ALL関東教育フェスタのセミナーが、東京都荒川区のサンパル荒川でありました。関東中心に学生さんが60名以上集まり、教育に関して4つのテーマを設定して一日のセミナーを行うというものだったのです。私が担当したのは「いじめ」の分科会、スタッフの方を含めて16名の学生さんが参加してくれました。会場の都合で、2つの分科会を仕切りなしで平行して行うということだったので、「えっ!」とびっくりしたのですが、案外できるものなのですね。拍手などを小さくしてもらったのですが、特に、隣の分科会の人たちがこちらを「何だろう?」と向くこともなく、二つの分科会が共存するという体験を味わいました。
スタッフの有常さんと伊倉さんがロールプレイングを熱演していただき、参加者の皆さんの気づきを高めてくれました。スタッフとしての仕事の合間に、超特急で練習をさせていただいたにも関わらず、とても良い出来でした。特に、有常さんのご自身の悩みの場面は、ほどんどぶっつけ本番だったのに、いいところことに落とすことができましたね。
今回の成果は何と言っても充分な時間をとっていただいた事でした。午前の11時開始から途中45分の食事休憩を挟みましたが、18時までぶっ続けというロング研修でしたが、ふりかえりの時間もブログをスクリーンに映し出しながら、たっぷりと出来ました。そんなことが、参加者の皆さんの気づきの深まりを起こしたのだと思います。
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また、いじめの構造については、論理的に知れた気がして、今までに考えたことのない角度から見つめることができてべんきょうに
確かに人間は自分より弱い者をいじめるというスパイラルがあると思う。主体性、依存性の
(深美です・・・さとピーさん、コメントを最後まで入れて頂ければ、お返事ができるのですが・・・)
また、それを防ぐための、こどもとの関係作りも、具体的に知ることができました。
一人ひとりとの関係を作ることはとても大切だと思います。しかし、それだけでなく、こどもたち同士の関係作りにも目を向けることで、こどもたちが学校を卒業してからも、他の人と上手な人間関係作りができるような教育ができればいいと感じました。
(深美です・・・その通りだと思います。今、学校で良好な関係・・・というだけでなく、将来にわたって、その生き方ができるということ、つまり自立して自律している状態を教育の完成型としなければいけないのでしょう。私たちは、子どもが就職したり結婚したり人生の節目にはお祝いの言葉を贈りますが、なかなか「よく主体的な生き方ができたね」と褒めたりすることはありません。でも、こんな言葉かけ、必要だと思うのですが・・・このへんがイノベーションである所以です。)
とても楽しくそして何より貴重な話でした。ありがとうございました。
(深美です・・・少なくとも、この人間関係づくりの世界に入ってからは、深刻な話に出会いませんので、それを語ることはできません。きっと何割からのトラブルをこの授業の力で未然防止しているのだと思います。今日の研修会のねらいが伝わりましたか? 「すごろくトーキング」が出来なかったので、完成型とは言えませんが、最後に一つの結論に落ち着いてくれれば、ねらいが伝わったと思います。ただし、それは答えが一つというものではなく、参加者の皆さんのなかに、それぞれ違った答えが生まれているはずなんですね。そういうことを、共有化することで確認していただきたいと思います。)
色々なことを考えさせて頂きました。
ロールプレイングを見て生徒の相談にのることは、現場ではよくあることですが、気を付けないと生徒の問題解決に繋がらないこと。いじめにおいては未然防止の重要性がよく言われていますが、今日の例えのような、友人同士のこじれ的なものにも、普段から教師はよく観察して、生徒の成長の手助けをしておく必要があるように感じました。
教育のプロセスとしての「認知、評価、行動」について知り、いじめにおける被害者や加害者の心理にある劣等感を評価の充実などによって解決できたら良いなと思いました。
各都道府県における、学力と地域の特性の関係は、詳しく聞いたのは始めてで、とても面白く興味深かったです!
質問なんですが、いじめ解決の成功のエピソードを伺いたいです!
(深美です・・・「手助けをする」という姿勢が基本です。これは、教育全般に渡って言えることで、教科授業ですら、そうあるべきだと私は思っています。実際、私は英語の教員でしたが、ずっとこの姿勢でやってきました。教えているという実感をもったことは、ほとんどありません。しかし、子どもたちはよく勉強してくれました。英語を覚えたり、話したりすることを楽しんでました。学校生活全般、楽しい!って大事ですよね。
いじめは、認知すればすぐに解決しますから、エピソードというような大げさなものはありません。実は、3月12日に「いじめから子供を守ろう!ネットワークの井澤一明さんとお会いして意気投合しました。井澤さんのHPを見て下さい。解決事例を紹介してくれています。http://mamoro.org/)
(深美です・・・ひろさんが言っているように「話を聞いて、自分(相談側)なりの解決策を考え、それを提示する」という方法がけっして悪いわけではありません。重要な事は、このプロセスにフィードバックの視点を組み込むということなのです。解決策を考えてあげることは、先生であったら当然のことです。しかし、そこに相談者本人の成長のプロセスに乗っていることが基本なのです。そのために、くり返したり、共感したり、提案したりしているわけです。これは、ロールプレイング1で提示したDESC法「くりかえす」「共感する」「主張する」「選択する」というプロセスとそっくりでしょう? つまり、人間関係も教育相談もアサーションが大切だということなのです。相手の気持ちを思いやる想像力、感じたことを伝える主張する力、相手の多様性を認める選択力jというものが駆使されるのです。そんな手法を使うことができる力を養いましょう。)
人間の物の見え方は千差万別であるということを、
視覚的に学ぶことができました。
また、いじめの構造を知り、教師と子供という枠組みだけでなく、
人と人のコミュニケーションの取り方を、
ロールプレイングを通して楽しく真剣に考えることができました。
教育に関心のある仲間との意見交換を通して、有意義な時間を過ごせて
良かったです。ありがとうございました!!!
