「旅の坊主」の道中記:常葉大学社会環境学部・小村隆史の防災・危機管理ブログ

日本唯一の防災学部はなくなっても、DIGと防災・危機管理を伝える旅は今日も続いています。

高松~徳島~高松

2005-11-20 23:29:35 | Weblog
 11月20日(日)

 どこかで聞いて、一度は行ってみたいと思っていた高松駅構内の
うどん屋で「おろしのぶっかけ」をかきこんだ後「うずしお5号」で
徳島へ。ちなみに高松・徳島間、往復割引のSきっぷは有効期間
4日で4,900円。前日までに買えば日帰り往復切符が2,600円。
 この価格設定はわかるようでわからないようで……。

 自由席はがらがらだったが、ゆうゆうアンパンマンルームなる特別
車両が連結されていて、それは子供たちで一杯。話には聞いていたが、
こんなに人気があるとは知らなかった。手ごろなお楽しみ施設なのだ
なぁと知る。ついでに言えば、検印もアンパンマンで、車内放送も
アンパンマンだった。
 陽光の中、うとうとしつつ1時間余の気動車特急の旅。

 徳島駅構内のホテルの喫茶室で、徳島市消防局のMさんと数年
ぶりの再会。来年2月最初の週末、徳島県消防長会の主催で消防
職員向けにDIGのファシリテーターセミナーを行なうことになり、その
件で短いながらも気合の入った打ち合わせ。次の訪問が楽しみ。

 徳島滞在1時間半。「うずしお14号」の乗客となり高松へ戻る。今度は
普通の車両だった。陽射しにさそわれ、駅前の「高松シンボルタワー」の
展望室へ。高松港や高松市街、瀬戸内海、屋島等が眼下に広がる。
レストランでサンドイッチとビールの少し遅い昼食。

 ゆっくりとした、でも充実した、久しぶりのオフ。

 ホテルに戻ってパソコンに向かい、たまりにたまったメールを処理。

                                  (11月22日記す)

富士~静岡~羽田~高松

2005-11-19 23:33:47 | Weblog
 11月19日(土)

 恥ずかしながら、2ヶ月強ぶりのブログ更新となる。この間、自分でも
驚くほど多くの方から「どうしたんですか……」との声があった。
 ご心配をおかけし、申し訳ありませんでした。少しテンパっていました
が、山は越えたような感じです。2ヶ月前まで遡って回想録を書くのは
大変だけれど、少しずつでも思い出して書き足していきたいと思って
います。どうぞお見捨てなきよう、これからもお付き合い下さいませ。

***************

 土曜日の朝。案の定朝寝坊。
 急いでシャワーを浴びて3泊4日分の旅支度を整え、まずは大学へ。
午後からの「地図展2005in静岡」での配布資料を印刷した後、静岡へ。
同僚のYさんに駅まで迎えにきてもらい、会場の静岡ツインメッセに入る。

 地図展。
 国土地理院が(財)日本地図センターと共に行なっている、地図の
利活用についてのイベント。静岡県内で開催するのは初めてとのこと。
午後からの防災講演会の一コマをいただき、「あなたのまちは大丈夫?
地図から災害を考える」の演題で話をする。中身は、最近のDIGでは
必ずといってよいほど行なっている、新旧地形図の照らし合わせによる
災害リスクの可視化について。静岡、浜松、沼津、焼津の新旧地図
(畳2枚大に拡大したもの)を見せつつ、「ここって、人生最大の買い物
(つまり自宅)を構えるにあたり、相応しい場所だと思いますか?」と、
デモをしつつ聞いてみる。
 ありがたいことに、聴衆のみならず、国土地理院の皆さんにも大変
評価していただき、面目躍如。担当の中部陸地測量部のSさんのみ
ならず、地理院ナンバー3のK参事官にも評価していただけたのは
嬉しかった。

 控え室で、年明け1月20日、静岡県立中央養護学校で行なわれる
養護学校における防災教育についての公開授業の件で、担当のO先生と
I君と話す。I君は車椅子の小学生だけれど、いい目をしていた。
これから一緒にモノを考えようね。

 会場の「伊能図」に後ろ髪を引かれつつ、羽田経由高松へ。坂出の
地侍、Kさんの出迎えてもらい、そのまま善通寺へ。善通寺病院のT
先生、U女医先生、善通寺自衛隊のS「軍医中尉」、坂出市民病院の
Mナースの皆さんと、飲みかつ語る。来年GW明けに予定されている
「讃岐メディカルラリー」話で大いに盛り上がる。
 Kさん、年が明けたら本気で手伝わせて下さいね。

終日大学

2005-11-18 23:15:45 | Weblog
 11月18日(金) 【回想シリーズ】

 我ながら、何と情けないことか……。

 この秋、2本目の原稿を落としてしまう。締め切りを半月以上延ばして
もらったのに、この日の朝イチまでに出せなかった。たかだか16,000字。
しかもテーマは「まちづくりの軌跡」。「防災人国記」という基本的なコン
セプトが固まっていただけに(といっても、このコンセプトが固まったのが
締め切りを過ぎてからだが……)、我事ながら何とも情けない。担当Oさん、
あなたの顔を潰してしまい、何とも申し訳ない。敗者復活戦の機会をお願い
する前に、ともかく書き上げますので読んでやって下さい。

