「旅の坊主」の道中記:常葉大学社会環境学部・小村隆史の防災・危機管理ブログ

日本唯一の防災学部はなくなっても、DIGと防災・危機管理を伝える旅は今日も続いています。

新潟県魚沼市での防災士フォローアップ研修に思う(その2)

2014-10-08 22:46:07 | 地域防災
言い忘れていた10月5日(日)の出来事の続き。

魚沼市での防災士フォローアップ研修の後、ふりかえりの会を行う。

当初はスタッフのみで、と思っていたが、
「延長戦となるが、ざっくばらんな話をしたい&聞きたい方、
関心ある方は、30分ほど残ってもらえると嬉しい」と参加者に言ったところ、
11名が参加して下さった。

気づいたら1時間20分近く。
ノートに残っている発言内容を読み直すだけでも、どれほど真剣だったかがよくわかる。
こういう方々こそ「地侍」と呼ぶに相応しい、と思う。

防災士の資格はとったが、そこから先、行政はまた防災士はどうするか、
というのは、良く聞く話。

その点について考える前提として、
「防災士の養成プログラムは基礎教養講座」というのを、
関係者の共通認識にする必要がある。
たまにそのレベルを超えて活動できる人もいるが、
それは養成プログラムの成果ではなく、
その人がもとから動ける人だったというだけの話。

で、そのことを踏まえた上で……。

当て職で防災士の資格を取った(取らされた)人もいるようで、またそれゆえ、
「取ったんだったら、集落の次の集まりで何かを話せ」という集落の長からの依頼もあるとか。

ただ、そういう時向けの「15分で起承転結をつけられる小ネタ集」を日本防災士会が提供している、
とかいう話は聞いたことがない。
それゆえ、そのような「注文」に応えられる小ネタ集15分モノの作成などは、
求められることなのだろうと思う。

理想通りに機能するならばの話であるが、
自治体が養成した防災士は、地域の人々と行政との橋渡し役になれるはず。
でも、そういう方向での意識付けがなされているようには思われない。
また、防災士の資格をとったところで、
それだけで中学生向けDIGのファシリテーターが務まるはずもない。
まち歩きの指導が出来るとも思えない。

まぁ、まずは行政の防災担当職員と飲み会を企画して、その場で、
「私達は防災士の資格を取ったけれど、ぶっちゃけ、これから何をすればよいの?」と、
酒の場で議論すること。また、その酒の場の議論を通じて、
行政職員と住民とが顔と名前を覚え携帯番号&アドレスを交換しておくこと。

最初にやるべきはその辺りだろう。
そして、そういう集まりを四半期に一度くらい定期的に持てるようになれば、
それだけでも最初の大きな成果と呼べるのでは?


1 コメント

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防災士のフォローアップ (某担当者)
2015-12-05 07:53:30
>もともとその人が動ける人だったというだけの話…
おっしゃるとおりです。
2日程度の講習を受けたからと言って何かできるとは思えません。
「もっと防災士を活用しろ。」言うのは簡単だが、どうやって活用できるレベルに持って行くかが課題。我々自治体職員のビジョンと力量も問われます。
>人前で何か話せと言われる…
こう言ってくれる人がいるだけ、各人が勉強しなければという気になるだけまだましかも知れません。
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