(深美です・・・最後に「すごろくトーキング」をすることができれば、更に、自己概念をふくらますというところに、意義を感じていただけたと思うのですが、時間が足りませんでした。申し訳ありません。今日は、相当たっぷりお時間を用意していただいていたにも関わらず・・・です。でも、じっくりとやらせていただいて、それぞれの部分のつながりから、ひとつの大きなイメージへと気づきが降りてきたとしたら、今日は価値があるセミナーだったと思います。手応えはあったのですが、どうでしょうか?)
(深美です・・・分かりやすく説明できるかどうかわかりませんが、大事なことは、
・ソーシャルスキル→・出会いと気づきの力→・アサーティブな人間関係調整力、というように順次的、継続的に進めていくことです。細かくは説明しづらいので、どうぞ「あいあいネットワークofHRSのHP」へいらしてください。その中の「考え方」というページhttp://www.aiainet-hrs.jp/03yotei/yotei.htmに、少々長いですが説明を掲載しています。)
仕組みがモヤモヤしていたことに対しての答えや
他にも純粋に楽しいなとも感じました!
どんなに学力が大切と言われていても私は人との人間関係の方が大切であると思います。
現在教育で大きく変えるべきことはなんだと思いますか?
はじめは攻撃的な行動をする人が主体的になった例を聞いてみたいてす。
(深美です・・・「いじめの仕組みを言語化できた」解明できたということでしょうか? そうであれば嬉しい限りです。文科省が提唱しているキャリア教育の4領域8項目では、人間関係形成能力(自他の理解能力・コミュニケーション能力)があげられているくらいですから、いわゆる一般的な学力とは別の切り口での尺度といってもいいでしょう。簡単に言うなら、人間関係形成能力が身についてくると、「学力」も向上するのです。自他の理解能力というのは、認知と同じことですから、「目標を立てることができる」「行動への動機を感じることができる」ということです。コミュニケーション能力が上がれば、「質問できる」「切磋琢磨することができる」等々、学力向上にプラスになることばかりなのですね。今、教育に必要だと感じることは、このような課題意識を行政・学校・教員というレベルで持つことです。現実はあまりにも恣意的に行われている部分が大きすぎるのです。教育の効果を得るためのコーディネーションから教育のデザインにつなげていくことだと思います。最後のご質問ですが、依存的な要素があるかぎり、必ず攻撃性は出てきます。ですから、今、主体的に生きているだろう人も必ず、依存を通過して成長しているということを忘れてはいけません。誰でも、主体的になっていいのです。)
少し失礼を承知して聞くならば、深美先生のモデルが現実の状況とうまく合致しにくい時というのは、どのような時ですか?深美先生のモデルが合っていると思うからこそ、現状解決が厳しい中で、このような疑問を感じます。
また、僕はいじめの改善には「認知・行動・評価」のスパイラルのうち、認知がカギになるのではないかと思っています。いじめっ子が自分の状況を客観的に捉えることができれば、いじめることに抵抗を覚えるだろうと思います。しかし、①認知の教育だけで良いのか、②効果的な認知の教育の方法にはどのようなものがあるのか、という疑問があります。そこらへんはどうなのでしょうか?
(深美です・・・会場でも一部お応えさせていただきましたが、わたりん:ボッスンさん、骨のあるご質問ですね。「依存的なあり様から主体的なあり様へ」という枠組みを「深美モデル」と命名していただき、ありがとうございます。このモデルは、人間の成長に則したものだと思っています。現実問題としてはどうなのかということなのですが、私、ニッポン放送の「テレホン人生相談」の熱心なリスナーなのですが、相続とかの問題も含めて、「深美モデル」があてはまるケースがほとんどなのですね。職場でのイジメの悩みなどは、まったくそのものと言ってもいいくらいです。「深美モデル」にもっと磨きをかけたいと感じました。ボッスンさんが書いてくれてるように、「より細かいモデル」が必要なのかも知れません。
もう一つのご質問ですが「認知の教育」という概念ですが、これは、個別のモデルというよりは、教育全体の効果として「認知の向上や発展」があるかというという、教育全体に関するモデルであると思っています。認知は平たく言うと学力であり人間力なのですね。)
(深美です・・・会場でもお応えさせていただきましたが、フィードバックとは、相手にとって客観的な鏡のようなものであり、自分にとっては、客観的に認識する力のようなものなのですね。自分自身の行動により、様々な反応が返ってきます。それは、プラスのものもあり、マイナスのものもあり、何の評価もない無視ということだってあります。それを、自分自身がちゃんと受けとめられるか・・・ということなのです。これは人間力といってもいいでしょう。自分のまわりに起こっている事象をフィードバックとして捉える力と言っていいでしょう。力のあるご質問でした。)