「尻つぼみになった野党の追及」「マスコミ報道が下火に」「軍事研究を潰す<圧力運動>北大以外にも及んだ『被害』」。
前東京新聞論説副委員長の長谷川幸洋氏が学術会議問題についてこれまでの経緯を解説し、野党とマスコミが事実上の撤退の様子を伝えている。
野党は追及ネタが尽きてきた一方、肝心の学術会議側は政府に対して、将来の在り方を検討する方針を表明し、まさに「負け戦」の様相になってきた。野党側は「学問の自由に対する侵害」と主張していたが、学問の自由を侵害していたのは学術会議側自身だったことがバレてしまったからであろう。
北大の奈良林直名誉教授が、軍事研究に反対する学者らでつくる「軍事共同反対連絡会」と言う団体が北大総長との面会を要求したり、公開質問状の送付を繰り返すなどして研究を断念するよう圧力をかけていた事実を明らかにしている。こうした例は北大のみならず全国各地で行われていたことが分かった。
実際国会質問でも、マスコミ報道でも「学術会議問題」はすっかり消えてしまった感がする。学術会議の改革こそが日本の科学技術の振興にとって重要なことが図らずも露呈したことになった。
東大の地震研究所はかって「東南海・東海・南海地震」は予知が可能と主張し莫大な科研費予算を獲得し注ぎこんできたが、数年前「地震の予知は不可能」と言い訳し現在に至っている。地震予知に使った予算は無駄とは言い難いが、予知可能だからと言って獲得したが途中で不可能と判断し言い訳をするのはどうしたことか。この責任は誰が負うべきなのだろうか。