罪させられたのか、しかもその内容は視聴者への謝罪というよりも、所属事務所のジャニーズ事務所への謝罪が中心で、ますますテレビで謝罪させられること自体が疑問です。

そもそも謝罪する主体がどうしてタレントであるSMAPなのか。
芸能事務所にとってタレントは「商品」です。かつて雪印が謝罪した際で言えば、「牛乳やアイスクリームが謝罪する」ようなものです。これは明らかにおかしい。企業の利益のためにも一番大切なのは商品イメージです。

本来ならば、企業の経営陣が謝罪しなければおかしいのです。今回であれば、週刊誌で散々発言しているメリー喜多川副社長と、会社の責任者であるジャニー喜多川社長の2人は最低限、会見に出る義務があります。
(商品でなく社員であっても同じで、一社員でなく経営陣が謝罪しなければならない。責任を取るからこその責任者なのです)。

以前、北野誠というタレントが、バーニング事務所に謝罪会見をさせられましたが、その時も、視聴者への謝罪ではなく、バーニングの周防社長への謝罪なのに、なぜか直接ではなく、テレビの電波を通じて謝罪させられた。今回のSMAPの件も含め、まさに日本の芸能界の会社の無責任さ、非常識な実態が明らかになっています。


<日本のメディアは権力側>

そしてこの謝罪会見以上に疑問なのは、日本のマスメディアの報道姿勢です。
2chに毛が生えたようなメディアもどきは別にして、ある程度の規模と社会的地位のあるメディア全てが、本来謝罪すべきジャニーズ事務所を一切批判していないのです。

マスメディアはいつも、
「権力批判がメディアの使命。だからこそ報道の自由は尊重されるべき。」
と主張していますが、それが全くの大ウソであることが今回あらためて証明されました。

叩きやすい相手あれば、24時間張り込んで自殺するまででも徹底的に追い詰めるメディアが今回、ジャニーズ事務所の経営陣を全く批判せず、それどころか、経営陣の意図をそのまま記事にし続ける始末。
日本のメディアにジャーナリズムがなく、「権力の御用組織」であることがあらためて証明されました。

要は、日本のマスメディアというのは、「権力」ではなく「叩きやすいもの」を叩いているに過ぎない。
日本の学校で数多くの自殺者を出している「いじめ」問題と根は同じで、日本のマスメディアは「いじめっ子の見本」と言えます。
ここから分かるのは、

「日本のメディアが叩いていないものにこそ、真の巨悪は存在する」

ということです。逆に言えば、

「日本のメディアがしきりに叩いているものは、真の権力でも巨悪でもない」

ということです。
そういう目で、メディアの報道を見ていく、メディアリテラシーが必要です。


<日本のメディアの捏造癖>

さらに、日本のメディアによる「捏造癖」も明らかになりました。

松本人志 SMAP中居に「木村に謝れ」報道に怒り「100%ウソ!」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160120-00000097-dal-ent

松本本人が全く言っていなくても、「言った」と、堂々と捏造報道した訳です。
これも日本のマスメディアの常套手段で、自分達の持って行きたい方向に持って行くために、細かい捏造を積み重ねて、情報操作、印象操作をしている訳です。

この辺も我々国民は、普段からマスメディアの報道を見る際に、常に意識しておく必要があります。


<どうでもいいこと?>

さて、政治外交などに関心のある人の中には、SMAPの解散・謝罪報道を取り扱うだけでも「どうでもいいことを取り扱うべきではない」と言う人も多いでしょう。
しかしSMAPは2009年、民主党政権誕生直前に、このようなメッセージを出しています。

SMAPの選挙メッセージ
http://blog.goo.ne.jp/taichi200707/e/6c694f38e1ac6cb32f5af6a477a785b5