 1限の「災害と人間社会」。今日のテーマは「祭り・イベントと災害」
 地域安全学会の少し前の論文集や、三重県での「ハローボランティア・
ネットワークみえ」の活動、さらには「土手の花見」コンセプトをご存知の
方であればピンと来てもらえるのだが、本学の1年生諸君にどこまで伝わった
ことやら……。

 午後、Sさんとパシフィック・コンサルタントのお二方が来校。地質・地盤の
専門家集団の社会貢献活動として、自然災害、特に斜面災害についての
普及啓発活動を行うべく、年内にもNPOをスタートさせるメドがついた。ただ、
どこか今ひとつ手応えが感じられない。ついては、何かよい知恵がないか、
というのが来意の主旨。「旅の坊主」にそんな知恵などある訳もないが……。

 技術系の専門性を持っておられる方々であれば、「旅の坊主」の駄法螺より、
はるかに説得力あるプレゼンができるはずと申し上げる。そりゃ「旅の坊主」
には200か300かのDIGの経験はあるが、土木も建築も都市工学も、気象も
治水もみな耳学問。プロがプロの知識・情報を背景に、一般市民向けに実費
ベースで話をしてくれるならば、こんな心強いことはない。そりゃまぁ、専門
用語を使わずに、中学3年生に受け止めてもらえるような話をするのは、最初の
うちは難しいかもしれない。だが、地震学会・火山学会の「地震火山こども
サマースクール」がそうであるように、話す側にとっても、必ずや大きな収穫が
あると思う。

 夕方、いつものように消防士を希望する学生向けの文章読解力の補講。残念
ながら受講生は現在3人。もう少し増やしたいところだが、さてどうしたものか。

 途中、なじみの小料理屋にチゲ鍋の夕食をとりつつ、研究室で作業を続ける。
たまった仕事も机の上の書類やら資料やらの山は一向に片付かずで、結局、
せっかくの金曜日も、いつものように研究室を出るのは日付が変わってから。
でも、曜日の感覚が戻ってきただけ、まだましか……。

                                   (11月22日記す)

終日大学

2005-11-17 23:39:52 | Weblog
 11月17日(木)

 1限に災害対策論の講義。阪神・淡路大震災における兵庫県の
初動対応から何を学ぶべきか、学生と議論する。あれから10年半。
幾つかは改善されたが、幾つかは今もって変わっていない。どうす
れば、それらを体系的に説明することが出来るのか。断片を述べる
ことは出来るが、「枠組み」といえるところまで自分の中で整理
出来ていない。行政学修士の称号は持っていたはずなのだが……。

 Oさんの原稿、まだまとまらず。書けてはいるのだがしまりがない。
 うーん。

 4限にゼミ。再来週の木曜日(12月1日)、大洋州諸国の10名
ほどの若手防災担当者が本学で研修を受けることとなり、そのうち
DIGのワークショップを担当することになる。2時間のプログラムに
ゼミ生を立ち会わせたいのだが、いかにせん英語力に難あり。カリブ
災害管理プロジェクトに派遣された時に作った英文でのDIG資料を
渡し、さらに学生の前でデモをする。多少の英会話ぐらいはこなして
ほしいが、さてさて付け焼刃は間に合うか……。

 気分転換に夕食を作り、大学近くの書庫兼用の仮寓の整理など
するも、原稿進まず。

                             (11月22日記す)

終日大学

2005-11-16 23:50:59 | Weblog
 11月16日(水) 

 水曜2限の1年生相手の教養セミナー。今日は、最近話題の書、三浦展の
『下流社会:新たな階層集団の出現』を参考に、私見も交えつつ、最近ひし
ひしと感じる社会の二極化現象について話をする。
 多くの人が、日本社会がアメリカ型の二極化社会へと大きく舵を切りつつ
あると言う。「旅の坊主」の皮膚感覚も同じ。それが健全な方向とは全く思え
ない。しかし……。

 社会に対する関心も、権力欲も金銭欲も、向上心も、いずれも低く、でも
そこそこ自分の生活には満足しているという階層。以前、同じ1年教養ゼミで
取り上げたマハトマ・ガンジーの”An eye for an eye will make us all blind”と
いう一節を思い出す。騙されているのに気付かないというのは、ある意味では
幸せなことなのかもしれないが……。

 午後、来年1月の大学センター入試に向けたリハーサル。今回から英語の
リスニング試験が行なわれることになったが、この試験監督をやろうとすると、
こいつはえらいことだと初めて知る。2時間ほどのリハーサルで概ね要点は
おさえたつもりだが、ともかく、トラブルがないことをひたすら願うのみ。

 相変わらずOさんからの頼まれ原稿に苦戦。書くべき中身は明確なのだが……。

                                 (11月27日記す)