「みんな、いいときはいいんです。
でも、うまくいかなくなると、誰かのせいにしたくなる。」

「よく考えてみると、だから、景気のいいときの首相はいまだに人気があって、
悪いときの首相は人気がイマイチ、なのかもしれません。」

「自分たちで選んだ人なのですから、ちょっと大目に見て、
応援することも必要なのかな、とも思うんです。」


メディア権力に追随しないと生きていけない日本の芸能人の中で、このように、当時メディア権力によるバッシングの嵐だった麻生自民党総理を擁護するような、どちらかと言うとやや自民党寄りなメッセージを発した有名人は極めて稀です。
このメッセージが、5人のうち誰の主導なのか、あるいは事務所の主導なのかは分かりません(事務所の主導だった場合、それがメリー喜多川系なのか、飯島マネージャー系なのかも)。
ただこのコメントの反響が大きかったために、事務所は、

「特定の政党を支持したり意識したりしているものではない。」

と釈明しています。つまり、SMAPが自民党寄りだと思われたら困る、ということでしょう。そういう釈明が必要なコメントを、当時30代の、しかもアイドル系の有名人が発言するのは極めて稀です。


またSMAPの謝罪会見は、日本のブラック労働環境の象徴でもあるという指摘もあります。
丁度同じ日に、首都圏が大雪に見舞われて電車が止まり、真冬に通勤客が危険なほど駅に溢れかえる事態が起こり、そのような状況でも会社を休めない日本のブラック労働環境があらためて注目され、SMAPの会見もそれとリンクするような話題でした。


そもそも、何の話題が「重要」で何の話題が「どうでもいい」かを、少数者の立場で決めようとすることに疑問があります。

伊勢谷友介、過熱するSMAP報道に「あほくさ」
http://www.cinematoday.jp/page/N0079778

太田、安倍首相がコメントしたことに触れ、「何やってんだよって話じゃない。バカだよなぁ」とコメント
http://www.nikkansports.com/entertainment/news/1594560.html


「どうでもいいことを大げさに扱って、大事なことを隠そうとする」
というのは、むしろここでコメントしている伊勢谷や太田の方こそ、チベットやウイグルでのナチスばりの人権弾圧や拉致問題などを隠蔽し、どうでもいい安保法案を大げさに騒ぎ立てている点で該当しています。自分達のやっていることを鏡で見て見ろ、ということです。

さらに太田光は、予算委員会でわざわざSMAP関連の質問をした民主党の斎藤ではなく、無理矢理答えさせられた側の安倍総理のことをやり玉に挙げているなど、まさに好き嫌いの感情に流されて完全に的外れな悪口を言うという馬鹿を晒しています。

太田はさらに的外れな発言を続けています。

爆問・太田、生謝罪に対する"さらし者""かわいそう"批判は「SMAPに失礼」
http://news.mynavi.jp/news/2016/01/24/053/

会見が可哀想だという声は、あくまで事務所を批判したものであって、太田の発言は100%的外れです。そこに触れるのであれば事務所批判に触れざるを得ないところ、太田は事務所批判から逃げています。まさに「権力の犬」です。


<メディアリテラシー>

マスメディアにしろ、太田光にしろ、あたかも「反権力」であるかのように装っている者こそが、実は「本当の権力の犬」であることが、今回の件でもあらためて証明されることになりました。

我々はマスメディアや言論人の発言を聞く際、その点を常に意識しておく必要があります。
それこそが、「メディアリテラシー」です。


日本以外の先進国の国民は、このメディアリテラシーを学校他で学ぶなどして常に意識しているから、日本のようにマスメディアが最高権力として国民を支配するような事態は起こりません。

日本人もそういう「世界標準」を学ぶべきです。


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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
弱者に惨い仕打ちをする、やりたい放題のメディア (かず)
2016-01-24 22:13:21
>そもそも謝罪する主体がどうしてタレントであるSMAPなのか。
>叩きやすい相手あれば、24時間張り込んで自殺するまででも徹底的に追い詰めるメディア

狂気に満ちた公開処刑ですね。日本のメディアは常に悪辣な権力者のいいなりになって、比較的弱い立場の人間を吊し上げています。

>松本本人が全く言っていなくても、「言った」と、堂々と捏造報道した訳です。
>これも日本のマスメディアの常套手段で、自分達の持って行きたい方向に持って行くために、細かい捏造を積み重ねて、情報操作、印象操作をしている訳です。

女性セブンの発行元である小学館は一応ネットに謝罪文を掲載したそうですが、本来なら、本人に直接謝罪すべきなのではないでしょうか。スケジュールが合わずに直接謝罪する事が出来なかったとか、本人が謝罪を拒否したというのなら別ですが。

そう言えば、講談社が発行する週刊現代が、安倍首相が吐血したと報道した事に対し、安倍首相らが事実無根だと抗議した事がありましたが、これに対して講談社側は全く謝罪していませんね。
芸能界のみならずメディア業界に対しても影響力を持つ吉本に所属し、その上芸能界や放送業界でそれなりの地位を有する松本とは違い、相手は総理大臣で、尚且つ、吐血していない事を証明しようにも極めて困難である事をいい事に、首相陣営が謝罪を要求しても、「日本の実質的な最高権力者による不当な言論弾圧だ!」と騒ぎ立てれば、相手を黙らせる事が出来るだろうし、週刊現代が注目を浴びて売り上げもアップし、支持者も集まるだろうから、一石二鳥どころか一石三鳥だと高を括っているのかも知れません。

>太田は事務所批判から逃げています。まさに「権力の犬」です。
>太田光にしろ、あたかも「反権力」であるかのように装っている者こそが、実は「本当の権力の犬」

芸能界、メディア業界、レイシスト、外国権力のお先棒を担ぐこの男や、この男の同類は人間の屑ですね。

>日本以外の先進国の国民は、このメディアリテラシーを学校他で学ぶなどして常に意識しているから、日本のようにマスメディアが最高権力として国民を支配するような事態は起こりません。
>日本人もそういう「世界標準」を学ぶべきです。

いい加減、日本人は奴隷根性を捨て去り、自分の頭で考えて行動する人間にならなければなりません。
返信する
>かずさん (太一)
2016-01-25 20:01:36
>日本のメディアは常に悪辣な権力者のいいなりになって、比較的弱い立場の人間を吊し上げています。

同感です。

「悪辣な権力者」と言うと、一般には日本政府のことだと勘違いする人が多いでしょうが、そうではなく、実際は外国の国家権力、そして、日本の学会や司法、メディア自身でもあります。

>講談社が発行する週刊現代が、安倍首相が吐血したと報道した事に対し、安倍首相らが事実無根だと抗議した事がありましたが、これに対して講談社側は全く謝罪していませんね。

「安倍総理相手なら何を言ってもいい。法を犯してもいい。」という、まさに「いじめ」の見本を示しています。

>いい加減、日本人は奴隷根性を捨て去り、自分の頭で考えて行動する人間にならなければなりません。

前に記事で指摘しましたが、アメリカでメディアリテラシーを説いていたのは、左翼でした。しかもちゃんと、「私にもバイアスがあります」と言っていた。

たった数か月で、そういう左翼に会った訳です。日本で何十年生きていても1人もそういう左翼に会ったことがないのに。

そういう都合の悪いことは全て隠蔽する日本の左翼は極めて悪辣、まともな左翼が存在しないことがよく分かりますね。
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訂正 (かず)
2016-01-25 20:50:19
吐血報道が週刊文春で、日韓首脳会談の際、ろれつが回らなかったと書いたのが週刊現代です。

週刊文春の“吐血”報道に首相の事務所が抗議
http://www.sankei.com/politics/news/150820/plt1508200034-n1.html
「週刊現代」に安倍事務所が抗議文 日韓首脳会談で「体調に異変」と報じる
http://www.sankei.com/politics/news/151109/plt1511090016-n1.html

レイシズムメディアは総理大臣を含む閣僚相手なら、平気で集団リンチを繰り返します。

>たった数か月で、そういう左翼に会った訳です。日本で何十年生きていても1人もそういう左翼に会ったことがないのに。
>そういう都合の悪いことは全て隠蔽する日本の左翼は極めて悪辣、まともな左翼が存在しないことがよく分かりますね。

日本の左翼(リベラル)には、人間の屑と化したレイシストしか存在しないのは何故なんですかね。
「寄らば大樹の陰」「長い物には巻かれろ」という諺通りの性質など、日本人の民族性のマイナス面が大きく関係しているとしか思えません。
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